現在は閉館中で開館日は未定となっているギャラリーアバルト自動車美術館。
http://www.gallery-abarth.co.jp/



10年以上前、普通にやってる頃、いや開館してすぐだったかな…、とにかくそういうときに
行ったことがあるのだが、何でこんなすごいのがここに、いや日本にあるんだ?!と思った。



そこに行く計画をラテンの車好きな後輩(プジョー205の中古を買ったばかり)とワクワクしながら
話していたら、外注の大先輩の方から、「何?アダルト美術館?そんなええとこに二人で行こうと
してるんかぁ?」と言われ…3人で大笑い。懐かしい。

ただアバルト美術館に入って最初の印象は…、
アバルト各車(大抵は小型のフィアットベースのRRとか)の展示されている向きが、見る人にフロント
を向けていて、後ろには回りこめず、肝心のリヤフロアからのぞくエンジンやギヤボックスが見えず、
がっかりした。普通に撮影禁止だし。

そんなものだから、アバルト美術館なんていっててもアバルト各車の魅力がどういうところにあるのか
わかってんのか、ここの人たちは? などと失礼千万なことを思った。
だって前から見ただけだと、ただの古いフィアット(のバンパーはずしただけみたい)なんだもの。

だが、その時のアバルト美術館は、撮影禁止とはいっても、持っているカメラをスタッフに渡して
展示車を背景に彼らに撮ってもらうのはOKで、それは積極的に対応してくれていた。ちょっと好感。

そしてそして…玉座とでもいうべき場所にあった異質な車、レコードブレーカーとかアバルト2000
スコルピオーネ(!)の現物を見るにいたっては… ひれ伏してしまった。
先程の(心の中とはいえ)失礼千万、平にご容赦をw



小坂氏のコレクションはアバルトという枠におさまらず、宝石のような希少で美しいもの、たとえば
Alfa Romeo Canguro、Alfa Romeo Tipo33 Stradale、Ferrari P5 など…
これらの中には事情があって別の車に姿を変えられたり、不慮の事故で消失したものなどがあるのですが、
それを当時の資料を元に正確に再現、現在世界にそれ1台のみなんていう、希少どころの騒ぎではない、
文字通り宝物のような車がありますので、そういうのを含めてぜひとも再開してほしいものです。

Alfa Romeo Canguro



これは今現在(というか、もうずーっとですが)のウェブサイトのトップがこれです。



私の中ではちょっと古すぎるかなとも思う形なのですが、そうだとしてもとても魅力的。これを愛して
やまない人の気持ちは良くわかります。現代でもこんな感じの小型FRクーペなら相当数の需要が
見込めると思うのですが、メーカーさんはなぜそうしないのか…。






Alfa Romeo Tipo33 Stradale



これはさらにまた、非常に魅力的。作られた時期からして(Ferrari 330 P4 などの結構後で目新しさに
かけると…)、あまり評価しないという方もいらっしゃいますが、当時のカッコイイデザインの集大成
というか決定版的なものとして、私にはとても魅力的に思えます。スカリオーネの最高傑作と言って
いいと思います。






総生産台数が極端に少なく、また個々にディティールが違っていたりする(わかりやすいところでは
ヘッドライトが4灯式と2灯式など)のですが、アバルト美術館のものはその中でももっとも魅力的
という人が多い、4灯式で、しかもワイパーがルーフから生えているという非常にレアなものです。
(下写真)私もこの固体が一番いいと思います。



その魅力的な Tipo33 Stradale が完成し、火入れ式というか、お披露目というか、そういうシーンを
おさめた動画です。
AlfaRomeo Tipo 33.2 Stradale Exahust Sound In Gallaly Abarth Collection Vol.1
https://www.youtube.com/watch?v=EI65fpvsouc


Ferrari P5



そしてそして、これです。 私の中で最高にカッコイイ、フェラーリP5!この車に関してはまた別の
機会にこれだけで取り上げようと思っています。



これが超絶レストアを経て完成し、2002年に東京都現代美術館で行われた“疾走するアート フェラーリ&
マセラティ展”で現物を見ることが出来たときは震えるほど感動しました。 出来ることならもう一度、
是非またゆっくりと見てみたいです。





あの時はまだデジタルカメラなんてなくてフィルムのコンパクトカメラだった…。