センスは磨けるもの、と言われたこと No.4 [日々の出来事、雑感、新年の挨拶、他]
写真は高専の4年生の頃、頑張ったバイト代で買った中古のバイク、カワサキ400SSと。
これのマフラーをチャンバータイプに変えたくて、それもアルミサイレンサーのものにしたくて
またバイト頑張ってやっと買って、バイク屋さんで自分も作業して何とかつけられて嬉しい時です。
髪型が当時らしいw
アップしてから気がつきましたが、この時履いてたのはナイキのフォレストヒルズというスニーカー。
わりと裕福な同級生が、片方のかかとあたりのソールがはがれかかったからと、まだわりと新しくて
きれいだったものを捨てそうな勢いだったので1000円だか2000円だかで譲ってもらい、自分で接着剤
でつけたものです。かなりお気に入りでしたw
ここで一旦根本的なこと、私が高専に入ろうと思った理由を説明しますと…
元々自動車のデザインをやりたくて、しかもちゃんと自分で設計できるようになりたくて、
それを最短距離で行くにはどうしたらいいか?子供(中学生)ながらそれなりに一生懸命考えて、
機械工学は必須だろうからそれはちゃんと学ぼう。
工業デザインは…、デザイン? こっちは独学でも何とかなるんじゃないか。
そういうことなら高専はすごく合理的な選択じゃないか。
家から遠くて毎日家から通学するのは無理があるがそういう学生のために寮があるし、国立で学費は
安いから、やや貧し目な親の負担も少なくて済む。(当時の長岡高専の学費は年間数万円、学生寮の
寮費は月に数百円(!)朝昼晩の3食食事付きでです。私は3年まで寮にいて、その後2年間はトイレ
風呂共同の安いアパート:月額8,000円で暮らしました)
そういうちょっと特殊というかある意味傲慢な考えで高専の機械工学科に入ったのですが、そして
それはまぁまぁうまくいっていたのですが、その独学デザインの幅が変に振れてしまって…、
タイミング悪く(?)コムデギャルソンなんかに惹かれてしまってw
何だかよくわからないのにどうしてこれがクリエイティブでカッコ良くセンス良く見えるんだろう?
これは真剣に突きつめてみたい…、でも自分にその能力、センスはあるのか?
油絵ではドンゲンにも織田広喜にもなれる気がしなかった…。
ピカソの新古典主義の頃ならちょっとそれっぽいの描けそうな気はするけど…、まぁ “気がする”
だけなのはあきらかですがw (No.2の1枚目の画像、当時描いた油絵はそのピカソの新古典主義
の代表作、「腕を組んで座るサルタンバンク」の影響を少し受けて描いています)
当時の私がいっぱい抱えていた不安というのは、その多くがこういうことでした。
そんな時に聞いた美術の先生からのあの言葉。もう一度ここに書きます。
「センスは磨けるものです。いろんな良いものを見て、触れて、経験を重ねることによってセンス
は磨かれていきます。(後略)」
それを聞いて当時の私が思ったこと
「そうか…、川久保礼の服はやたらクリエイティブで魅力的に見えるけれど、とても同じような
レベルのものを発想出来るようには思えない…、そういう自分でも磨けば近づくことは出来る、
…かもしれないと、そういうことなんだな…。」 www
草ですね。草生えますわ、これは。
この後、実際に私が初めて就職したのはファッション業界になるのですが、その前に担任の先生との
進路相談でその決心を伝えた時には、何でそんなところに…とがっかりされましたw 担任の先生も、
機械工学科の一番偉い教授(学生の就職のことをとても良く面倒見てくれる)も、体育の先生(柔道
5段:やたら強い、趣味:ラグビー、一見恐そうだがとても優しい)まで、みなさん言葉は違えど
同じように私の気持ちを変えさせようとします。
担任「自分も若い頃から色々な企業に勤めたし、今はこうして先生なんていう公務員だけど、
どんな分野にしても先行きの明るいところを選んだほうがいいと思うけどな…、そうかぁ…。」
教授「ここで5年間学んだことを棒に振ることになるけど、本当にそれでいいの?
