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ItalDesign Asso Di Fiori 1979(イスズ・ピアッツァの原形) [車、カーデザイン、ミニカー]

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ジウジアーロ作品の中で一番好きかも知れない、少なくとも自分の中では五指に入ることは間違いない
ピアッツァ。その原形、アッソ・ディ・フィオーリ。“原形”といっても、両者はほとんど見分けが
つかないくらい、このコンセプトモデル(のイメージ)に忠実に量産版が作られていた、あらためて
当事この車の設計/生産に関わった方々の努力がどれほど大変だったか、想像に難くありません。

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ピアッツァは私が学生の頃に発売され、まるでモーターショーに出品されるショーカー(当事は
コンセプトカーという言い方が一般的ではなかったように思います)そのままみたいな近未来的な
デザインが何ともステキに思えました。ですが、価格もうんと高かったのでこれから社会人になった
としても、そうそう簡単に手が出せるようには思えませんでした。
当事わりと仲良くさせてもらっていた同級生のうちの一人(地頭良く、とても優秀)がいすゞに就職し、
1~2年した頃、このピアッツァの新車を買ったと久しぶりに会ったときに教えてくれました。色は赤。
最初に助手席に乗せるのは絶対に彼女にしたい!ということで、彼の就職によって遠距離になっていた、
べた惚れの超美人さん(余談だが、学生の頃から目立ってかわいくて地元の広告のモデルとかしていた。
気立ても良く男女ともにファンが多い)の彼女の待つ故郷へ、ピカピカの赤いピアッツァで帰省してきた
との事でした。色々な意味ですごくうらやましかったのを覚えています。

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時は流れ、そのピアッツァを私も所有する機会が訪れます。
30歳を迎える頃、転職のためにそれまで乗っていた車を売って現金化し、でも車が無くては困る土地
だったのでうんと安い中古を探すことにしました。
で、頭に浮かんだ候補のうち最有力だったのがピアッツァです。新車価格は法外に思えるほど高かった
のですが、さすがに古くなって、しかも都合のいいことにそれ程人気も無く、中古車価格は随分安く
なっていました。
その中でも特に安いものをカーセンサーで見つけ、電話して、いくつか確認して現物を見ることも
無しに購入を決定。すぐに陸送してもらいました。確か、購入価格25万円だったと思います。
グレードはちょっと珍しいXF。
トランスミッションはマニュアル。色はシルバー。同級生がかつて新車で買った赤も魅力的でしたが
玉数がないし、オリジナルのイメージからすればこの車はやっぱりシルバーだろうと。ホイールも
オリジナルです。
初期のピアッツァはドアミラーが認可されていない頃に発売されたのでフェンダーミラーだったの
ですが、購入したピアッツァは初期モデルにもかかわらずドアミラーになっていました。
前のオーナーが交換してくれたようで、これはラッキーでした。なんだったら自分で変えようと
思っていましたので。

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千葉県から積載車で運ばれてきた中古ピアッツァに乗りこんでみたところ、軽くかび臭かったですw
まぁこんなもんかとエンジンをかけると、デレンデンデンデンみたいな音。
うーむ、かなりイメージと違います。
それでも気を取り直して初ドライブに。
普通の交差点で曲がるときにリヤタイヤがギャンギャンいいます。
何だかすごくやる気になって走っているみたいです。スピードはゆっくりなんですけどw
総じてとても古い車(実際古いんだからしょうがないにしても)で、乗り心地もトラックぽいような
感じで、とても外観からイメージするような近未来的で優雅なものではありませんでした。うーむ…。
これはまぁ、その前に乗っていたのが2代目ソアラだったということも多少あるのでしょうが、
正直かなりガッカリしました。ここまでダメダメだとは…やっぱり古いし、安いだけあるな…。

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初ドライブの帰り道、これはちょっと失敗したかな、いや間違いなく失敗だな。返品できるかな…
などとネガティブな事ばかり頭を駆け巡ります。
で、帰ってきて車からおりて、外からもう一度見まわします。

はぁぁ、やっぱりいいなぁ、ピアッツァ…。
本当にそう思いましたw

さっきまでのネガティブな気持ちもすごい勢いで緩和されていきます。単純なものです。
やっぱりこれは置いておこう。こんな形のいい車、そうそう出てこないだろうから、
うん、置いておこう。そう思い直しました。

その数ヵ月後、さいわい希望の業種(今の業種)への転職がうまくいき、神奈川の横浜に引っ越す
ことになるのですが、当初私だけ先に引越しし(私の身分や収入がまだ何ともいえなかったから)、
この車も当事の家内も新潟に残し、彼女の仕事や買い物の足として使っているうちにフロントガラス
にひびが入ったり、他にも色々と不具合が出てきて…、電話や時々帰ったときに状況を聞き、
大変心苦しく思いました。
こんなのに乗せててスマンコッテス…。
その後しばらく不具合を我慢して乗ってもらっていましたが、実家の兄のすすめもあって廃車にする
ことに決定。
残念ながらこのシルバーの初期型ピアッツァを神奈川につれて来ることは出来ませんでした。
ほんの短い間ではありましたが、再就職前の不安な気持ちで過ごす中、かつて憧れた美しいデザインの
お気に入りの車がそばにあるということは、それだけでちょっとだけ心が豊かになって、いいものでした。
今でも程度のいいものがあれば、そしてきちんと保管できる環境があれば、欲しいと思う車の一台です。





