業務用CDプレーヤー落札 [オーディオ、音楽、家電、インテリア]
先日業務用CDプレーヤーをヤフオクで落札した。TASCAM CD-200SB という機種。
TASCAMというのは一般向けオーディオメーカー、TEAC(ティアック)のプロ用機器部門の
ブランド。プロ用と言ってもこのクラスのものは放送局とかレコーディングスタジオとかで
使うものではなく、デパートとかショッピングモールなど何かしらの施設で館内にBGMを流す
とか、そういう目的で使われることが多いのではないかと思われ、価格も普通の民生用の機器と
同レベルで、数万円から高くてもせいぜい10数万円程度。放送局やレコーディングスタジオで
使われるものはケタが1個くらい違う。
用途がそういうものなので、オーディオマニアが気にする周波数特性とかの絶対数値よりも
主に耐久性、信頼性に重点を置いた設計になっている(民生用と共用部品も多いと思うが)。
何でそんなものを入手したのかというと、うちで私が使うものではもちろんなく、
私が住む地区の自治会が開催する盆踊り用の音響機器として、である。
私は今年と来年の2年間、18年ぶりに組長を仰せつかって、さらに年間行事の中で最も面倒
くさくて役員の負担も大きい盆踊りの担当にされてしまったのだが、これがまた…、
事前の打診など一切無く、承諾も何もあったものじゃないのがもう何ともアレなのだが、
嫌です!(カッタルイんで)断ります! というのもなんだし…と普通にお引き受け。
で、今年の盆踊りは8月14日(月)に予定されていた。そう、予定はされていたのだが…。
事前に打ち合わせを何回かやって、櫓(やぐら)立てて、提灯用の配線、電球取付け、
飲み物やおつまみや氷など、諸々の手配や買い出しをやって、近隣の業者に招待状を持って
行ってご祝儀(という名の協賛金)もらって、本番1週間前には踊りのお師匠さんを招いて
踊りの練習までやって…、というところで台風7号が接近!大規模災害をもたらす可能性有り!
とのことで本番2日前の8月12日(土)に緊急役員会招集、今年の盆踊りは中止にしましょう、
残念ですが…ということになった。
翌日、台風が来る前にと照明や配線類を撤収、その1週間後に櫓(やぐら)を解体して、
年配の方々から「来年出す時にどこにしまったか大津さんおぼえといてね。」と言われw
倉庫に格納。今年は盆踊りの準備をしただけで本番はやらずに終えることとなった。
それでなぜこの機種を調達することになったのかというと、これまで使っていた機種が
“いにしえ” のコロンビア製レコードプレーヤー/カセットプレーヤー/CDプレーヤー
というポータブルタイプで軽く見積もって30年選手、いや40年くらいたっているか…。
恐らくCDが出始めて、まだレコードもカセットテープも現役の頃で、それらを全部使える
ようにと欲張って考えられたもので、1980年代製ではないかと思われる。正直いつ壊れても
おかしくない。よくこれ稼働してたな…と妙に感心するようなものだった。
このポータブルマルチプレーヤーの他に、アンプ、スピーカー、コード類などをバラバラの
格納場所から引っ張り出して、これとこれをつないでこう使ったのかな?などと推理しながら
結線して...何とか音が出るところまでこぎつけた。
とにかく役員の誰一人としてどこに何があるのか、どうやっていたのかなど全然把握して
いないし、みなさん記憶も実にあいまいでw これでほんとにやれるのかと不安になりながら
の作業だった。
それらしい機材(TOAの業務用アンプ:マイク入力付き、スピーカーとして使うラッパ型の
拡声器2個:ものすごくひずみっぽい音、ある意味ノスタルジックな音w)を見つけて、結線
して音出しできたのだが、中にひとつだけ場違いな新しい機器があった。
PA音響機材、楽器、DTM、照明機器等をあつかう株式会社サウンドハウスのオリジナル製品、
PA-BOXというコンパクトな簡易PAシステムである。2017年製で、用途としてはストリート
ミュージシャンなどが路上で使うのにちょうど良さそうなもの。見た目はエレキギター用
アンプを小振りにして、入力系統を増やしていくつかの機能を追加したような製品で、
充電しても使えるし、非常に使い勝手がいい。音質のほうもこれまで使ってきたラッパ型の
拡声器とは雲泥の差、普通に低音から高音までクリアで力強い現代的ないい音がする。
スピーカーはまともな2ウェイ、アンプ部は恐らく高効率デジタルアンプ、USBとSDカード
スロットも装備(!)、簡単に言うと入力系統の多い多機能なパワードスピーカーである。
何でこんなものがここに…?