君の成績なら日立でも東芝でも、どこでも好きなところに推薦してあげられるのに…。はぁ…。」
体育「親御さんはどう言ってるの?心配させてるんじゃないのか?」
もう色々言ってくださるわけです。先生方みなさん優しくて暖かくて、親身になってくださいました。
今思い返しても感謝しかありません。
そういう優しさを感じながらも私はファッション業界に就職し、その後約10年ほど、知りたかった
ことや知りたくなかったことも知り、ちょっと楽しくて、何回かある種の達成感を得て、そんなには
間違ってなかったかな…と一時は思うこともあったのですが、ほとんどがつらい時期を過ごすことに
なり…、やはり軌道修正しようと決心し、元々目指していた本来の道(自動車のデザイン)に戻る
ことになるのですが、そのあたりは今回はあまり触れないでおきます。
ファッション業界で何も得るものが無かったという事もないですが、まぁ基本的に間違っていました、
色々と。 結果、シャレにならないくらいのまわり道というか寄り道をしてしまいましたw
やっぱりというか、案の定 No.5に続く
えらいまわり道してしまったもんだまったく、我ながら…。
センスは磨けるもの、と言われたこと No.3 [日々の出来事、雑感、新年の挨拶、他]
ピカソ:腕を組んで座るサルタンバンク
私がファッションに興味を持つようになったきっかけは、古本屋で絵の題材になりそうな雑誌を
探していた時に、たまたま何枚か印象的な写真が掲載されていた流行通信という雑誌で、それは
パンクロック風な髪を逆立たせてめちゃくちゃなコーディネートで恐そうなメイクをした女性達の
写真でした。ファッショナブルとは思えないし、こんな髪にしたらいたんでしょうがなかろうに…
とは思いましたが、単純に絵というかグラフィックとして魅力的に見えて、当時変に惹かれていた
パティ・スミス(後にパンクにカテゴライズされることもあるが、明確にそうとも言いにくい、
ある種の抒情性を退廃的な雰囲気の中に合わせ持った独特な音楽性の女性ミュージシャン。ひどい
麻薬常習者で、髪は特に逆立てたりしていないが、まぁ病気っぽい。こういう惹かれ方するのは
やはり若い時ならではかなと思います)を思わせるものに感じられ、やっぱり変に惹かれました。
ゴッホ:アデリーヌ・ラヴォーの肖像
モディリアニ:(作品名はわかりません)
一方、当時の私は油絵でピカソの新古典主義に強く惹かれ(1枚目の画像)、そこから続いてゴッホ
のごく一部(2枚目の画像)や、モディリアニの一部(3枚目の画像)、竹久夢二なども好きなもの
として認識していくのですが、ある日芸術新潮でヴァン・ドンゲンという画家の作品を目にして
それまで感じたことのない魅力を感じ、それは後の日本人画家、織田広喜さんなどの作品でも似た
ものを感じるのですが、写真などでは表現し得ない、絵だからこその表現であり、これこそ才能の
なせるわざ。こういうものは努力して頑張ったところでマネの出来るものではないような気もするが、
絵を描くならこういうものを目指さないといけないんじゃないか…、そう思ったのでした。
ヴァン・ドンゲン:女性の肖像
ヴァン・ドンゲン:Catherine La Rose
芸術新潮で見て惹かれたものはこれにちょっと近い雰囲気ですが、もっとラフで
大胆な表現でした。残念ながら検索しても見つかりませんでした。
ヴァン・ドンゲン:コーンポピー
ここまでいくとちょっと好みとは違ってきますが、これはこれですごいなと思います。
織田広喜:花をつけた少女
これは、とてもこんなふうには描けない…と思わされる代表格の絵です。
そう思いながら、同時に自分もそれっぽい表現で女性を描いてみたいと強く思っていました。
そしてそのモチーフとなりうるかも…そう思って、そのパティ・スミスっぽい写真が載った流行通信
という雑誌の中古を初めて買いました。
そのいくつかの写真からイメージを膨らませ、何枚か描いてみたのですが、どうも良くなりそうな感覚
がつかめない、自分が心地よく見えるものになるようには思えない…、これはこの先つきつめていった
としても自分の本当に描きたいものにはならない気がする…。
そう思えてきて、その方向の創作は中断してしまいます。
やっぱ才能無いな…、とてもこんなふうには描けない…。 挫折したわけです、油絵には。
その頃の絵も今まだ手元にあり、時がたって見直すと、苦しんで描いていた時のことがよみがえり、
それと同時に切ないような、何だかいとおしいような気持ちになります。こういうのも時間薬と
いうんでしょうか。
そういうことで、その方向の絵は中断するのですが、それとは別にファッションへの興味は膨らんで
いきました。
そして流行通信の中古本を何冊か買うと、そこにそれまで見た事もない造作の服が出てきて、
これは一体何だ?何がどうなっているんだ? COMME des GARÇONSって小さく書いてある。
これがブランドか? コム デス ガーコンズ…とは言わないんだろうな、フランス語っぽいし。
まだ読み方もわからないコムデギャルソンとの初めての出会いです。
※上の写真は1982年、下の写真は1983年のもので、私が最初に目にしたものではなく、それより
2~3年後のものですが、この頃の特徴的なものということでこれらを使いました。
後にそれが日本人デザイナー、川久保礼さんのデザインしたものであることを知り、その製品が
掲載された雑誌を探して見るようになります。ananが多かったです。同時期のnon-noとかJJとか
ましてヴァンサンカンなどではあまり取り上げられません。ananというのはかなり先鋭的で
クリエイティブなファッション誌を目指していて、実際そうなりつつあるのかもしれない…そんな
風に私は認識しました。その認識が本当にあっているかどうかはともかく、ananはDCブランド
