前回、高専時代の選択科目でとっていた美術の講義で先生が言った
「センスは磨けるものです。いろんな良いものを見て、触れて、経験を重ねることによってセンスは
磨かれていきます。(後略)」
という言葉に救われる思いがした、と書きました。その続きです。

先生の言葉に反応する学生があまり多くはなかったように思え、でもそれはここ(長岡高専)では
しょうがないかなと思ったのですが、講義の後、一人の同級生がこのことで声をかけてくれました。
「へぇー、大津ってほんとにそういう感覚いいんだね。」などと言ってくれました。
彼はやさしい"気いつかい”です。
エンジニア系を目指す学生が多い中、私が工業デザイナー志望であること、アパートの部屋では主に
女性の油絵を描いていて(1枚目の画像はその中の1枚)県展とかに出展していること、ファッション
にも興味があって雑誌のananとか流行通信とかをよく買っていること、土日はデパートの家電売り場
でソニーのヘルパーとして販売のバイトをしていて、平日の夜は週3日ほど居酒屋でバイトしていて
大体いつも眠いこと、あまりお金は無いこと、更には好みの女の子のことまでよく知っている、
当時とても仲良くしてくれた同級生がいつものように気をつかって話しかけてくれました。
彼は私のアパートにしょっちゅう遊びに来ていて、朝、家の車(決していい車ではありません)で来て
私をのっけて学校へ、なんてこともしばしばでした。(当時の長岡高専はいくつか条件を満たせば車や
バイク通学OKでした)帰りも私の部屋に寄って、漫画とかGOROとかの雑誌見たり、バイト代で買った
中古のラジカセでカセット聴いたり(まだCDは影も形もありません)して、しばらく遊んで帰るなんて
ことも多かったです。

ある朝、いつものように彼の運転する車の助手席に乗せてもらって学校に向かう途中、自転車に乗った
近隣の女子高校生達が信号で止まった私たちの車の前を通り過ぎようとした時、いい風が吹いてひとりの
女子高生のスカートがぱぁっとまくれ上がりました。パンツ丸見えどころかその上の腰というか背中の下
のほうまで見える勢いです。
私と同級生、「おぉー!朝からいいもん見たねー!」「白だったねぇ!」ヽ(*^▽^*)ノ \(*^▽^*)/♪
と大盛り上がり。女子高生には大変申し訳ないですがその日一日ウキウキして楽しかったです。この頃は
まだ無かった言い方、JKのパンツの威力絶大ですw いいもん見せてくれてどうもありがとうございました。


そういう楽しい思い出はともかく、前回の終わりに書いた、「私は不安をいっぱい抱えていましたので
結構響いて、救われる思いでした。」というのがどういうことを意味していたかというと…、
センスは磨けるものです、と聞いて私が思ったのは、

「そうか…、川久保礼の服はやたらクリエイティブで魅力的に見えるけれど、とても同じようなレベル
のものを発想出来るようには思えない…、そういう自分でも磨けば近づくことは出来る、かもしれないと、
そういうことなんだな…。」

などと意味不明な無茶な考えが頭を駆け巡り、それでが希望の光のように思えて嬉しかったんです。
いきなりファッションデザインのことですから、ほんと、意味が分からないというか無謀というか…、
間違った拡大解釈もいいところです。



川久保礼って誰?という方のために少し説明させていただきますと…
当時世界のファッションシーンを席巻したコムデギャルソン(COMME des GARÇONS)の創業社長兼
チーフデザイナー。作る服も着る服もほとんど黒だけ(当時は)。ボロ布(のような素材)を使った
構築的で着る人の体形に依存しない独特なスタイルでパリコレなど世界のファッションシーンに衝撃を
与えました。上の写真はコムデギャルソンの1983年の(多分)春夏コレクションの1枚です。
当時の人気ファッション誌ananなどに毎号たくさんの商品が掲載され、高価格ながらよく売れました。
いわゆるDCブランドのはしり、最大の立役者のひとりといえる存在です。
ちなみにコムサデモード(COMME ÇA DU MODE )というブランドはこれを色々な面でコピーして
(服のデザインだけではなくブランドロゴまで似せ、デザインを少し普通っぽくして価格はお安くして)
スタートした全く別の会社であることは業界内では有名。今は COMME CA ISM というお店が多いです。

川久保玲さん




間違った拡大解釈しながら No.3に続く







拡大解釈の意味:言葉や文章の意味を、自分に都合のいいように広げて解釈すること…w