程度のいいものがあればって…、それは今乗ってるのもそうだし…。


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triton

こんにちはtritonです。
若かりし頃、いすゞの二代目ジェミニを2台乗り継ぎました。
普通のジェミニとハンドリングバイロータスです。
でも当時、本音はピアッツアに乗りたかったけれど高くて乗れなかった記憶があります。エクステリアも好きでしたが運転席周りの未来感あこがれていた様に思います。
その頃はピアッツアと初代エスティマをレンダリングが実車化された車だと騒いでいた様に記憶しています。

後々、スバルのSVXとか出て興味津々でした。

いすゞにもう一度、乗用車復活してもらいたいですね。
個性的な車を作ると思うんですが。




by triton (2015-05-31 14:21) 

ash_institute

tritonさん
ジェミニもスッキリしたいいデザインでしたよね。実は上の話に登場する同級生は
学生時代にバイト頑張ってそのジェミニのクーペの中古を30万で買っていました。
本当はやっぱりピッツァが欲しかったんですけど、そのときはまだはるかな存在で…。
彼の気持ちは良くわかっていたので私はそのジェミニクーペを
“この斜め後ろから見たところとか、スッキリしてきれいですっごっくカッコイイよね。”
と褒め称え、彼も喜んでいました。

初代エスティマも良かったですよね。エクステリアもインテリアも、そしてエンジンを極端に
横倒しにしてまで実現した完全なミッドシップという野心的なシャシーも。運転するとフロント
ウインドーが極端に遠く思えてちょっと気をつかいましたけど。

スバルのSVXはかなり頑張ったと思うんですが、個人的にはいまひとつなところが目について…。
でも、あれがピアッツァの後、ジウジアーロのオリジナルデザインを大事にして作られた車だと
いうことには大きな価値があると思います。

いすゞにもう一度デザインのいい乗用車を作ってもらいたいと願う人は少なくないと思いますが、
あの会社の体質というか、社員さんたちのものの考え方というか…、何ともここで書きにくいの
ですが、少なくとも私には日本のメーカーで最も関わりたくないところでした。ああなったのも
(乗用車から撤退)無理は無いという意見は残念ながら私だけではありません…。


by ash_institute (2015-05-31 15:31) 

triton

街の遊撃手とかのCMで懐かしく思い出しました。
イルムシャーとか懐かしくないですか?

業界では良くなかったのですね。残念です。
以前、勤めていた会社も評判が悪く、今では業界では下の方に沈んでいます。
(課長職以上になりたくない会社でした)

社員と世間(世界)に展望を発信する会社でないとダメなような気がします。


by triton (2015-05-31 16:29) 

ash_institute

あのCMは印象的で良かったですね。ジェミニが好きな人もそうでない人もみんな楽しめたと思います。

いすゞの当事の社風を表す言葉に“休まない、遅れない(だったかな?)、仕事しない” というのが
あって、それを聞いたとき、ああなるほどなと思いました。それに加えて、勘違いとしか思えない程の
外部に対する偉そうな態度とかあって、本当に始末がわる… これくらいにしておきます。

おっしゃるように、企業は未来に希望が持てないといけませんよね。
自分のところはどうなんだっていうのは…すごく大きな棚に上げておかないとですけど。
by ash_institute (2015-05-31 17:29) 

sato

GMの影響が強くなってからの乗用車はいまひとつでしたね。撤退も止む無しのクオリティでしたし、デザイン的にも見るべきものが無かった車が多かったように思います。
いろんな角度から見ると問題の多い自動車メーカーかもしれませんが、古い車の部品供給に関してはかなり良心的で、オーダーが溜ると新規に作ってくれたりしています。恐らく国産メーカー中でダントツに部品供給が良いと思います。初期型フローリアンを2台持ってますが、走る上での部品に困ることはありません。(外装品は全滅ですが)フローリアンですら出るので、当然べレットやクーペもしかりです。
by sato (2015-06-01 06:09) 

ash_institute

satoさん
そうなんですか、今でもフローリアンの部品が出るんですか!!
それはすごいですね。べレットや117クーペもですか、そうですか…。
ちょっと、いや大きく、いすゞへ抱いていたイメージが偏ったものだったと思わされます。反省。
そういえば子供の頃、117にも憧れたなぁ…と今あらためて思い出しました。
by ash_institute (2015-06-01 11:55) 

sato

まぁ、無いものが圧倒的に多いですが、他メーカーがネジ一本出ないことを考えると、乗用車から撤退して久しいのに素晴らしいことだと思います。
私が初めて買った車は117クーペでした。フローリアンもギアのデザインですので、改めて見ると良い形をしていると思います。華奢なドアや三角窓のノブ、楕円形を基調にしたインパネとスイッチ類(ハンドルまで楕円)、ふわりとしたシート、明るい車内・・・こんなイタリアンな国産セダンって他に無いなとひそかに思ってます(笑
by sato (2015-06-02 19:57) 

ash_institute

satoさん
古い車の事ですから、出ない部品のほうが多いのはしょうがないでしょうが、そういう対応を
出来る限りやろうとしている、いすゞのその姿勢が嬉しいですね。

117が最初の車とはうらやましいです。エクステリアもインテリアも魅力的で、他に替わるものが
無い、国産車の傑作のひとつだと思います。

フローリアンも他の車に無い独特な魅力がありますよね。子供の頃はなんとなく変わったデザイン
だけどちょっとかっこいいところがあるな…と思ってはいましたが、それが具体的に何なのか
モヤモヤしながら、イタリアンデザインの魅力をそれとわからずに感じていたのかもしれません。

by ash_institute (2015-06-02 21:39) 

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