大流行の立役者となり、取り上げられた服がanan発売日の翌日には完売するという、ちょっと
おかしなくらいの影響力を持つまでになっていくのですが…、その辺のお話は横道が過ぎますので
ここまでにしておきます。
そうやって油絵のほうでは挫折し、ファッションに対する興味が膨らんでいった時に、美術の先生
からあの言葉を聞くことになるわけですです。
「センスは磨けるものです。いろんな良いものを見て、触れて、経験を重ねることによってセンス
は磨かれていきます。(後略)」
とても3つでは終わらなくて No.4に続く (多分No.5くらいまでなりそう…)
書いていくと思い出すことが色々あって…。
センスは磨けるもの、と言われたこと No.2 [日々の出来事、雑感、新年の挨拶、他]
前回、高専時代の選択科目でとっていた美術の講義で先生が言った
「センスは磨けるものです。いろんな良いものを見て、触れて、経験を重ねることによってセンスは
磨かれていきます。(後略)」
という言葉に救われる思いがした、と書きました。その続きです。
先生の言葉に反応する学生があまり多くはなかったように思え、でもそれはここ(長岡高専)では
しょうがないかなと思ったのですが、講義の後、一人の同級生がこのことで声をかけてくれました。
「へぇー、大津ってほんとにそういう感覚いいんだね。」などと言ってくれました。
彼はやさしい"気いつかい”です。
エンジニア系を目指す学生が多い中、私が工業デザイナー志望であること、アパートの部屋では主に
女性の油絵を描いていて(1枚目の画像はその中の1枚)県展とかに出展していること、ファッション
にも興味があって雑誌のananとか流行通信とかをよく買っていること、土日はデパートの家電売り場
でソニーのヘルパーとして販売のバイトをしていて、平日の夜は週3日ほど居酒屋でバイトしていて
大体いつも眠いこと、あまりお金は無いこと、更には好みの女の子のことまでよく知っている、
当時とても仲良くしてくれた同級生がいつものように気をつかって話しかけてくれました。
彼は私のアパートにしょっちゅう遊びに来ていて、朝、家の車(決していい車ではありません)で来て
私をのっけて学校へ、なんてこともしばしばでした。(当時の長岡高専はいくつか条件を満たせば車や
バイク通学OKでした)帰りも私の部屋に寄って、漫画とかGOROとかの雑誌見たり、バイト代で買った
中古のラジカセでカセット聴いたり(まだCDは影も形もありません)して、しばらく遊んで帰るなんて
ことも多かったです。
ある朝、いつものように彼の運転する車の助手席に乗せてもらって学校に向かう途中、自転車に乗った
近隣の女子高校生達が信号で止まった私たちの車の前を通り過ぎようとした時、いい風が吹いてひとりの
女子高生のスカートがぱぁっとまくれ上がりました。パンツ丸見えどころかその上の腰というか背中の下
のほうまで見える勢いです。
私と同級生、「おぉー!朝からいいもん見たねー!」「白だったねぇ!」ヽ(*^▽^*)ノ \(*^▽^*)/♪
と大盛り上がり。女子高生には大変申し訳ないですがその日一日ウキウキして楽しかったです。この頃は
まだ無かった言い方、JKのパンツの威力絶大ですw いいもん見せてくれてどうもありがとうございました。
そういう楽しい思い出はともかく、前回の終わりに書いた、「私は不安をいっぱい抱えていましたので
結構響いて、救われる思いでした。」というのがどういうことを意味していたかというと…、
センスは磨けるものです、と聞いて私が思ったのは、
「そうか…、川久保礼の服はやたらクリエイティブで魅力的に見えるけれど、とても同じようなレベル
のものを発想出来るようには思えない…、そういう自分でも磨けば近づくことは出来る、かもしれないと、
そういうことなんだな…。」
などと意味不明な無茶な考えが頭を駆け巡り、それでが希望の光のように思えて嬉しかったんです。
いきなりファッションデザインのことですから、ほんと、意味が分からないというか無謀というか…、
間違った拡大解釈もいいところです。
川久保礼って誰?という方のために少し説明させていただきますと…
当時世界のファッションシーンを席巻したコムデギャルソン(COMME des GARÇONS)の創業社長兼
チーフデザイナー。作る服も着る服もほとんど黒だけ(当時は)。ボロ布(のような素材)を使った
構築的で着る人の体形に依存しない独特なスタイルでパリコレなど世界のファッションシーンに衝撃を
与えました。上の写真はコムデギャルソンの1983年の(多分)春夏コレクションの1枚です。
当時の人気ファッション誌ananなどに毎号たくさんの商品が掲載され、高価格ながらよく売れました。
いわゆるDCブランドのはしり、最大の立役者のひとりといえる存在です。
ちなみにコムサデモード(COMME ÇA DU MODE )というブランドはこれを色々な面でコピーして
(服のデザインだけではなくブランドロゴまで似せ、デザインを少し普通っぽくして価格はお安くして)
スタートした全く別の会社であることは業界内では有名。今は COMME CA ISM というお店が多いです。
川久保玲さん
間違った拡大解釈しながら No.3に続く
拡大解釈の意味:言葉や文章の意味を、自分に都合のいいように広げて解釈すること…w
センスは磨けるもの、と言われたこと No.1 [日々の出来事、雑感、新年の挨拶、他]
http://ruerivoirette.blogspot.com/2014/08/diy-guirlande-lumineuse.html
私は高専の機械工学科で5年間学んだのですが、一般教養の選択科目では美術を選択していました。
その美術のある日の講義で、先生が「センスは磨けるものです。」と言ったのが印象に残っています。
