フォルクスワーゲン パサート GTE を取り上げたこの記事のシャシー透視画像を見て、その凝縮感が
すごいなと思い、同時にメカニズムとしてのカッコ良さ、美しさみたいなものはもうあまり感じられない
ような気がして、ちょっとさみしい気持ちになった。

VW Passat GTE Sedan And Estate Get New Photo Gallery
http://www.carscoops.com/2015/07/vw-passat-gte-sedan-and-estate-get-new.html




この種の画像は仕事でよく作るのだが(画像だから“描く”というほうが適切ではないかと思われるかもしれないが、
実際の作業は3DCADで行う設計作業と同じようなもので、自分の感覚としては “描く” よりも “作る” になる)、
技術要件を満たして、その上で見栄えがいいようにといつも考えているもので、前述のように感じてしまう
わけだが、それはクライアントの皆様にはあまり関係ないことなのかもしれないし(まぁ間違いなくそう
だろう)、この傾向は今後も強まりこそすれ、弱まることはまず無いと思われる。

数年前から依頼が多くなったハイブリッドEVや純粋なEVのこの種の透視画像も、ハイブリッドであれば
エンジンとモーターの組み合わせがどんな形式であれ、またエンジンがダウンサイジングターボなどで
あっても、それらに追加されるパーツがあって成り立つので、このVWのように凝縮間のある画像にはなる。
問題は(問題というのもなんだが)純粋なEV。EVの透視画像を作ると、いつも何だか物足りないような
気がする。要求されたアイテムは全て表現しているにもかかわらず。

基本的に同じボディで、比較的オーソドックスなV6縦置きエンジンの4WD(あるいはFR)と、モーターの
レイアウトによっていくつかのパターンが考えられるEVの画像を作ったことがあるのだが(同じボディを
使ったのは単に作成コスト抑制リクエストのため)、必要最小限のパーツしか表現していなかったことも
あり、何だかちょっと間がもたないような気がするほどで、ああ、この種の画像もこれからこんな風に
なっちゃうのか…とさみしい気持ちになった。





個人的には縦置きのFR(エンジン前端がフロントアクスルよりも後ろの)とか、やはり縦置きの
ミッドシップで、V型の多気筒(出来ればV8以上、更にいえばV12)が、古典的ではあるが魅力的だ。






こんなことを考えていると、ラ・フェラーリ、マクラーレンP1 、ポルシェ918、そしてこれから出る
新型NSXなど、ハイパフォーマンスのための凝ったハイブリッドタイプ、ああいった車の存在は、
こんな画像を作る仕事をする上でもちょっとした希望のようなものでもある。







新型NSX、生産開始が遅れているとの事、ちょっと心配…。