前回とその前にも書いた “修正依頼か、これでOKです!(祝!w)” のどちらかの連絡が
先週クライアントから来たのだが、想定外の「今になってアレなんですが…」という、
まさに、なんで今になってそういうこと言いだすんですかぁ…? (;´ω`)  な内容で…、
少々困ったちゃんなことになりそうなのだが、では具体的にどういうものを作ればいいのか
ということついては、少し考えさせてほしいとのことで、またその連絡を待つことに。
まぁふんわりした感覚でなんとなく目標っぽいことを言われるよりは、しっかり考えて
具体的で明確な到達点を示してもらうほうが良いので、ここで変に急がせてもしょうがない。
それにしてもいつ終わるんだろう、この仕事…。


そういうことなので、開発中の車:Ash019(コードネーム、仮称)やほかのモデルの作業を
すすめながら連絡を待つことにした。



本日取り上げるのは前回の終わりの方で触れたワイパー。
この種の車のフロントウインドーは一般的なものと違って前後方向に長く縦横比が1:1に近い。
こういう形だと一般的な2本ワイパーでは上側に拭き残しが大きく出来てしまうので、それを
解決するためにリンク機構を使ったシングルワイパーがしばしば使われる。有名どころでは
ちょっと古いがランボルギーニ・カウンタック(以降の同社フラッグシップの一連も)や、
フェラーリ・ベルリネッタボクサー(他にスペチアーレモデルなど)などがそういうワイパー
を採用している。日本車ではトヨタ・ヴィッツ、三菱・アイなどに採用例があり、それらを
参考に今回新設計した。
余談だが…、メルセデスベンツ・Eクラス(W202)にもかつてシングルワイパーが採用されて
いたが、あれは根元の機構がかなり凝っていて特殊な動きをする別物。わざわざ開発しただけ
あって払拭面積は非常に大きく超優秀な機構。ただ、ちょっとやり過ぎ感あり。



まず平面上で作図して基本的な動作を決める。最初は上面図で検討し、フロントウインドー
に近い角度に傾けてみて様子を見る。視界要件なども考えながらこれを何回か繰り返し。


良さそうなものが出来たら3Dモデリングして、ウインドシールド(フロントウインドー)の
曲面に沿わせて動かしてみて、破綻するところが無いように調整。
リンク(ワイパーアーム)の根元にはヒンジがあって、アーム内部にはコイルスプリングが
仕込まれていて、ワイパーアームをガラス側に常に押し付けている。これとブレード側の
板バネによってガラスと接触している部分の曲率が変化してもワイパーゴムはガラス面に
追従することが出来る。


出来たものはこんな感じ。やや前方寄りの上方から。


同じアングルのアニメーションGIF



少し右斜め前の上方から。


同アニメーションGIF


これだけ拭ければ十分だろう。
停止時のおさまり具合もいい感じに出来て、これならほぼ視界を妨げることも無さそう。



















ウクライナがロシアを追い出して勝利して、全ての領土をとり戻し、
ロシアにきっちり賠償させて、平和を取り戻せるまで応援したいです。

We support Ukraine with all our might!
We are all on your side.
Ми підтримуємо Україну всіма силами!
Ми всі на вашому боці.











ダブルリンクを使ったシングルワイパー、この種の車にはとてもいい…。