センスなんていうものは生まれながらのものであとからどうこうしようのないもの、そんなふうに漠然と
思っていましたので、そうか磨けるのか、良かった、そう思いました。
その講義では先生が複数の色の組み合わせを何パターンか見せて、この中で暖かいイメージの組み合わせは
どれですか?というような質問をしていきました。暖かいの他には、熱い、寒い、冷たい、派手、危険、陽気、
楽しい、さわやか、若々しい、上品、落ち着いた、渋い、地味、清潔、明るい、暗い、重い、軽い…、など
問題は30問くらいあったかと思います。各問いに対して3種類か4種類のごくシンプルな立体形状の各面に色が
ついていて、その組み合わせ違いで、A、B、C、D となっていたと思います。その中で最も問いにフィットする
と思うものを選んで、例えば、9問目 :さわやか → A みたいに自分のノートに書きとめていきます。
やりながら私はこんな当たり前のこと聞いてどうすんねん? こんなのより名画とか見せてくれてそれについて
プロならではのうなるような解説聞かせてくれよ、くらいに思っていました。いますよね、こういうやつw
https://www.pinterest.jp/pin/843580573931456184/
終わって答え合わせをして、先生が「20問以上正解だった人、手を上げてみて。」というのであげました。
全体で40~50人位いたと思うのですが、手を上げた人は半分くらい。案外少ないもんだなと思いました。
「では25問以上の人。」 手を上げる人はぐっと減りました。
「26問以上の人は?」 また減りました。
「27問以上の人。」 更に減りました。
「28問以上の人。」 2人になりました。
先生はそこで、ほぉぉ…みたいな顔をして、ちょっと笑顔になって
「この人達は色彩感覚とかの視覚が敏感で優れた人、ということです。」と言って、次に29問以上の人…
と聞くかと思ったら、それ以上は聞きませんでした。
それで私はあげっぱなしの手を下げました。
ちょっと迷ったものもありましたが普通に全問正解していました。
それで自信を持ったとかいうことは無くて、ああ普通はこんなことあんまり気にしていないもんなんだな、
そんなふうに思いました。この講義を受けているほとんどの学生は美術に興味があるとかいうわけでは
なくて、単に他の選択科目より楽にやり過ごせる(単位が取れる)という理由で選択したようなもの
でしょうから、それを考えれば、まぁこんなものかと思われる結果でした。
みんなそんなことより、
あぁ、熱力(熱力学のこと)のあの問題、全部めんどくせぇー、意味わからんわぁ。とか、
おれ先週の実習(工場で実際にモノ作りする実習)のレポートまだ書いてないや、やべぇよ…とか、
材力(材料力学)と機構学はいいけど、工力(工業力学)は…あの先生のしゃべり方がイラっとして
よくわからんくなるんだよなぁ。あぁわかる、いやでもわからんのは材料(主に金属材料)の講義だわ。
マジで終わった後何にも頭に残らん、ノート見返しても意味無し、ありゃダメだわ、向いてないわぁ。
どうでもいいけど製図(設計製図、機械製図、いわゆる図面のこと)あと5枚も描かんとならんし…とか、
もっと大事なことが山のようにありますからしょうがないですw
そして美術の先生が続けた言葉が冒頭の言葉、
「センスは磨けるものです。いろんな良いものを見て、触れて、経験を重ねることによってセンスは
磨かれていきます。今日の結果が悪かった人もガッカリなんかしなくていいですからね。」
そう優しく締めてくれました。
こういう言葉も、気にしない人には全く響かないと思うのですが、私は不安をいっぱい抱えていましたので
結構響いて、救われる思いでした。
※3枚目の写真の真ん中の楕円球のようなものは何年か前にうちでとれたアケビです。
土が合わないのか、よくあるきれいな紫にはならず、こんな淡い色でした。
No.2に続きます。
確かに磨ける。磨けるが限度はある、残念ながら…。
ASPARK OWL のドアの呼び方 [ASPARK OWL prototype etc]
ASPARK OWL のドアはいわゆるガルウイングタイプの変形で斜め前方にはね上げるタイプ。最近の
レーシングカーなどでは主流の開け方です。ガルウイングと分けるためにInsect(昆虫) wing door
などといわれることもありましたし、他にもいくつか言い方はあったかと思います。
これを製造元のMAT(Manifattura Automobili Trino)では Falcon(ハヤブサ族) wing door って
言ってるんですね。まぁ Insect(昆虫) wing door とかよりイメージ的にはいいかもしれないですね。
OWL(フクロウ)もハヤブサと同じ猛禽類だし。
https://www.linkedin.com/posts/manifattura-automobili-torino_fastercar-mechanicalengineering-engineering-activity-6888108560174108672-bKp8
Manifattura Automobili Torino 2022 01 15
Rear view of the amazing Aspark Owl. Advanced technological solutions such as
falcon-wing doors and active aerodynamics in the form of a moveable rear wing have
been developed with the aim of guaranteeing the highest levels of innovation and
technical performance.
