先日業務用CDプレーヤーをヤフオクで落札した。TASCAM CD-200SB という機種。
TASCAMというのは一般向けオーディオメーカー、TEAC(ティアック)のプロ用機器部門の
ブランド。プロ用と言ってもこのクラスのものは放送局とかレコーディングスタジオとかで
使うものではなく、デパートとかショッピングモールなど何かしらの施設で館内にBGMを流す
とか、そういう目的で使われることが多いのではないかと思われ、価格も普通の民生用の機器と
同レベルで、数万円から高くてもせいぜい10数万円程度。放送局やレコーディングスタジオで
使われるものはケタが1個くらい違う。
用途がそういうものなので、オーディオマニアが気にする周波数特性とかの絶対数値よりも
主に耐久性、信頼性に重点を置いた設計になっている(民生用と共用部品も多いと思うが)。

何でそんなものを入手したのかというと、うちで私が使うものではもちろんなく、
私が住む地区の自治会が開催する盆踊り用の音響機器として、である。
私は今年と来年の2年間、18年ぶりに組長を仰せつかって、さらに年間行事の中で最も面倒
くさくて役員の負担も大きい盆踊りの担当にされてしまったのだが、これがまた…、
事前の打診など一切無く、承諾も何もあったものじゃないのがもう何ともアレなのだが、
嫌です!(カッタルイんで)断ります! というのもなんだし…と普通にお引き受け。

で、今年の盆踊りは8月14日(月)に予定されていた。そう、予定はされていたのだが…。
事前に打ち合わせを何回かやって、櫓(やぐら)立てて、提灯用の配線、電球取付け、
飲み物やおつまみや氷など、諸々の手配や買い出しをやって、近隣の業者に招待状を持って
行ってご祝儀(という名の協賛金)もらって、本番1週間前には踊りのお師匠さんを招いて
踊りの練習までやって…、というところで台風7号が接近!大規模災害をもたらす可能性有り!
とのことで本番2日前の8月12日(土)に緊急役員会招集、今年の盆踊りは中止にしましょう、
残念ですが…ということになった。
翌日、台風が来る前にと照明や配線類を撤収、その1週間後に櫓(やぐら)を解体して、
年配の方々から「来年出す時にどこにしまったか大津さんおぼえといてね。」と言われw
倉庫に格納。今年は盆踊りの準備をしただけで本番はやらずに終えることとなった。







それでなぜこの機種を調達することになったのかというと、これまで使っていた機種が
“いにしえ” のコロンビア製レコードプレーヤー/カセットプレーヤー/CDプレーヤー
というポータブルタイプで軽く見積もって30年選手、いや40年くらいたっているか…。
恐らくCDが出始めて、まだレコードもカセットテープも現役の頃で、それらを全部使える
ようにと欲張って考えられたもので、1980年代製ではないかと思われる。正直いつ壊れても
おかしくない。よくこれ稼働してたな…と妙に感心するようなものだった。
このポータブルマルチプレーヤーの他に、アンプ、スピーカー、コード類などをバラバラの
格納場所から引っ張り出して、これとこれをつないでこう使ったのかな?などと推理しながら
結線して...何とか音が出るところまでこぎつけた。
とにかく役員の誰一人としてどこに何があるのか、どうやっていたのかなど全然把握して
いないし、みなさん記憶も実にあいまいでw これでほんとにやれるのかと不安になりながら
の作業だった。
それらしい機材(TOAの業務用アンプ:マイク入力付き、スピーカーとして使うラッパ型の
拡声器2個:ものすごくひずみっぽい音、ある意味ノスタルジックな音w)を見つけて、結線
して音出しできたのだが、中にひとつだけ場違いな新しい機器があった。




PA音響機材、楽器、DTM、照明機器等をあつかう株式会社サウンドハウスのオリジナル製品、
PA-BOXというコンパクトな簡易PAシステムである。2017年製で、用途としてはストリート
ミュージシャンなどが路上で使うのにちょうど良さそうなもの。見た目はエレキギター用
アンプを小振りにして、入力系統を増やしていくつかの機能を追加したような製品で、
充電しても使えるし、非常に使い勝手がいい。音質のほうもこれまで使ってきたラッパ型の
拡声器とは雲泥の差、普通に低音から高音までクリアで力強い現代的ないい音がする。
スピーカーはまともな2ウェイ、アンプ部は恐らく高効率デジタルアンプ、USBとSDカード
スロットも装備(!)、簡単に言うと入力系統の多い多機能なパワードスピーカーである。

何でこんなものがここに…?
役員の皆さんに聞いても、「さぁ、こんなの見覚え無いよ…。」って、ちょ、おかしいだろうw

こんないいのがあるんならこれを使わない手は無いと思い、そう提案したのだが…、
「いやぁ、前と同じでいいよぉ。」
これ使えばひずみの無いきれいな音で大きな音が出せますし、ラッパ型のを外に吊るす必要も
無くなりますよ。どうですか?
「いやぁ、前と同じで…。」
はぁぁ…、 そうですか、 そうですか…。
いなかのご年配の方々を相手にしてると、しばしばこういうことがある。

というちょっと気まずいやり取りがあって、結局従来通り(と思われる)方法で音楽を流すことに
したのだが、踊りの練習当日、別の人が動かそうとしてら例の「いにしえの」ポータブルマルチ
プレーヤーが動かない。恐れていたことが…、ということで急遽うちから小さなDVDプレーヤーと
接続コードを見つくろって持っていったところ、「色々やってたら動きました!」って。
なぜ復活したのかは不明。不明だけれど、とりあえずこれで従来通り(と思われる)やり方で踊りの
練習は出来ると。で、練習はひととおりやれることはやれた。

