昨年10月に発表された Ferrari 499P。スクーデリア・フェラーリがル・マン・ハイパーカー
:LMH規定に基づき、FIA 世界耐久選手権(WEC)へ参戦するために開発したプロトタイプ
レーシングカーです。前回の Porsche 963 LMDH Hypercar につづいてレーシングカー、
それもフェラーリとしては久しぶりのこの種の車です。





ここ50年くらいの間、市販車改造クラスというか、トップカテゴリーではないクラスに
プライベートチームからずっと参戦は続いていたとは思いますが、フェラーリが満を持して
ワークス態勢でトップカテゴリーで勝つことを目指して新規開発が行われたということが
注目されます。車名の499は、3000cc近いエンジンの排気量をシリンダー数で割ったもの
であり、末尾に付くPはフェラーリのスポーツプロトタイプに伝統的に与えられる呼称です。





パワーユニットはリヤミッドに置かれた3.0リットルV6ターボエンジンと、200kWを発生する
フロントアクスルMGUが搭載され、WECのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)
で定められた速度域では四輪駆動が可能となります。そしてパワートレインの構成要素には
900VバッテリーとXトラック製の7速トランスミッションも含まれます。
エンジンがV型12気筒でないのは残念ですが、真剣勝負しようと思ったらこれはもうしょうが
ないことなのでしょう。







以下はフェラーリのエグゼクティブ・チェアマン、ジョン・エルカン氏のコメントです。
「私たちがこのプロジェクトにコミットすることを決めたとき、我々は革新と開発の道を歩き
始めた。これはレーストラックを、最先端のテクノロジー・ソリューションの境界を押し広げる
理想的な場所であると考えている、私たちの伝統に忠実なものだ。そのソリューションはやがて、
私たちのロードカーに引き継がれることだろう」
とのことですが…、1960年代までなら、こういうレーシングカーを少しだけディチューンして
保安基準を満たす装備を追加してロードカーとして販売することも出来たでしょうが、さすがに
現代ではそう簡単にはいかないでしょう。現在の同社のラインナップどれとも全くスタイリング
デザインは共通性は見られませんし…。まぁ、それだけこの 499P が真剣に勝つことを目標と
しているということだとは思います。
1967年デイトナ24時間レースで2台の330P4と412Pで表彰台を独占した時、その記念みたいな
感じでFRの365GTB4 に“Daytona”というサブネームをつけて大々的にプロモーションした…
それと同じようなことはできるかもしれませんが。


フェラーリがまじめに現代のルマンを含む耐久レースのトップカテゴリーで勝つための車を
出してきたということはとても嬉しいことですし、同社の市販車とは明らかに異なる薄く
スリークなボディに真剣さが見てとれます。当たり前ですがリヤウイングもディフューザー
も大きくてすごく効きそうで、いわゆる本物が持つカッコ良さがあふれています。

なのですが…、スタイリングデザインは個人的には前回紹介した Porsche 963 LMDH の
ほうがまとまりよく洗練されて見えて好みです。どちらもいいのですが、より好みなのは
ポルシェのほうということです。

そんな中で、いいなと思ったのはこのフロントエンド。横長の細いライト(光っているのは
デイライトとかポジションライト的なものだと思われ、本当のヘッドライトはその下、外側)
が特徴的で、Porsche 963 LMDH 同様にスマートな造形で好感が持てます。もしかしたら
レギュレーションが何かしら変わったのかもしれませんが、昨年まではそのレギュレーション
に沿った空力トレンドでここがやけに出っ張った、まるでデコッパチじゃん…と思えるような
(やや不細工な)造形の車がトヨタも含めて多かったのですが、ポルシェ、フェラーリが
こんなまとめ方をしてきてくれてとても好感が持てます。 あぁ良かった。



形に関してはそうなのですが、私が個人的にちょっとな…と思うのはこのカラーリング。
赤はいいです。フェラーリのそれも本気のレーシングカーですから、それはもう赤しかない
でしょう。ですが、この黄色は…。こんなの入れなければいいのに。どうしても入れたいなら
白とか黒とか、なんなら白とグリーンいれてイタリアントリコローレにでもすればいいのに。
赤ベースに黄色さしたらまるで中国じゃないですか。
中国企業とかがスポンサーに入ってるんでしょうか?
そうだとしたら嫌だな…なんて思ってしまいます。
中国云々無しにしても赤と黄色の組み合わせって、どうも色合いとしてきれいに思えなくて
苦手です。(あくまで個人的見解)









個人的な好みはありますが、昨年までこのカテゴリーはワークスは事実上トヨタだけでした
ので、ポルシェ、フェラーリという名だたるビッグネームが参戦するというのはとても望ましい、
喜ばしいことです。このほかにもBMW、フランスのプジョー、アメリカのキャデラック(!)
なども参戦するようなので今シーズンは楽しみが増えそうです。開幕が待ち遠しいです。












ウクライナがロシアを追い出して勝利して、全ての領土をとり戻し、
ロシアにきっちり賠償させて、平和を取り戻せるまで応援したいです。

We support Ukraine with all our might!
We are all on your side.
Ми підтримуємо Україну всіма силами!
Ми всі на вашому боці.











カッコ良さでもトヨタにがんばってほしいな…。