役員の皆さんに聞いても、「さぁ、こんなの見覚え無いよ…。」って、ちょ、おかしいだろうw
こんないいのがあるんならこれを使わない手は無いと思い、そう提案したのだが…、
「いやぁ、前と同じでいいよぉ。」
これ使えばひずみの無いきれいな音で大きな音が出せますし、ラッパ型のを外に吊るす必要も
無くなりますよ。どうですか?
「いやぁ、前と同じで…。」
はぁぁ…、 そうですか、 そうですか…。
いなかのご年配の方々を相手にしてると、しばしばこういうことがある。
というちょっと気まずいやり取りがあって、結局従来通り(と思われる)方法で音楽を流すことに
したのだが、踊りの練習当日、別の人が動かそうとしてら例の「いにしえの」ポータブルマルチ
プレーヤーが動かない。恐れていたことが…、ということで急遽うちから小さなDVDプレーヤーと
接続コードを見つくろって持っていったところ、「色々やってたら動きました!」って。
なぜ復活したのかは不明。不明だけれど、とりあえずこれで従来通り(と思われる)やり方で踊りの
練習は出来ると。で、練習はひととおりやれることはやれた。
そんなことがあって、既存の音響機器は不安要素大なので、もう少し新しいのに入れ替えませんか?
来年以降のために、と提案し、さいわい予算はあるしということで承認をいただき、私が選定して
購入することになった。予算は全てひっくるめて3万円以内。
という経緯で冒頭のTASCAM製業務用CDプレーヤー落札となったわけである。
この種の業務用機器はTASCAMの他にDENONやTOAなどもあって、最初考えたのはTOA製の
もので開始価格が格安なところと、操作パネルの表記が日本語なのが良さそうに思えた。
(うちの地区の年配の方が操作することを考えると、大き目の日本語表記は望ましい)
TOAは業務用オンリーのラインナップで個人向けとしてはブランドの知名度も人気もあまり無い
ので価格が吊り上がることも無く安価に入手できるだろうと予想された。
ただ、難点があってUSBメモリなどのメディアに対応していないこと。今後のことを考えると
USBは対応出来たほうがいい。
それで次にDENON製のUSB対応機種にしようかと思ったのだが、それはサイズが1Uという縦
(天地)寸法の小さな、薄っぺらい形のもので(業務用機器は複数まとめておさめるラックがあり、
機器のサイズはその規格に合わせられている。1Uというのはその最小サイズ。他に2U(縦サイズ
が1Uの2倍)、3U( 同 1Uの3倍)~ とある)そのサイズ故、年配の方が操作するのにちょっと
スイッチやディスプレイの各種表示が小さ過ぎるかも…と心配だった。そして程度の良さそうな
ものは(比較的安価な定価に対して)あまりお得感の無い価格設定の出品が多かった。
予算はトータルで3万円以内。これには送料と、同時に購入を考えているUSBメモリ(32GB程度)
の代金も含まれる。上記DENON製のものが2万円台の落札相場だったのでそのような金額を想定
したのだが…、(TOAのほうはもう少し安価に入手できそうに思えた)
TOAとDENONのどちらにも決めかね、さてどうしたものかと思っているところに、TASCAMの
高機能で相応にお高い(定価85,000円)機種が出品された。サイズは2Uで程よい大きさ。その
大きさのせいで操作性も視認性も良さそう。使用頻度少ない動作品で、とても程度良さそう
(写真で見る限り新品同様)で、しかもリモコン(未使用!)と取説付きいう何とも魅力的な
出品なので、そちらに狙いを定めてオークション終了日を待つことにした。
ただ、定価がそれなりにお高い機種ということもあり、出品価格は35,000円と本体価格だけで
予算を5,000円ほどオーバーしていた。送料は未定となっていて多分2,000円弱かかるはず。
別途購入を考えているUSBメモリ(32GB、1,000円程度:盆踊り用の楽曲のバックアップ、
その他関連事項の記録、保存用)も含めると8,000円くらい予算オーバーとなる見込み。
その点だけはちょっと迷ったが、現行機種でこんな程度も条件も良いものを見送ってしまっては
きっと後悔することになる。そう思ったので終了直前に入札、競合は無く無事落札となった。
予算をオーバーした分は、私の価値観による勝手な判断なので、その分は“寄付”として、
自治会からは約束の3万円だけいただくことにしようと思う。
実は同時期に同じ機種が他に2点出品されていたのだが、ひとつは落札したものと同じ出品者から
