昨日に続き、9月29日(土)に大磯ロングビーチの駐車場で行われた
“カー・マガジン・ウィークエンド・ミーティング 2018 秋 in 大磯” というイベントに行ってきた、その2。

http://www.car-mag.jp/cwm2018autumn/
http://www.car-mag.jp/img/483/CM483_Oiso.pdf

今回はマセラティ メラック SS。同時代のスーパーカーの中ではちょっと控えめ、地味目な存在です。






この車のスタイリング上のもっとも大きな特徴は、このリヤクォーターの、ノッチバックをファースト
バック風に見せるバーの存在。これがあることによって、兄貴分のボーラと似たイメージになり、
テンションロッドとしてフレーム剛性を上げている…のかもしれません。残念ながら本当のところは
どうなのかはわかりません。



それにしても、このバーをとった状態を想像してみると、なんともそっけない造作であることに
あらためて驚きます。それに、このバーとボディ側との接し方も、なじませようとかしているような
様子は無く、あまりに無造作。ルーフ側にトンとぶつけて、リヤ側の平面っぽいところに置いただけ。
こんなんでいいの?そう思えるほどです。
よく見ると(よく見なくても)、ルーフ側との連続性も特に気にしていないことがわかりますし、
リヤ側のカクッと折れたような造形も含めて、理解に苦しむところが多々あります。



個人的にはこのバーはあったほうが全体的にまとまりが良く見えるのでアリだとは思うのですが、
それにしても、どうしてこういう変わった構成にしたのか…、想像するに、ボーラと同時開発で、
なるべく開発費はかけたくなくて、でも何とか違いを出さなければいけなくて、車格から少しだけ
お手軽感覚に見えるように…、ということでいわば苦肉の策だったのかな、などと思うのですが、
真相はわかりません。



このリヤクォーターのバー、上でも触れましたが、後ろのほうでカクっと折れているのはどうして
なんでしょう?何を狙ったのか…考えても思いつきません。これももしかしたら、サイドビューで
ボーラとのシルエットの違いを出すため、なのでしょうか…?





これくらいのフロントクォータービューやリヤクォータービューからわかるのですが、
このリヤウインドー周り、バーも含めてのこういう構成のおかげで後方視界はとても良さそうで、
この点においてはライバル達を大きくしのぎ、最もいいのではないでしょうか。
フェラーリのようなトンネルバックでは斜め後ろが見えにくいですし、ボーラのようなガラスを
使った構成でもこれほどは良くないでしょう。





顔つきもボーラよりも少し構成要素を少なくして、ボーラよりも立派に見えないように…
ヒエラルキーがあったとしてもそういう事をあまりあからさまにはしないほうがいいでしょうし、
本当にそんなことを考慮したのかどうかわかりませんが、結果として出来たこの顔つきは
悪くないです。個人的にはボーラよりもこちらのほうがあっさりしていて好みかもしれません。



フロントビュー、フロントクォータービューはライバルであるフェラーリ308などにも通じる
雰囲気で結構好みです。十分スーパーカーらしさがあります。
ライバルであるフェラーリ、ランボルギーニのいわゆるセカンドライン、308やウラッコに比べると
全体的にあれらよりもちょっとムッチリしてコロンとした感じで、それなりにまとまりはいいけれど、
エレガントというものでもないし、壮観さにもやや欠ける…、そんな感じかと思います。

同じメーカーに上級車であるボーラがあって、そのボーラ自体がライバルのスーパーカーたちに
比べてやや控えめなアピアランスであり、それよりもでしゃばってはいけない、でもライバルに
負けない魅力を出さなくてはいけない…。これはかなりハードルが高い、正直厳しい条件です。
メラック単体で見れば十分スーパーカーとしての雰囲気を持っていますが、メラックでなくては
手に入らない魅力、どうしてもこれを欲しいと思わせる魅力、そういったものにやや欠けている
ように思えて、そこがつらいところです。この種の車ではそれこそが最も重要なものではないかと
思いますので。

次回は、Vol.3 Lamborghini Countach LP500S Wolf Special(ランボルギーニ カウンタック
LP500S ウルフスペシャル)です。






決して悪くない、でもちょっと魅力に欠ける、かな…。