<翻訳>
素晴らしいアスパークフクロウの背面図。ファルコンウィングドアやアクティブエアロ
ダイナミクス などの高度な技術ソリューションは、最高レベルの革新と技術的性能を
保証することを目的として開発されています。
ASPARK OWL production model
(写真の人物はMAT(Manifattura Automobili Trino)社長:Paolo Garella 氏)
でも、車の名前にフクロウってなんだかなぁ…、とは思います。今でこそ、何度も書いたり読んだり
して少しは慣れましたが、それでもやっぱり思います。
ASPARK OWL prototype
この名前を私は開発の終盤になって聞き、え?マジ?と思いながら、車名のロゴデザインを超大急ぎで
したのですが(ショーに展示する時のライセンスプレートがわりのネームプレートをアクリル裏面シルク
印刷で作り、その他プレスキットなどに使うため)、この車名を聞いた関係者はみんな同じように思って
いたと思いますし、車がフランクフルトショーで発表されたのち、イギリスの著名ジャーナリストが
「何で車の名前にフクロウなんてつけるんだ…」とはっきり言ってました。良くも悪くも歯に衣着せぬ
物言いで人気の方なのですが、これは多くの人の素直な気持ちを代弁したものだったと思います。
ドアの呼び方がそうだからというわけでもないですが、OWLよりはややありきたりな感じはしても
Falcon とか、イタリア風に Falco や Falcone とかのほうが良かったんじゃないか…、
そんなふうには思います。
まぁ、名付け親(アスパーク社代表のYさん)は人の言うことなんか聞く人ではないからw、
誰かがそんなことを上申したとしても無駄だったろうとは思います。それは容易に想像できます。
そういう人だからこそ、まわりがみんな色々な言葉を使って、“そんな無謀なことは出来っこない。
やめといたほうがいい。”(意訳)と言うなかで、信念を曲げず、理想をかかげてこのプロジェクトを
推し進め、大枚かけて市販版リリースにまでこぎつけたわけですから、
そのことに比べたら名前の好みなどまぁ、小さい、実にちいさいことです…。
ASPARK OWL prototype
形が良ければ名前はまぁ、二の次でも…。
ソニー EV事業参入の本格検討 [レース、モーターショー、イベント、ニュース、他]
昨年発表された VISION S CONCEPT に続いてSUVタイプの VISION S 02 が発表されました。
ソニー、VISION-Sの第2弾「SUV」を発表…CES 2022 RESPONSE 2022年1月5日(水)
https://response.jp/article/2022/01/05/352842.html
「ソニーグループは1月4日、米国ラスベガスで5日より開催するCES 2022において、『VISION-S』のラインナップとしてSUVを新たに追加すると発表。合わせてソニーとしてEV事業参入の本格検討をするため、新会社「ソニーモビリティ」を2022年春に設立することも発表した。」
ソニー、自社でEV参入。SUVの新型VISION-Sも披露 Impress Watch 2022年1月5日
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1378285.html
「ソニーグループは、自社でEV(電気自動車)に参入する。CES 2022において、吉田憲一郎社長が新しいSUVタイプのEV「VISION-S 02」とともに新会社ソニーモビリティの立ち上げを表明。同社においてEVを自社展開を検討していく。」
これの前に発表された VISOIN-S CONCEPT も合わせてのファーストインプレッションは、
初めて作った車にしてはとてもまとまりがよく完成度高そう。スタイリングとしては悪くない。
悪くはないがとびきり魅力的とも言いにくい。例えば、テスラ MODEL S やVWグループや中国メーカー
各社のBEVと比べて後発としてのアドバンテージがあるようには残念ながら見えない。そんな感じでした。
この完成度の高さは製作を委託した外注先の能力に負うところが大きく、その外注先はメガサプライヤー、
カナダのマグナ・インターナショナル言われています。確認していないので真偽はわかりませんが、
マグナでないにしてもその種の企業と思われます。
メガサプライヤーというのは世界規模の大手自動車部品メーカーで下記のところが有名です。
■【ドイツ】Bosch(ボッシュ):業界ナンバー1 高品質、高価格だが信頼性はデンソーに及ばない
■【日本】デンソー:業界ナンバー2 トヨタグループのいわゆる"長男” 信頼性抜群