そんなことがあって、既存の音響機器は不安要素大なので、もう少し新しいのに入れ替えませんか?
来年以降のために、と提案し、さいわい予算はあるしということで承認をいただき、私が選定して
購入することになった。予算は全てひっくるめて3万円以内。

という経緯で冒頭のTASCAM製業務用CDプレーヤー落札となったわけである。










この種の業務用機器はTASCAMの他にDENONやTOAなどもあって、最初考えたのはTOA製の
もので開始価格が格安なところと、操作パネルの表記が日本語なのが良さそうに思えた。
(うちの地区の年配の方が操作することを考えると、大き目の日本語表記は望ましい)
TOAは業務用オンリーのラインナップで個人向けとしてはブランドの知名度も人気もあまり無い
ので価格が吊り上がることも無く安価に入手できるだろうと予想された。
ただ、難点があってUSBメモリなどのメディアに対応していないこと。今後のことを考えると
USBは対応出来たほうがいい。

それで次にDENON製のUSB対応機種にしようかと思ったのだが、それはサイズが1Uという縦
(天地)寸法の小さな、薄っぺらい形のもので(業務用機器は複数まとめておさめるラックがあり、
機器のサイズはその規格に合わせられている。1Uというのはその最小サイズ。他に2U(縦サイズ
が1Uの2倍)、3U( 同 1Uの3倍)~ とある)そのサイズ故、年配の方が操作するのにちょっと
スイッチやディスプレイの各種表示が小さ過ぎるかも…と心配だった。そして程度の良さそうな
ものは(比較的安価な定価に対して)あまりお得感の無い価格設定の出品が多かった。

予算はトータルで3万円以内。これには送料と、同時に購入を考えているUSBメモリ(32GB程度)
の代金も含まれる。上記DENON製のものが2万円台の落札相場だったのでそのような金額を想定
したのだが…、(TOAのほうはもう少し安価に入手できそうに思えた)
TOAとDENONのどちらにも決めかね、さてどうしたものかと思っているところに、TASCAMの
高機能で相応にお高い(定価85,000円)機種が出品された。サイズは2Uで程よい大きさ。その
大きさのせいで操作性も視認性も良さそう。使用頻度少ない動作品で、とても程度良さそう
(写真で見る限り新品同様)で、しかもリモコン(未使用!)と取説付きいう何とも魅力的な
出品なので、そちらに狙いを定めてオークション終了日を待つことにした。
ただ、定価がそれなりにお高い機種ということもあり、出品価格は35,000円と本体価格だけで
予算を5,000円ほどオーバーしていた。送料は未定となっていて多分2,000円弱かかるはず。
別途購入を考えているUSBメモリ(32GB、1,000円程度:盆踊り用の楽曲のバックアップ、
その他関連事項の記録、保存用)も含めると8,000円くらい予算オーバーとなる見込み。
その点だけはちょっと迷ったが、現行機種でこんな程度も条件も良いものを見送ってしまっては
きっと後悔することになる。そう思ったので終了直前に入札、競合は無く無事落札となった。
予算をオーバーした分は、私の価値観による勝手な判断なので、その分は“寄付”として、
自治会からは約束の3万円だけいただくことにしようと思う。

実は同時期に同じ機種が他に2点出品されていたのだが、ひとつは落札したものと同じ出品者から
の出品で製造年が1年早い、つまり1年古いもの。出品価格は2,000円ほど安かったが、自分で使う
ならともかく、所有者は自治会、いわば “人様のもの” になるので少しでも新しい方をと考えた。
もうひとつは製造年としてはさらに新しく2019年製だったのだが、多用するスイッチの表面の
マークがかすれていたり(かすれるほど激しく使われた?)、マイク入力の調節ノブに手描きと
思われるマーキングがあったりして、やや酷使されていたように見えたので見送った。業務用の
機器は想像以上に酷使されることがあるので、そういうものにあたると悲惨なことになりかねない。

と私は思ったのだが…、これが後に7万円以上で落札されていて(ウォッチリストで知る)わからん
もんだな…と思った。入札履歴を見ると2人で競り合ったと思われ、どちらも評価の数がそれほど
多くはなく(つまりオークションの経験浅目?)、競りあってちょっと熱くなってしまったのかな、
と思った。最初の出品価格が安いと最終的な落札価格は高くなることはしばしばあって、これも
そうではあった。
ついでに言うと、最近は今回の落札品のような “条件の良い” 出品は少なく、珍しいほうになった。
かつては完動品(完全に動作する)、不具合があれば1週間以内なら返品可とか、良心的なものも
少なくなかったのだが、今時はクレームを嫌ってか、通電確認のみとか、動作確認できる環境が無い
ので動作未確認とか、知人からの依頼品なので詳細はわかりかねますとか、そういう責任逃れとも
とれる文言を目にすることが多くて、正直辟易する。まぁそれだけ無茶なクレームをつける輩が
増えてどうしようもないのかもしれないが…。
それにしたって、通電のみって、何なんですかね?それじゃ何もわからないじゃないですか。




※写真は全て落札したオークションからのものです。





















ウクライナがロシアを追い出して勝利して、全ての領土をとり戻し、
ロシアにきっちり賠償させて、平和を取り戻せるまで応援したいです。

We support Ukraine with all our might!
We are all on your side.
Ми підтримуємо Україну всіма силами!
Ми всі на вашому боці.











想定してたのより良いものが調達できたと思う…。