の出品で製造年が1年早い、つまり1年古いもの。出品価格は2,000円ほど安かったが、自分で使う
ならともかく、所有者は自治会、いわば “人様のもの” になるので少しでも新しい方をと考えた。
もうひとつは製造年としてはさらに新しく2019年製だったのだが、多用するスイッチの表面の
マークがかすれていたり(かすれるほど激しく使われた?)、マイク入力の調節ノブに手描きと
思われるマーキングがあったりして、やや酷使されていたように見えたので見送った。業務用の
機器は想像以上に酷使されることがあるので、そういうものにあたると悲惨なことになりかねない。
と私は思ったのだが…、これが後に7万円以上で落札されていて(ウォッチリストで知る)わからん
もんだな…と思った。入札履歴を見ると2人で競り合ったと思われ、どちらも評価の数がそれほど
多くはなく(つまりオークションの経験浅目?)、競りあってちょっと熱くなってしまったのかな、
と思った。最初の出品価格が安いと最終的な落札価格は高くなることはしばしばあって、これも
そうではあった。
ついでに言うと、最近は今回の落札品のような “条件の良い” 出品は少なく、珍しいほうになった。
かつては完動品(完全に動作する)、不具合があれば1週間以内なら返品可とか、良心的なものも
少なくなかったのだが、今時はクレームを嫌ってか、通電確認のみとか、動作確認できる環境が無い
ので動作未確認とか、知人からの依頼品なので詳細はわかりかねますとか、そういう責任逃れとも
とれる文言を目にすることが多くて、正直辟易する。まぁそれだけ無茶なクレームをつける輩が
増えてどうしようもないのかもしれないが…。
それにしたって、通電のみって、何なんですかね?それじゃ何もわからないじゃないですか。
※写真は全て落札したオークションからのものです。
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想定してたのより良いものが調達できたと思う…。
Bang & Olufsen BEOGRAM CD X [オーディオ、音楽、家電、インテリア]
車とかイラストとか以外の私の趣味のひとつにオーディオがあります。
中学生の頃は電気店に行ってはカタログをもらってくる子供でした。
その頃憧れた高嶺の花の機器をネットオークションで見つけたのが、
ネットオークションを始めるようになったきっかけでした。
懐かしい機器の画像を見るだけで、卒業アルバムを見るのと同じような、
胸がキュンとなるような感覚をおぼえます。今はさすがに少なくはなりましたが
それでもたまにまだそうなることがあります。
そんな気持ちで、時々キューっとなりながらw 少しずつそろえていった機器達も、
幸いなことに、現実的に(家庭不和にならない範囲で)入手可能なものは大体揃い、
あとは猫達による破壊の魔の手との戦いのみとなって…、はや10年以上。
そうなっても、何か良いの出てないかな、あのずーっと欲しいと思ってるのとか…、
とネットオークションを時間がある時に見ては楽しんでいます。
集めた危機の中では、ちょっと年代的には新し目(といっても80年代なので十分古い)、
CDが出始めの頃のBang & Olufsen(バングアンドオルフセン)いわゆるB&Oの製品、
BEOGRAM CD X というCDプレーヤーがあります。
この美しさは、デザインに優れたB&O製品の中でも特にすばらしいもののひとつだと
思います。この機種を同社のベストに押す方は多いようです。(私もその意見にはかなり
の面で賛同するのですが、個人的にはこれの後の世代の Beocenter 9000 シリーズが
更に良く思えて、どちらかと言えばそちらの方がベストかなと思っています。それに
ついてもいつかまた投稿しようと思います)
今はもうCDさえも介さない、ネット配信で音楽を楽しめるようになっているので、
こういう物理的なプレイヤーなどの機器はいらなくなりつつあるのかもしれませんが、
こんな美しい工業製品があったというだけでも私にはとても嬉しくて価値のあることに
思えます。 いつ見てもほんとに惚れ惚れ…。
以前見たネットオークションで出品者が商品説明で書いていたことが面白かったです。
機器の状態とかをいろいろ書かれた後に、
「B&o製品を手に入れると良いことのひとつに、それを置く部屋をB&oの雰囲気に見合う
ように整理整頓を心がけるようになり、掃除が行き届いていないと気がすまなくなるという、