■【カナダ】Magna(マグナ):シャシー、ボディの設計、試作、製造までまかなえるのが強み
■【ドイツ】ZF(ゼットエフ):トランスミッションが有名
■【ドイツ】Continental(コンチネンタル):タイヤで有名だがそれ以外の多くの部門でも一流
■【日本】AISIN(アイシン):パワートレイン、トランスミッションが有名
■【フランス】Valeo(ヴァレオ):伝送系が有名(個人的には信頼性に難あり)
規模でいうとボッシュ、デンソーに次ぐ(この2社とはやや開きはあります)3番目で、上にも書いて
いますが、単に部品やシステムを売るだけでなく、シャシーやボディの設計から、試作、製造までを
一貫してまかなえるのが強みです。簡単に言うとお金さえ出せば、ほぼゼロから車を作ってくれる
ということです。こういうことを1社というか1グループでまかなえるところはそうそうありません。
同車の作るモノは品質もいいし、量産の実績も十分です。(公開はされていませんが、聞けば誰でも
知っているようなビッグネームがずらずら並ぶので驚きます)
試作車までなら作れるところは世界中に日本を含めて結構ありますが、本格的な量産に対応できる
ところはかなり限られます。そこが凄いところで、世界中の自動車メーカーから頼りにされています。
このレベルの試作車を作る費用としては1台当たり恐らく数億円といったところでしょうか。
業績絶好調で純利益を1兆円以上も出すソニーグループとしてはとるに足らない金額かと思いますし、
自動車産業に参入するかどうか検討したいということであれば、マグナはまさにうってつけの相手、
非常に強力なメガサプライヤーといえます。
SONY VISOIN-S CONCEPT
SONY VISOIN-S と今回発表された S 02 CONCEPT
この2台の試作車を発表したことによってすぐにソニーが自動車産業に参入する!と決まったわけでは
なくて、あくまで「EV事業参入の本格検討をするための新会社ソニーモビリティを設立する」との事
ですので、まだ今後どうなるかわかりません。
しかし、“検討するためだけ”に新会社設立、しかも数億円の試作車を2機種作ってから…。
資金が十分あるって、つくづくいいなと思います。
少し前にトヨタがBEVのものすごい生産計画を発表して、そのことをこのブログで書きましたが、
トヨタ 2030年までにBEV30車種! 2021年12月17日
https://ash-institute.blog.ss-blog.jp/2021-12-17
「世界最大の半導体メーカー、台湾のTSMCが日本の九州、熊本に大規模な工場を作るという発表が
~中略~ そしてそこにソニー、デンソーも参画するとのことでした。」
ここで書いたソニーも参画、というのは今回発表されたこととも関連があるのだろうなと思います。
ソニーの車、ソニー製品ということでちょっと期待してしまうのですが、正直言って私がソニーに
期待するようなデザインではありません。少なくとも現状では。
私くらいの世代にとって、ソニーといえば先進的でちょっと未来的なイメージ。実際に使って
みると若干耐久性に難ありなものもあるし、案外安っぽいところもあるのですが、それらを帳消しに
するようなデザインの魅力があって細かいことは許せてしまうような、そういうものがソニー製品
らしく思えます。何度か裏切られてもファンでいるw 自分としてはそう思うわけです。
ちなみに具体的にどういうものがそうなのかというと、下の写真の製品などがそうです。
SONY ICF-5600 スカイセンサー5600 3バンドラジオ 1974年発売(生産終了品)
SONY PS-4750 レコードプレイヤー 1974年発売(生産終了品)
SONY TC-8750 オープンリールデッキ 1978年発売(生産終了品)
SONY CDP-MS1 CDトランスポート 1998年発売(生産終了品)
この中で、SONY TC-8750 オープンリールデッキ以外は中古品で手に入れて、メンテナンスして
動態保存というか、時々動作させて楽しんでいます。
とはいえ、実際のところは眺めているだけの時間が圧倒的に多いです。
ここで取り上げたものはみんな随分古い製品なのですが、同じ時期の国産製品を標準的なものと
すると、これらのソニー製品は少しだけ未来っぽく見え、海外の製品はもう悲惨なくらい
ものすごく古く見えたのは確かです。ひどい言い方に聞こえると思いますが、当時の少年
(私のこと)の目にはそう映りました。その時代においてライバル達よりも少し未来にいるような
イメージ、それが良かったんだろうなと思います。
ソニー、頑張れ!テスラあたりに負けるな!
