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De Lorean DMC-12(カーマガジン・ウィークエンドミーティング 2018 秋 in 大磯 Vol.8) [レース、モーターショー、イベント、ニュース、他]

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昨日に続き、9月29日(土)に大磯ロングビーチの駐車場で行われた
“カー・マガジン・ウィークエンド・ミーティング 2018 秋 in 大磯” というイベントに行ってきた、その8。

http://www.car-mag.jp/cwm2018autumn/
http://www.car-mag.jp/img/483/CM483_Oiso.pdf

今回はデロリアン DMC-12。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場するタイムマシンのベースとしても有名ですので、
それほどこの車自体に興味が無い方にも姿かたちは知られているかと思います。


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この頃のジウジアーロらしさがよく出たデザイン。
個人的にはフロントエンドがもう少し低いほうがいいかな…、とは思いますが、そうせずにボディを
薄く低く見せるように考えたのかなぁ…とも思えて、そうだとすればそれはうまくいっていると思います。

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コンセプトカー、マセラティ メディチⅡなどによく似た顔つきのフロントまわり。
角型4灯式ヘッドライトという事で、前回取り上げた117クーペの後期型ともちょっと似た雰囲気です。

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サイドウインドーの傾斜と曲率の強さが良くわかるフロントビュー。 ほんとにすごい傾斜…。

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独特のステンレス製ボディパネル。その素材感を見せるため、あえて無塗装(保護のためのクリア塗装
とかはしてあるのかもしれませんが)のヘアライン仕上げ。普通の塗装されたボディとは明らかに異なる
にぶいリフレクション。こんな小雨が降る中でもそれが良くわかり、独特の雰囲気をかもします。

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特徴的なリヤコンビランプ。なんとなくここはアメリカ車っぽいなぁと思うところです。
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そのまま普通にしていてもGMの副社長ですから安泰の人生、いわゆる勝ち組だったことは間違いないと
思うのですが、自身の名を冠したスポーツカーをどうしても作りたい…、その夢の実現のために奮闘した
ストーリーは、途中まではうまくいっていたのに、結局は残念な結果に終わってしまったわけですが、
もしも、最初からあそこまで大きな規模でやらずに、もう少し小さな生産規模で堅実にやっていたら
どうだったんだろう…?と思うことが良くあります。

世界一の人気デザイナー、ジウジアーロに自分の好みを反映してデザインしてもらったガルウイングボディ、
そのボディパネルには錆びないマテリアル、ステンレスを使って、他のスポーツカーやスーパーカーには
無い特徴として先進性をアピール…。夢いっぱいだったのだと思います。

一般的にステンレスは錆びないと思われているのですが、実は全く錆びないというわけではなく、
条件によっては(もちろん普通の鋼ほどではないですが)それなりに錆びるというか腐食します。
そんなことは当然わかっていて、特徴を出すためにあえてそうしたのかもしれませんし、錆びに強い
のは間違いありませんのでそれはいいのですが、ステンレスを車のボディパネルとして使う場合、
問題なのは加工性があまり良くないということです。この車も実車を見ると良くわかるのですが、
細部の仕上げは結構辛そうなことになっていて、パネル同士や他の部品との合い、端部の処理などに、
苦労したんだろうなと思われるところが散見されます。それでも普通の車のように最終的に塗装する
のであれば、パテなど使って細かい修正を行えば、少なくとも面質はかなりごまかせるのですが、
この車ではステンレスの地肌が見える仕上がりですので、それは出来ません。これが何とも辛い。
実際の製作に当たった方々はさぞ苦労されたことと思います。初めて立ち上げた自動車メーカーで、
普通の車よりも難易度の高い作業を要求される…これはかなり厳しい仕事であったことは間違い
ありません。
そんなことや、多分他にも色々あって、“遠目の見た目はいいが、車としての品質に難有り” という
ありがたくない評判が立ってしまい、当初沢山あったオーダーはどんどんキャンセルされていった…、
とのことです…。

もう少しコンベンショナルな方法でやれば良かったのに…と思いますし、そういう事にはこだわった
わりに、エンジンなどパフォーマンス的にはあまり特別なものは考えていないように思えて、何だか
ちょっとちぐはぐな気もします。 エンジンやパワートレインは入手しやすいものにしておいて、
とにかくデザインと凝ったボディを売りにする、そういうコンセプトだったということでしょうか…。

個人的にはそれほどこの車を好きというわけでもない私ですが、それでも、この車を愛しむ気持ちは良く
わかりますし、もしもこの車のボディパネルをスチールかアルミか、あるいはFRPにして、生産規模も
年間100台程度、せいぜい数百台程度から始めていればどうだったんだろう…?そう思わずにいられません。




次回は、Vol.9 来場者の車色々(BMW i8、Lancia Fulvia、Renault 5 Turbo、Ferrari Dino 308GT4、他)
で、このシリーズの最後になります。




悲しいストーリーもまた愛しく思える…、のかもしれない。






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