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ASPARK OWL prototype インテリア [ASPARK OWL prototype etc]

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ウェブサイトのInteriorのページにASPARK OWL prototypeのインテリア画像を追加しました。

http://ash-institute.cats.st/works_car_design_interior.htm

ASPARK OWL prototypeのページ自体にもあるのですが、Interiorのページがちょっとさみしい
状態でもありましたのでこちらでもご覧いただけるようにしました。


最終案のCG:シェーディング状態のスクリーンショット。
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この後、現物製作用の3Dデータを作成することになります。
表面の各種仕上げ(レザー、ファブリック、塗装等)に応じてオフセット面を作り、裏側の補強、
取り付け用の細工等考えるのですが、これが結構手間のかかる作業で、この車の場合はそうでも
なかったですが、ものによっては…正直げんなりします。



部位ごとのカラー、材質等を示すマテリアルマップ。レザーは見本のチップを貼っておすすめの
順番などを添えてお客様にご覧いただいて選定していただきます。
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インテリアの多くの部位でつかったオフホワイトのレザーですが、これに関して実は色々ありました。
このことはASPARK OWL prototype のページの最下段、
J News Internationalのグラフィックデザイナー/ライター:真栄中美樹さんによるインタビュー記事
の第5回でも触れているのですが、その抜粋をここでも紹介させていただきます。

 第五回「ASPARK Owl」カーデザイナー大津秀夫氏 独占インタビュー


---------------------- 以下インタビュー記事より抜粋 ----------------------

 それから、インテリアに使ったオフホワイトのレザー(本革)を当初国内メーカーで手配していた
のですが、メーカーと、間に入った業者の両方でトラブルが続き、使えなくなり、(最初に選定して
お客様にも承認してもらったものが、良く見たら量が足りなそうなので別のものにしてくれないかと
言われ、何だそりゃ…と思いながら新たにカタログから選定しなおして、お客様からも何とか承認して
もらったものが届いてみたらサンプルと全然違う色で、お客様に確認するまでも無く使えない。
この発注に要した費用は弊社丸かぶり…。何なん?革関係の業者w)、急遽東京の浅草(昔からレザー
の卸問屋が多い)に直接仕入れる覚悟で現金持参で行ったのですが、残念ながら色と量の両面を同時に
満たす現物は見つからず、ある輸入商社でイタリア製のサンプルの中から望ましいものを見つけて
ダメ元で納期を聞くと十分間に合いそうなことがわかり、急遽それをイタリア本国に発注、
本当に間に合う、という“綱渡り”に成功しました。

 当初、納期や何か問題が発生した時の事を考えると、やはり国内メーカーのものが良かろうと思って
そちら方面にあたっていたのですが、国内メーカーの場合、色や風合いに限りが有って選択肢が少ない、
それでも何とか選んで発注すると納期が1~2ヶ月(標準品で在庫があれば別)。それに対してイタリアの
メーカーの場合、色も風合いも国内メーカーの数倍以上の選択肢有り、風合い豊かで質感とても良い、
イタリアからの輸入にもかかわらず納期は最短で1週間強、長くて10日、価格は国内メーカーと同等か
むしろ安い(輸送費を含む、決済はもちろん日本円で国内の銀行口座へ振込みでOK)とはどういう事
なのか? さすがレザーの本場イタリア様、最高じゃないか。

 上記のトラブルが無ければ、そして自分で買い付けに行かなければこういう事は知らないままでした。
このレザーの手配問題はある意味軽い修羅場でしたので、その時は本当に大変でどうなることかと思い
ましたが、自分で動いて実際に目で見てお金も使って得た経験は他では得がたいものでした。今度からは
このイタリアメーカーの見てるだけで楽しくなるようなサンプル帳(発注時に実費でいただいてきた)を
見て、豊かな風合いのステキな色のレザーを注文しようと思っています。

---------------------- 以上インタビュー記事より抜粋 ----------------------

自身や身内(と思える範囲)でコントロールできない不測の事態が次々起こるのは、この種の
プロジェクトでは良くあることといえばそれまでなのですが、本当に神経をすり減らします。
それでもまぁ、これまでに経験した自動車メーカー相手のいくつかの修羅場に比べれば、
この程度のことはかわいいものですが…。



ここからはほぼ完成状態を製作スタジオで撮影したもの。
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ドアトリムのこの部分は私自身結構気に入っているところ。(グレーのラインは他と同色の
オフホワイトのほうが良かったと思いますが)
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メーターグラフィック
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センターパネルのモニターのグラフィック
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このプロジェクト全体がそうだったのですが…、特にこのインテリアの開発は、ジャズの即興演奏とか、
お笑いの一発芸とか(これはちょっと違うか…)、私としてはそういうものに近い感覚の、とにかく
アドリブでその場ですぐに対応しなければいけない、じっくり考える時間がとれない(従来通りの製法
では間に合わなくなることが目に見えている)、絶対的に時間が無い中での作業の連続でアイディア出し
から、この種の経験の全く無いお客様にわかってもらうためのデータ(シェーディング画像等)作成も
結構骨の折れる作業でした。承認していただいたデータから実際にもの作りのためのデータを作成し、
それをもって外注業者と折衝、納期管理し…と、非常にタイトで厳しい作業が続く、全く気の抜けない
日々でした。
最終的には余裕をもって間に合いましたし、当初予想したものよりも見栄えの良いものに出来たように
思えますので結果オーライでいいのですが、作業中、完成のめどがつくまでは心配のし通しでした。

こうして出来上がったインテリアは、オフホワイトをメインカラーに部分的に黒(とグレー)を配した
上品でモダンなもので十分私好みのものに仕上げることが出来ました。あまり好きではないところ
(シートのデザインとかドアトリムのラインの色とか)もありますが、それでも全体的には結構いい
雰囲気のものになりましたので、非常に厳しい状況の中での作業だったにもかかわらず、こんな仕上り
に出来て、正直ほっとしました。





うまくいって良かった、色々心配だったから…。





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