大雪 妻が作った雪ウサギ [猫、動物、鳥]
昨日からの大雪でウッドデッキが真っ白に。フェンスのハゴロモジャスミンもすっかり雪化粧。
まるで雪国みたい。(ほんまもんの雪国はこんなもんじゃないですけど…)
外の雪景色がだんだん青みを帯びてきてちょっと幻想的。
雪の上に置いた妻が作った小さな雪ウサギ。ごくシンプルだがちゃんとウサギに見えるしかわいい。
その雪ウサギを興味深そうに見るユズ氏。
ユズの隣で一緒に見ているのは小次郎。
初めて見る雪のにおいかいでそーっと手を伸ばして触れて…、
雪が冷たいということを知った、かもしれないユズ氏w
1日だけのこんな景色なら雪も悪くないかな…。
ASPARK OWL 市販版のペダル高さ [ASPARK OWL prototype etc]
ASPARK OWL 市販版の開発と生産を請け負っているイタリアのManifattura Automobili Torino
が最近SNSで投稿した下の写真を見て、ああ、やっぱりペダルがかなり高い位置にレイアウト
されてるんだな…と思いました。シートの座面の形状からそうじゃないかな…とは想像して
いたのですが、最近のレーシングカー(お尻の位置よりもペダルのほうが高い)に近い感じ
なのかもしれないです。
このやたら低い車高のボディにいろいろ詰め込まなきゃいけない(航続距離のためにバッテリー
たくさん積みたいし、コントローラー類も色々必要、それらの冷却も考えなければならない…)ので、
さぞや苦労したであろうことがしのばれます。
ちなみに、最近のレーシングカーのペダル位置がどういうことになっているかというと…、
下の写真のようなことになっています。
この写真自体は2002年頃のものと思われますので、もう20年近く前のものですが(ドライバーが
キミ・ライコネンであることと形とカラーリングから、マシンはマクラーレンMP4-17、を再現した
展示用のモックアップ:カットモデルと思われます)、空力のためにF1でハイノーズが当たり前に
なってからというもの、ルマン用のLMPカーなども同じ空力効果を狙ってこれに近いレイアウト
をこぞって採用し、それが主流になり、今でも(ここまで極端でないにしても)お尻よりもかかと
の位置が高いのが普通になっています。
ASPARK OWL の市販版では恐らく空力のためではなくて、こうやってペダルやひざから下の脚を
持ち上げて、その下に作り出したスペースにバッテリーやら何やらを積みたかったのでしょう。
実際のレイアウトデータを見ていないので私の想像ですが。
インテリアは弊社のデザインしたプロトタイプからかなり変わってしまっていて、私としてはちょっと
残念な気持ちもありますが、とにかくこれをちゃんと作り上げてリリースしたという事実が何より
素晴らしいと思います。
ASPARK OWL 市販版のインテリア
ASPARK OWL prototype のインテリア
昨年秋に聞いた話では今月、1月頃には市販版が日本に入港するとのことだったのですが、今また
新型コロナの感染者数が爆発的に増えてきて、こういった物流もどうなるのか予測がつきません。
出来ることなら早く日本で見てみたい、市販版…。
Ferrari Daytona SP3 [車、カーデザイン]
昨年(2021年)11月21日、フェラーリが発表した新型車、Ferrari DAYTONA SP3。
デイトナSP3はICONAシリーズ(これの前に発表されたのが Monza SP1 と SP2)の第3弾です。
世界限定599台が販売される予定で、すでに売約済みだそうです。いつもながらすごいですね。
Ferrari Daytona SP3 - Ferrari.com
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ferrari-daytona-sp3
Response 2021年11月22日
フェラーリ史上最強の840馬力、『デイトナSP3』発表…最高速は340km/h以上 2021年11月22日
https://response.jp/article/2021/11/22/351562.html
GENROQ Web 2021/11/22
フェラーリ、Iconaシリーズ最新作「デイトナ SP3」のスタイリングを解き明かす
フェラーリの最新限定モデル「デイトナ SP3」デビュー! スタイリング編
https://motor-fan.jp/genroq/article/14576/
webモーターマガジン 2021-11-21
フェラーリがデイトナSP3を発表。6.5L V12エンジンと330P4の曲線美、そして現代デザインの融合
https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17497618
スペックとしては、モノコックやボディパネルは全てカーボンコンポジット製なのは今や当たり前、
肝心なパワーユニットは812コンペティツィオーネに搭載された6.5L V12自然吸気エンジン(!)
をチューンナップして最高出力:840ps/9250rpm、最大トルク:697Nm/7250rpm。もちろん
ミッドシップで7速ギアボックスを介しての後輪駆動。ラ フェラーリのようなハイブリッドではないと。
最高速度は340km/h以上、0→100km/h加速は2.85秒、0→200km/h加速は7.4秒という動力性能。
詳しくは上記各リンク先サイトをご覧ください。
自社の過去の人気モデルをモチーフにして現代的なスタイリングにまとめるという、他社がちょっと
うらやむようなやり方です。フェラーリくらいになると、ずーっとこれでやっていけそうなくらいに
年代ごとに人気モデルがあるわけですし、過去のあるモデルをメインモチーフにして他にもいくつか
の別のモデルの要素も加えて、なんてことも普通に出来てしまいますし、何よりレトロではないという
ところがいいです。
フロントウインドシールドの形状などから往年の名車、330P3、330P4 などとの共通性が強く感じられ、
キャビンの幅も同じフェラーリのカタログモデルよりもかなりタイトそうです。
下のプランビューを見た時に、あれ…?と思いました。キャビン後ろ側の"絞り"がどうも、こんなこと
しなくてもいいのに、と思ってしまったのですが、リヤクォータービューをよく見ると、どうやら
ドアの下側はダクト状に穴になっていて、フロントの下面から入った空気をここからも排出するように
