昨年2022年6月 キャデラックが2023年デビュー予定のLMDhプロトタイプカーを発表。
え?キャデラックがレース?と思う方も少なくないと思いますが、アメリカ国内ではレース
活動やってるんですよね、キャデラック。

私は基本的にはアメリカ車にそれほど興味無いのですが、数少ない惹かれる車があって、
その中にキャデラックのアランテとセビルがあります。アランテのほうはイタリアの名門
カロッツェリア:ピニンファリーナがデザインとボディ製造を担当したしたことで有名で
(それを専用貨物機でアメリカに空輸!)、随所にピニンファリーナらしい上品さと、
モダンであっさりしていながら端正で贅沢なが感じがして好きです。セビルはその流れを
汲んだ正統派セダンという感じで、どちらもこれ見よがしでない控えめともいえるスタイ
リングでありながら他とは一線を画する美しさ、カッコ良さがあってとても好きです。
このたった2台によって(他にも少々ありますが)私の中でキャデラックブランドは相当
良いイメージが出来ているということです。

Cadillac Allante 1987(キャデラック アランテ)


Cadillac Seville 1992(キャデラック セビル)


そのキャデラックがルマンとかに出る、上記2台に惹かれたような何かしら魅力のある形
だといいな…、そう期待してしまいまして、注目しているということです。
ちなみに他にアメリカ車で好きなのは C3 コルベットウレタンバンパーの1973~1979、
あとムスタングの1973あたりのとか…なんですが、そのあたりはまた別の機会に。


開発作業はキャデラック・レーシングとキャデラック・デザインが共同でイタリアのダラーラ
社の次世代LMP2をベースに開発しているとのことで、エンジンは新型の5.5リッターV8、
LMDhで義務付けられた標準ハイブリッドシステムと組み合わせられます。LMDhの規則では
パワートレインの内燃機関部分の最低重量を180kgと定めており、5.5リッターもの大排気量
エンジンの場合、(ターボとか付けるとさらに重くなるので)NAになる可能性が高そうです。
昨年12月には開発目標を達成し、今年のIMSAとル・マンに参戦する計画は順調に進んでいて
今年2023年1月28日のデイトナ24時間レースのデビューを目指しているそうです。
ルマンへの参戦計画については「レース主催者であるACOがどう許可するか、見てみましょう。
ル・マンは招待されるものであって、望めば参戦できるというものではありません。」とのこと
ですが、そのつもりで開発しているのは間違いないでしょう。


走行テストと思われる写真。


フロントエンドは「デコッパチ」ではなくてスッキリした望ましい形で好感が持てます。


ボディサイド、サイドポンツーンに相当するところからリヤエンドにかけての造形が特徴的で
サイドビューで後方に向かって自然に高くなっていき、リヤタイヤを乗り越えて少し下降、
リヤエンドでスパッと断ち切られる。この手の車ではあまり見ない(ということは他の皆さん
はこういう造形にメリットを見出していないと思われる)、良く言えば特徴的なところです。






プランビューで見ると各フェンダーから伸びたフィンというか水平基調のウイングみたいな
ものがキャビンに向かって大きなX字を描くようになっています。これがどれほどの意味を
持つのかはわかりませんが(見た目の特徴づけという要素が大きそう…)、新しいフォード
GTにも通じる、アメリカらしいデザインといえるところかなとは思います。


この縦基調のテールライトは多くのキャデラックの市販車とイメージ的に重なるところです。
ただ、リヤエンドのライトのレンズにこんなアクリルの棒状のものを使うのは、少しでも軽く
したいのが普通のレーシングカーでは…、まぁあまりやらないことです。




この1枚が一番カッコ良く見えました。全体像は見えないですが、いい雰囲気です。


<画像13>
このあたりのディティールも、やたらシャープエッジをつけたがる、ある種アメリカン
デザインだなと思います。




そしてこのシャークフィン、なんと透明!アクリル製かポリカーボネート製でしょうか。
ここを透明にしていいことは特にないと思うのですが…やりたかったんでしょうね。
これは多分コンセプトモデルとかプレゼンテーションモデル(あるいはCG)だけのもの
でしょう。アクリルは振動で割れたら困るし(ポリカーボネートならまず割れないですが)、
透明ではスポンサーロゴを入れるにも見えにくくなって、あまりよろしくないと思います。

上方排気と思われる排気口。まるで近年のステルスジェット戦闘機みたいです。

後端面だけが光ってステキな演出のハイマウントストップランプ(多分)。
ボディに刺さっている部分にLED光源があるんだと思います。


下の3枚もサーキットっぽいところで撮影されたように見えるのですが…、
ホイールが動いていないように見えるので、コンセプトモデル(モックアップ?)を
置いて撮影したか、あるいはみんなCGかもしれません。






勝手に期待したものとはちょっと違うし、正直言って(予想されるパワーユニットなどから)
あまり速くないかも…と思うのですが(失礼千万)、キャデラックブランドの耐久レーサーが
どんなものなのか、早く走るところを見てみたいです。










ウクライナがロシアを追い出して勝利して、全ての領土をとり戻し、
ロシアにきっちり賠償させて、平和を取り戻せるまで応援したいです。

We support Ukraine with all our might!
We are all on your side.
Ми підтримуємо Україну всіма силами!
Ми всі на вашому боці.











キャデラックの耐久レーサー、一体どれほどのものなのだろう…。