いい意味で人を変える、そういう効果もあります。(笑)」
それを読んで、あぁ確かにそういうのあるな…と、思わず笑ってしまいました。
めったに無いですよね、そんな製品。
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B&Oのこの頃のデザインテイストはずっと好きかもしれない…。
プロコルハルムの青い影を聴いて [オーディオ、音楽、家電、インテリア]
何日か徹夜のような状態が続いてヘトヘトに疲れた。中間アウトプットに対するクライアント側の審議検討のために少しだけ間が空いて、昨日ようやく久しぶりにたくさん寝ることができた。ただこの歳になると(50代後半)徹夜のあと数日は体中がはれぼったいような感じになってなかなか元に戻らない。
今のご時勢でたくさんの仕事をいただけるのはとてもありがたいことなのだが、ボリュームがあり過ぎて信頼できる外注さん達も動員することになって、これだけしんどい思いをして作業をしているにも関わらず金銭的にはあまりうちに残らないという…、なんだかなぁという状況。
こんなこともあるさ、しょうがない…と思いながら、今朝は音楽でも聴いて気持ちよく請求書でも作ろう、とお気に入りを集めでUSBメモリに入れておいたものを聴いているのだが、スーパー懐かしい曲、プロコルハルムの青い影のイントロで涙が出そうになる。
こういうとき、このエレクトーンの少しくぐもったようなやさしい音色がとても心地いい。いつ聴いても懐かしさがこみ上げてくる名曲だと思うのだが、疲れ切って、回復基調にあるときに聞くとこんなにいいんだなとあらためて思う。青い影、いい曲だな…。
このエレクトーンの音を聴いて思い出したのが、学生時代にバンド(ほんの短い間だけだったがボーカルを担当させてもらった。普通の人よりも少し音域が高いというだけで、大してうまくもないし声量も無いので、ただ迷惑を欠けただけのような気もするが、大事にしてもらった)に誘ってくれた友人(ロックに傾倒しエレキギター、ストラトキャスターのコピー版を弾いていた)が、バイトして思い切って買ったフェンダーのツインリバーブという真空管アンプの音。軽くエフェクトをかけるとやわらかく歪んだとてもいい音がして、さすが人気あるだけのことはあるなと思った。
これはちょっと余談的なお話だが、当時からオーディオ好きだったので、この時に初めて歪みが心地よいということがあるんだ…と認識したのも少しばかりの衝撃だった。オーディオマニアからすれば歪みは最大の敵くらいの認識だったから。
再生時にはなるべく無くしたいと思われる嫌われ者の代表、歪み。だが同じ歪みでも創作の段階においては有効な表現方法のひとつだということを身をもって学んだわけだ、この時。考えてみれば絵画とか写真など、画像において歪みをぼかしとかにじみとか、そういう技法に置き換えればすぐに納得がいく。
話を“青い影”に戻すと、この歌詞について知りたくなって翻訳を見たことがあるのだが、これがまた全然イメージしてたのと違って、ある意味哲学的というか…、こういうことは海外の曲でしばしばあるし、向こうの言い回しで直訳ではわからない意味があるのかも…と思い、それ以上調べることもしていない。
青い影は1967年リリースだから自分が6歳、小学1年生の頃の話。プロコルハルムのデビュー曲として。ここからは今日下記のサイトを見て知ったことなのだが、
プロコル・ハルムの名曲「青い影」にまつわるいくつかの逸話|TAP the DAY|TAP the POP http://www.tapthepop.net/day/61882
この曲がリリースされイギリスのヒットチャートで6週連続1位を記録したそうで、それはビートルズでさえなしえなかったとのこと。そしてそのビートルズのジョン・レノンはこの曲をものすごく気に入っていたそうで、人生でベスト3に入る曲とまで言っていたとのこと。すごい高評価でちょっと驚き。
青い影は日本でもヒットしたし与えた影響も大きく、松任谷由美はこの曲をきっかけに音楽を自作するようになったとか、山下達郎は当時ラジオでこの曲を聴いてすぐさまレコード店に走り購入したその日のうちに100回は聴いたと語ったそうです。100回…すぐ2枚目買っといたほうが良さそうw
松任谷由美、当時は荒井由美さんでしたが、彼女の曲の中で私が一番好きな曲、翳りゆく部屋の雰囲気は確かにプロコルハルムの青い影の影響を非常に強く感じます。アレンジした後のご主人、松任谷正隆さんも青い影好きだったのかな?