なっているようです。
それでも、そのためにこの造形か…と思うと、ちょっと他にやりようが無かったかな…とは思います。
リヤビューミラーはフェンダーにマウントされ、左右でわずかに位置が違うようです。(左が少し後方)
この位置のほうがドアミラーよりも視認性が良くて合理的です。レーシングカー風のイメージの演出と
いう意味合いもあるのかもしれませんが。
プランビューはちょっと、あれれ?とは思いましたが、過去の同社の名車のモチーフを使いながら、
2019年5月発表の SF90 Stradale や、昨年2021年6月発表の295GTB と通じるようなものを感じて、
この DAYTONA SP3 もかなりいいなと思いました。
フロントクォータービュー、サイドビュー、リヤクォータービュー、どれも良いです。
SF90 Stradale
295GTB
リヤの特徴的なルーバーを使った処理はかつてのコンセプトカー、330P5と非常によく似た処理で…、
330P5 は私が最も敬愛するデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティ氏の傑作で、あらゆる車の
中で一番好きかもしれないくらいに大好きなのですが、このルーバー風の処理を DAYTONA SP3 では
フロントのコーナー部にも使っていて、それはちょっとなぁ…と思いました。ボディカラーが赤や黒
などの濃色ならそれほど気になりませんが、これが白系となると…一気にうるさい感じがして個人的
には好きになれないところです。
330P5
330P5 と 後に転用というか強い要望により強引に作られたAlfaromeo Tipo33 Marcury
330P5 オリジナルは上記の Alfaromeo Tipo33 Marcury に転用されて無くなるも、後年発見された
330P4のシャシーに日本人K氏の要望でピニンファリーナで再製作され、日本で展示された時の写真。
DAYTONA SP3
リヤの特徴的なルーバーを使った処理が、DAYTONA SP3と330 P5 とで、とても良く似ていることが
お分かりいただけると思います。
リヤはいいにしても、これをフロントに使ったのはちょっと…、私としては残念に思う点です。
そして更に言うと、白が好きな私としては珍しいことなのですが、この車に関しては白が良くない…。
そう感じました。フロントエンドがプランビューで見て案外たいらというか直線的なことになっていて
SF90 Stradale や、295GTB とは結構イメージが違いますし、ボディパネルの分割線も変に目立ちます。
白だとそういうネガティブな面がよりわかりやすく見えてしまって、これはちょっと…という感じです。
ヘッドライト周りも、すぐ下側にカナード状の黒いパーツが付き、その下にルーバー状のフィンなど、
やりたいことが色々あってまとめるのにちょっと苦労したような、まとめ切れていないような…、
そんな感じに見えます。写真からはフロントのラジエーターグリルのように見えるところはダミーで
ほとんど空気を入れるつもりはないように見えます(多分サイドラジエーター)ので、なおさら、
それならもっとやりようがあったんではないかな…と思えてきます。ボディカラーが赤ならそれほど
気にならなかったのですが、白系だとなんともスッキリ見えなくて残念です。
シートは固定で、ドライビングポジションはペダルの前後位置とステアリングで合わせるようです。
ちょっとスパルタンですね。
個人的な好みでないところもありますが、DAYTONA SP3、総じてかなり良いと思います。
自然吸気V12のミッドシップというところが他に代えがたい大きな魅力です。
フェラーリのV12自然吸気エンジンのミッドシップ、これこそ本当に最後かもしれません。
あくまで個人的な好みとしては、スタイリングは SF90 Stradale のほうが良かったかなと思います。
SF90 Stradale もドアの下側のキャラクターラインが後半で跳ね上がるところなど好きではないですが
全体的にはかなり良いです。フロントエンドがもう少し、50mmでも低ければもっと良いのですが、
それでも、かなりまとまりが良くてシャープでモダンで、涼しそうなハンサム顔でいいです。
SF90 stradale
現行フェラーリに魅力的なモデルがあるというのはいい…。
NHK BS1『30年ぶりの栄冠! ホンダF1 最後の戦い』 [レース、モーターショー、イベント、ニュース、他]
昨晩20:00から放送されたこの番組、とても良かった。面白かった。
こういうのがあるから、それだけでも受信料払う価値があると思っている、個人的には。
NHK BS1『30年ぶりの栄冠! ホンダF1 最後の戦い』
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/36891964LY/
『30年ぶりの栄冠! ホンダF1 最後の戦い』 F1News | Formula Web -F1総合情報サイト- http://www.formula-web.jp/f1news/26609.html?fbclid=IwAR2M9aWlDEqeh5BBQDJaTfbSlM7CACDQg8gPuXRMxqorx9NS3mdmYj6k-k0#StNM8MN.twitter_tweet_ninja_l
開発責任者の浅木泰昭さんが、「楽しいに決まってる。世界一を競えるなんて、こんなの。
世界でもほんの一握りのエンジニアしかいないんですから。」みたいなこと言ってて、
ああ、この人たちはこういうメンタルなんだ。これって超一流アスリートと同じだなと思って
聞いていました。
大変だなとかネガティブなこと誰も言ってない、高いレベルで競い合えるのが本当に楽しいんだ…と、
とても印象的だし、こうでなければやっていられないんだろうなとも思いました。
それから、途中で現場責任者の山本雅史さんが、撤退することが決まった最後のシーズンでようやく
チャンピオン争いをしているその真っ最中に「自分としては“間に合った”と思っている。」
と言っていたのも印象的でした。この人たちの強い強い精神力に感服です。
最終レースの最終ラップに逆転して優勝、チャンピオン獲得!なんて、ドラマチック過ぎました。
本当に間に合ってくれた…そう思って泣けました。
再放送があったらまた見たいです。
ナレーションが窪田 等さんだったらもっと良かったんだけどな…。