少し前に取り上げたヘッドライトハウジングにライトユニットを仮組みして、ボディに仮留め。
ライトユニットは内側からロービーム、ハイビームx2個、ターンシグナル。光源は全てLED。


裏側というかタイヤハウス側からのぞいたところ。ブラケット類はまだフェンダー裏面に貼り込んで
いないのでハウジングを台の上に載せて仮置き状態。左に見えるサービスホールとの位置関係は
ちょうど良さそうだ。


左右置いて前から撮影。


このライトユニットは高輝度LEDの特性を活かした超小型で、しかもちゃんとEマークがついている
立派なもの。ロービームにはプロジェクターレンズの奥にちゃんと遮光板も入っていて、対向車が
まぶしくない配光特性を持っている。さすがにLEDでこのサイズなので、HIDや明るいハロゲンには
明るさでは及ばないが、それでも光量は保安基準を満たしている。
ターンシグナルだけは仮留めのテープが効かなくて、車両中心側がずれ落ちて斜めになってしまって
いる。


今はボディが黒、ハウジングが白で妙な感じ(あたかも色調を反転したかのような)だが、
ヘッドライトハウジングは最終的には黒塗装され、アクリル製のアウターレンズがつく。
その状態ではライトユニットのレンズやリフレクター以外は目立たなくなり、暗い中に光る部分が
少し見える、控えめなヘッドライトになってくれることと思う。



フロントとサイドのガラスをつけたところ。


フロントはもちろん、後から納品された(そして先日書いたように、私のバカな勘違いでガラス
メーカーとこちらのスタジオの間を行ったり来たりした…)サイドガラスもうまくフィットして
いるように見える。
この写真を見ると、Aピラーのリフレクションも比較的すなおに通っているようなので、黒塗装は
普通のツヤ有りで問題無いかもしれない。そうあって欲しい。


後ろから見ると、サイドガラスの極率がわずかにボディよりもきつい。とはいえ、この程度は許容範囲。
下側を引っ込め気味にセットするなどすれば、ほとんど気にならないように出来るだろう。


外径寸法もほぼピッタリ。厳密には若干大きめではあったが、上記の極率同様、十分許容範囲。



修正されたフロントホイールアーチ。




ヘッドライトユニットの選定ではスペースの制約が大きくて当初より難航した。量産車のユニットが
流用できればいいのだが、最近のヘッドライトはみんなかなり大型になってしまっていて、そのまま
ではまず入らない。
大体、丸ごと気に入ったデザインのものも無い。当然、内部のユニットだけを取り出して使うことも
検討したが、中身だけでも思いのほか大きくて、特に奥行き方向の寸法がきつい。量産車はやはり
熱対策や耐久性などの点から、安全を見て、極端な小型化はされていないということなのだろう。
そういった状況に加えて、流用した車が特定できるようなものはなるべくなら使いたくない、という
池谷さんの意向もあって(リヤコンビライトもそうなのだが、そちらは私が説得した、やや強引に)、
決して多くない汎用品の中から選定作業を行ったのだが、なかなか使えそうなものが見つからない。
使える可能性のあるヘッドライトユニットを取り寄せては、それに合せてボディ形状を形状を修正、
それを何度も何度も繰り返したのだがしたのだが…、なかなか決まらなかった。
しかしいつまでもそうしているわけには行かないので、ある程度の妥協はやむなしということで、
一時はIPF製のカスタム用のユニットに決まりかけたのだが、それをおさめるためにフロントフェンダー
の形状を変更した(前方と上方にボリュームアップして、サイドビューでのフロントエンドの角度が
にぶくなる)ものは、私としては何とか感許容範囲かな…と思えたのだが、池谷さんは納得いかな
かったようだ。
このあたりの事は以前書いている。↓

度重なる修正(2016年1月頃) IF-02RDS Road version 開発経過
http://ash-institute.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

最近のルマンとかに出るLMPカーのような “でこっぱち” 風のデザインでいいのなら話は簡単なのだが、
そういうのを作りたいわけではないのは池谷さんも私も同じ。
せっかく作るのに、こういう車のフロントエンドがシャープで薄っぺらでなくてどうする!そんな気持ち。

そうは言っても、もうクレイモデルの製作は始まるし、いいかげん決断しないと、というような
タイミングだったと思う。
出張して行ったイケヤフォーミュラさんの社長室で池谷さんと二人で、色々入手したユニットの
点灯テストをしていて、これすごく小さくていいんですけど、ちょっと暗いんですよね…と言われて
いたのが今回使うことにしたこのユニット。
一応確認を、というつもりでIPFの車検対応品と点灯状態を比べてみたところ、私にはそれ程大きな
違いは無いように見え、とても質感のいいしっかりした作り出し、遮光板が入っていて配光特性抜群
じゃないか…、むしろそうだから(遮光板が入っていてちゃんと機能していると上半分と右側は更に
少し下までスパッと断ち切られたように暗い。遮光板入りをうたっていても中国製などは全然ぼけた
配光特性のものもあって、困ったもの…)全体的に暗く感じられたのではないか、だとすればこれ
可能性あるんじゃないか…。そう思えたので、池谷さんにこのユニットの試験を是非やってみて
ください、とお願いして帰ってきた。
その翌日だったか、連絡があって“合格です!”と聞いた時は嬉しかった。これならほぼ妥協無く
レイアウト出来る。
池谷さんの声嬉しそうだったし、やっと決まってホッとした。
ちなみにこのユニットはドイツ製の輸入品。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。





ほんとのほんとのことを言えば、ライト類だってオリジナルを作りたい…。