久しぶりに余裕の持てた日、こんなこと知るのも楽しい。
影響を受けてそれと同じくらい魅力的なもの、更にそれを上回るようなものを作るって、とてもいいこと、素晴らしいことだと思う。そうやって、その繰り返しで進化とか洗練はされていくのだと思う。
進化と洗練、そして時々画期的な進化、革新…。
B&o Beocenter 9300 [オーディオ、音楽、家電、インテリア]
Bang & Olufsen(バング&オルフセン)、B&oのロゴと製品のデザイン性の高さで知られる
デンマークのオーディオ・ビジュアルブランド。
そのB&oのBeocenter 9300 という機器をオーディラックの一番上に置いています。
CDプレーヤー付きレシーバー(アンプとチューナーが一体になったもの)とでもいうもので、
その機能とか性能はともかく、この見事に美しいデザインが気に入ってこの特等席に置いています。
同社の魅力的なデザインの製品の中でも、個人的にはこれが最高傑作ではないかと思っています。
このBeocenterシリーズにはこの9300の前に9000、後継に9500という機種があります。
見た目はほとんど同じでほぼ区別がつかないほどです。よーく見れば背面パネルとか入出力端子
とか違いがあるにはありますが、ここにあげた写真くらいではまずわかりません。
メカニズムや回路としては仕様変更や改良を行ってそれに合わせて機種名も少し変えたのでしょうが
デザインはほとんど変えなかったということは、それだけいいデザインの物を作ったという自負が
あったのかもしれません。(製造上の問題:新規に成形型を作りたくないとか、かもしれませんが)
その品番違いとは別に、上面の金属(多分アルミかステンレス)パネルがヘアライン仕上げのものと、
鏡面仕上げのものがそれぞれの品番にあって、うちの9300は鏡面仕上げのほうです。品番による区別は
特になされているわけではないようで、どう呼ぶのが正しいのか私もわからりません。ご存知の方が
いらしたら教えてほしいくらいです。
この金属パネルの仕上げ違い、入手するとしたらどちらがいいか結構考えました。
結果はごくわずかな差でヘアライン仕上げ。
アルミやステンレスのクールな質感とタッチパネルの黒いガラスのコントラストがモダンに見えて
いいように思えました。ただ、どちらの仕上げにしても、元々そんなに沢山売れた機種ではないので、
市場に出回る絶対数が少なく(欧米ではそうでもないらしくてe-Bayなどで検索すると結構な数が
ヒットします)、複数を比較して選べるような状況には中々なりません。そういう機種ですから、
このデザインが気に入っているのなら、そして致命的なダメージが無いのならどちらでもいいかな…
とも思っていました。
で、見つかったのは鏡面仕上げのほうでした。わずかに心がヘアラインに傾いていたのでちょっと迷い
ましたが、ヘアライン仕上げよりも高級感みたいなものでは鏡面仕上げのほうが上回るような気もして、
まぁそんなに悪くはないだろうと思い購入することに。ヘアライン仕上げも捨てがたかったですが、
いつ出てくるか(見つかるか)わかりませんでしたので…。
このラックをデザインする時(既製品では中々思うようなものが無かったので自分でデザイン、設計
して業者に発注しました)、手元にある機器と購入を検討していた機器を3DCGで再現して色々な
パターンでレイアウト、シミュレーションしていったのですが、最初はレコードプレーヤーを一番
上に置く、わりとオーソドックスなレイアウトを考えていました。そこそこ気に入ったレイアウトも
出来たのですが、わざわざ新規にラックを作るのに決定的な魅力にやや欠けるような気がしました。
それで、ためしにこの機種を最上段においたCGを作ってみたところ、それまでにない魅力を感じました。
ただそうするとレコードプレーヤーはその下の段に置くことになり、やや操作性が悪くなりそうで
(ダストカバーの開閉やトーンアームの操作が制約を受ける)少し迷ったのですが、やはりこの機種の
このずば抜けた美しさが活きるのは最上段に置いた時なので、やっぱりそうしたいなと思い、それを
基本に他の機器のレイアウトを検討して決めていきました。
モダンで清潔感のあるものにしたかったので、仕上げはツヤありの白にしようと決めていましたが、
それを塗装でやるか、化粧合板でやるか…、いくつかの業者に相談して見積もりをとってみた結果、
塗装のほうが工数がかかって高価になること(これは予想していました)、その割りにというか当たり
前ですが、キズはつきやすいし、仕上げのクォリティも業者、あるいは担当者によってまちまちで、
