シャシーにボディをセットしようとすると色々細かいところで修正しなければならないところが
見つかる。そううところがなるべく出ないように心がけていても、この製法ではある程度は
どうしようもない。

フロントカウルの大体の位置を出して


フロントフェンダーもセット。これでほぼボディ全体が一時的ではあるがまとまった。


この白いパーツが以前取り上げたフロントフェンダーブリッジ。面データから粉末造形で作られた
もので、R/Lごとに5ピースで構成される。特殊な形状のナットやボルトを仕込むための細かい
造作があって、FRPでの製作は事実上困難なため、この製法とした。

先日のヘッドライトハウジングについての記事で私はこの粉末造形という製法をとても気に入って
いると書いたが、実はこのときはヘッドライトハウジングと発注したところが違っていて、片側に
熱変形と思われるところがあり、ヘッドライトハウジングほどは印象は良くなかった。データと
機械で作ると言っても、こういうのもやはり業者、担当者による、ということなのだろうな。

ドアはまだ付いていない。前後ホイールアーチの隙間が気になる。


フロントの合せガラスを載せてみる。ほぼ完全にフィットする。これ自体をメインの成形型に置いて
キャビンを成形したのだから当たり前だが、安心する。



キャビン前端のマウントブラケット。


ルーフ部分のマウントブラケット。


リヤ側バルクヘッド。ものすごく頑丈そう。


Aピラー下側、ドア前側のマウントブラケット。


フロントカウル固定用の3方向締ファスナー。フロントフェンダーブリッジの後端にかかる位置で、
やや使いにくそうという指摘があって、自分でもそうかもしれないと思っていたところ。ここは
3号車以降ではフェンダーブリッジの位置を前方に移動するなど何かしら修正するかもしれない。


キャビンと1号車からキャリーオーバーしたリヤカウル。両者の合いは問題無し。2号車でもクレイ
モデルを作った理由のひとつがこれを合わせるため。両者の3次曲面はきれいに連続性を保つことが
出来そうだ。

丸いマーキングは給油口で、これはキャリーオーバーするリヤカウルの数少ない修正ヵ所のひとつ。
1号車ではキャビン側にあったのだが、保安基準で室内側に燃料配管があってはならないという事で
ここに移動することに。
当初はバルクヘッドにつけるトリムの一部を盛り上げてこの配管をカバーすればいいのではないかと
思っていたのだが、念のため、文句を言われそうなところは冒険しないで安全を見よう、ということで。
ただ、リヤカウルに普通に給油口を設置したら、これまでどおりのリヤカウルの開閉は出来なくなって
しまうので、給油口のフタ(フィラーリッド)のみをリヤカウル側につけて、内部の配管やスクリュー
キャップはシャシー側に固定で、両者は結合されていない、しかもリヤカウルの開閉時に干渉しない
ような構造にしなければならない。ちょっとばかり面倒といえば面倒なことではある。


このごっつい運搬用フレームに入っているのは、ガラスメーカーから送られてきたサイド(ドア)用
ガラス。見えにくいがちゃんとJISマーク入り。



実はこのサイド用のガラスで私のバカなエピソードが…。
少し前に送られてきていたこのサイド用のガラス、最初見たときにJISマークが入っていないように
見えた。実際にはもちろん入っていたのだが、何とも目立ちにくいつつましいアピアランスで…、
保護シートをはがさない状態では目視での確認が難しいくらいのものだった。それで、てっきり
何かの手違いで(急いで作ってもらったし)刻印し忘れたのではないかと思ってしまい、あわてて
ガラスメーカーの担当者の方に電話したところ、その方も現物の確認をご自身ではしていなかったのか、
“それは大変!申し訳ないがすぐ送り返してください。届いたらすぐに刻印して送り返しますから。”
とのことだったので、この種の品物の運送に頼れる西濃運輸で返送した。
そうしたら翌日電話がかかってきて、“ちゃんと入ってるじゃないですかぁ。送り返しますね。”
とのことで、今度はこっちが“えぇ!?そ、それは大変失礼しました、すみません、すみません。”
ということで、このガラスはとんぼ返りして来た。
このJISマーク、ブラスト処理で描かれていて着色はされていない。まわりに対して淡く曇っている
だけで実に控えめ。
今度はちゃんと保護シートをはがして確認。確かにありました、指定したとおりの場所に。
ガラスメーカーさん、失礼なことを言って、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。





あこがれのJISマーク、重要なのにつつましい…。