SSブログ










東京モーターショー2017プレスデー(2017年10月25日)その2 IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

IF-02RDS_R_ver_79_01.JPG


東京モーターショー2017
http://www.tokyo-motorshow.com/

プレスデー初日、その2は新開発のV型10気筒エンジンの写真を主に。


IF-02RDS_R_ver_79_02.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_03.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_04.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_05.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_06.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_07.JPG

1号車の開発時からエンジンに関してはずっと懸案事項のひとつで、2013年の東京モーターショーで
見て欲しいと言ってくださった方々のそのほとんどからも、エンジンをもっと強力な、この車に
ふさわしいものに出来ないかと言われたそうで、池谷さんご自身もそう思っていたであろう事は
想像に難くない。

2号車の開発途中では様々なところから協力のお申し出があって、すばらしいお話には大喜びしたり、
それが互いの勘違いだとわかってガッカリしたり…、可能性のある魅力的なエンジンに関して色々を
検討した。
池谷さんの考えも何度か変わったような気もしたが、心の中はずっと変わらなかったんだろうと思う。
結局こういうこと(今回の試作機発表)になって、それは当初、そんなことが出来ればどんなにいいか、
それが出来れば夢ですけどね…、なんて言っていたことそのものといえる。
もちろんこれがモノになればの話しだが、池谷さんが決断して、このV型10気筒オリジナルエンジンの
開発を進めることになったのだから、こちらとしては喜んで、出来る限りの協力をしたいと思う。

IF-02RDS_R_ver_79_08.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_09.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_10.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_11.JPG

想定されている基本スペックはこんな感じ。
IF-02RDS_R_ver_79_12.jpg

上の写真のスペックに書かれていないことも含めて、これまでに池谷さんから聞いているところに
よれば、基本構成は1989年頃のF1用3.5LのV型10気筒エンジンに近いもので、それらより低速トルク
を増すため少し排気量アップして4.0L。世の中の他の10気筒エンジンよりも1気筒あたりの排気量は
小さめ。高回転を狙った超ショートストロークだから基本的に低速トルクは出しにくいが、この排気量
と軽い車重(目標1200kg台?)であれば、それほど扱いにくいものにはならないだろう。
目標出力は450kW≒612ps程度。注目すべきはその最高許容回転数で、設計者の想定では十分な
マージンをとって“抑えて”12,000rpm(!)程度。10気筒エンジンで1万回を優に越える…、
いい音がしないはずが無い。

バンク角は90度。V型10気筒の場合、72度のほうが連続した高周波の排気音を得るには有利とされる
のだが重心(他の条件が同じなら当然90度のほうが低い)まで含めたパフォーマンスの点で設計者は
90度がお勧めとの事。ちなみに、世界一いい音のするレクサスLFAは72度で、個人的にはあの音に
近い音が出せるのなら重心のことは少々目をつぶっても…と思うのだが、あれはバンク角だけで
あの音を出しているわけではないし、こちらはより高回転だし…、何はともあれ、試作機の火入れを
楽しみに待ちたい。

カムシャフトの駆動方式は多くのレーシングエンジンがそうであるようにギヤトレイン。
当然ギヤノイズは相当するだろうが、この超高回転エンジンにベルトやチェーンよりもふさわしい
のは確か。

燃料供給は今時はやりの直噴ではなく、制御がシンプルなポート噴射。池谷さんによれば直噴は
とにかく制御が複雑で非常に繊細なので、こういった新開発のエンジンであえてそれにチャレンジ
することはせず、まずは気持ち良く高回転で回していい音(と十分な出力)を出す、そのことに
専念できるように他の検討要素をなるべく少なくおさえておきたい、ということらしい。


IF-02RDS_R_ver_79_13.jpg

ギヤボックスも、それとエンジンの間に入るクラッチハウジングも完全オリジナル設計。
ギヤボックスの中身はもちろんIST(Ikeya Seamless Transmission)。大出力に対応したものになる。

IF-02RDS_R_ver_79_14.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_15.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_16.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_17.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_18.JPG
反射で白っぽくなってちょっと見づらいが、クランクケース左側にはスカベンジングポンプがずらり。
ドライサンプエンジンならではの光景。

IF-02RDS_R_ver_79_19.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_20.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_21.JPG
同軸型のウォーターポンプとオルタネーター。

IF-02RDS_R_ver_79_22.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_23.JPG

IF-02RDS_R_ver_79_24.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_25.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_26.jpg

IF-02RDS_R_ver_79_27.JPG



このエンジン試作機などを見ていると、やっぱりエンジンはV型の多気等がいいなとつくづく思う。
ダウンドラフトでエアファンネルが2列ずらっと並んでて、そして何よりこのエキパイの造形と質感。
(ちなみにこの試作機のエキパイはインコネル製=大変高価) 
こういうものを見るともう、エンジンは縦置きNAのV型多気等に限るなとつくづく思う。
同じことを何度も書いてしまうほどそう思う。
全体の造形がもうエンジンの王道というか、ありがたさいっぱいでいい。




まさかオリジナルエンジンを開発することになるとは、それもV型10気筒…。






nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:自動車