必ずしも期待通りにはいかないこともありそう…ということもわかってきます。
そういうことで最終的に選んだのはメラミン化粧合板のツヤあり。この材質は表面が非常に硬くて傷が
つきにくく、耐久性抜群、価格も安価。製作者によるばらつきも極めて少ない。ただひとつ心配なのは
端面の仕上がりだったのですが、これは製作見本を見せていただいて、十分きれいに仕上がることが
確認できたのでこれでいくことにしました。
結果は、大変納得のいくいいものが出来て安心しました。つやつやの表面に、置いた機器が映りこんで
とてもきれいに見えます。表面が硬くて傷がつかないということは、まず汚れませんし掃除はほこりを
軽く取るくらいで実に簡単です。
そういうことで、ここにこの機種を置いたところは見栄えがして大変いいのですが…、実はこの固体は
やや難ありというか、気になるところがあります。古い機械の中古品ですから、完璧なものではない事
はわかった上で入手したのですが…。まず、動作品ということでしたがうちに届いた時はCDがうまく
再生できませんでした。この機種でよくあるリッドの開閉動作が途中で引っかかる症状も出ていました。
しょうがないので自分である程度ばらして機構部分を調整して…何とかリッドの開閉機構を含めてCD
トランスポート部は復活させることに成功しました。でもまだ他に2点、好ましくないところがあって、
ひとつは内部のシャシーに相当する部分に外装を締結するためのボルトが何個か紛失していて、固定
されていない箇所が何箇所かあり、持ち上げて移動する時など、それをわかった上でやさしく丁寧に
扱わないといけません。そういうこともあって移送中の振動等でCDトランスポート部はやられていた
のかもしれません。運良くそこは治せたのから良かったものの…。
もうひとつは、手前のガラス製タッチパネルの左端付近、直径10mmくらいの浅いクレーターのように
ガラスが欠けてしまっています。黒いのであまり目立たないようにも思えますが、この機種の特徴的な
ガラスパネルにこのキズはもったいないです。もっと大きなひびが入っていたり、完全に割れてタッチ
パネルとしての機能が損なわれていないだけましともいえますが、残念なことに変わりありません。
そういう状態でしたので、将来的により良い状態のものが見つかったら入れ替えようと思っていました。
で、そういうもの:よりよい状態と思われるものが昨年10月運良く見つかりました。
機種はBeocenter 9500と、うちの9300よりも新しいもので、トップパネルは同じ鏡面仕上げ、
というものでした。動作品ということでしたので、特に疑うようなこともせず、購入することを決めました。
そして引取りに伺い、その場で視聴、動作チェックをしている時、CDのリッドの開閉動作がやや緩慢に
なってきて、そのうち閉まる時に手動で補助してあげないと閉まらないようになったのですが、前と同じ
ようにまた自分でばらして再調整すれば大丈夫だろうと思い、そのまま引き取ってきました。
その後仕事の忙しさもあってそのまま放置。入れ替え作業はおろか動作チェックも行わず、
2ヶ月以上経過。仕事をひと段落させて、今年に入ってからいよいよ入れ替え作業をするかと、
まずは動作チェックしてと思い、やってみたところ…、リッドの動きは更に悪くなっており、
CDの認識もしなくなっていました。
これは、やっちまったかも…。
出来る範囲でばらして調整してみましたがたいした改善は見られず、徒労に終わりました。
はぁぁ…。
ここにアップした写真は、実は入れ替えによって不要になるこのBeocenter 9300をネットオークション
に出品するために撮った写真だったのですが(背面の端子部分など含めてもっと沢山撮っています)、
こういうことになってしまいましたので、入れ替えはせずに、このBeocenter 9300はまだしばらくは
手元に置いておくことにします。
そして新たに手に入れたBeocenter 9500のほうをジャンクとして出品することにします。
近日中にまたBeocenter 9500の写真を撮ろうと思います。
あぁ、もうほんとに…。
ブログのカテゴリーにオーディオ関連のものを入れておきながら、このブログに移行してから
オーディオのことは書いていませんでしたが、これから少しは書いていこうと思います。
そのしょっぱながこういう話でなんだかちょっとガックリ来ますが…、こんな古い中古品ですので、
こんなことも普通にあるわけですね、残念なことですけど…。
このところずっと、どうにもスッキリいかないことが続く…。