特選外車情報 F ROAD(エフロード)1月号(2015 jan. No.356)を買った。時々買う車雑誌で、
今月号は“服野礼一郎の晴れた日にはクルマに乗ろう”でBMW i8を取り上げていたから。




しょっぱなの見出しから、“見た感じ=超未来的EVスーパーカー 乗った感じ=…。”と書かれていて、
あぁやっぱりそんなもんか、と思いながら読み進むと、案の定クルマとしての評価はあんまりよろしくない。
やっぱり、そうなんだ…。がっかりして、同時にちょっとほっとした。




ただ、スタイリングについては、
“スタイリングとしてはここ10年のスポーツカーの中では、独創性といいアイディアといい
カラーグラフィックといい最高傑作だと思う~” と書かれていて、これは私も同感。
福野氏の意見には共感できることが多くて読んでいて心地よいのだが、全体的な評価はともかく、
純粋にスタイリングだけの評価としてここまで高評価なのは最近の車では珍しいように思う。




過去において、フェラーリ、そしてピニンファリーナ/フィオラバンティの傑作365BBや、
日本車の最高傑作トヨタ2000GTなどのスタイリングについて福野氏が書いたものを見て、
その敬意を持ったとらえ方、表現にとても共感した覚えがあり、今回も素直に嬉しく思えた。




i8、その前身であるVision Efficient Dynamics concept のスタイリングついて、細かく言及することは
ここではしないが、その特徴のひとつとして、BMWのその他の普通のラインナップと関連性があまり
なく、しかもそれらよりもぐっとモダンで魅力的なところがいい。
BMWに限らず、他の全てのメーカーを見渡しても何も似たものは見当たらず、大したものだと思う。





前述の、“クルマとしての評価はあんまりよろしくなくてがっかり…” というのは、単純に、この未来的な
形のクルマがそれに見合った夢のような乗り物にはなっていなかったということか、残念…ということ
なのだが、“同時にちょっとほっとした” というのは、これがこの見た目の通りのすごい完成度であったら、
日本車はもう手も足も出ないようなことになってしまうかも…そんな危機感があったから。それがそこ
までのものではなかったということで、ちょっと安心したわけだ。私あたりが心配することでもないとは
重々承知の上だが。




そういうことを色々考えながら、トヨタのFCV、MIRAI のことを考えると、あまりにそのスタイリングが
残念に思えて悲しくなってくる。
究極のエコカー、世界初の量産FCV…これだけの立派な内容でありながら、そのスタイリングは少し前の
韓国や中国のクルマと共通するような、本質的ではない妙な造形要素が多く、まとまりが悪く見えて
仕方がない。









モックアップだったとしても飾っておきたくなるようなのがいいな…。