ルマン24時間レース 50年ぶり復帰のフェラーリ優勝に思う [車、カーデザイン、ミニカー]
今年のルマン24時間レース、最高峰のハイパーカークラスは前年まで5連覇のトヨタが
6連覇を逃し(2位)、50年ぶりに復帰したフェラーリの優勝で幕を閉じました。
主催者がやらないと言っていたBOP(バランス・オブ・パフォーマンス:性能調整)が
本番10日前に急遽決定されトヨタは37kgのバラストを積まされることに。
10日前といえばこの手のレースではありえないほどの直前のタイミングです。
各チームごとの追加重量と規定車重は下記のとおりです。
トヨタ :37kg 車重:1,043kg → 1,080kg
フェラーリ :24kg 車重:1,040kg → 1,064kg
キャデラック :11kg 車重:1,035kg → 1,046kg
ポルシェ : 3kg 車重:1,045kg → 1,048kg
プジョー : 0kg 車重:1,042kg → 1,042kg
今シーズンのWECはルマンの前まででトヨタが3連勝していてあまりに強い、強すぎて
レースがつまらなくなるから主催者として性能調整することにした、ということなの
ですが…、まぁ控えめに言って理不尽です。自転車競技のUCIじゃあるまいし…。
トヨタが勝つと不愉快だからと暗に言っているようなものです。
この突然の決定に対し、トヨタは即時撤退してもいいレベルだと言う人もいるのですが、
主催者としては、むしろそうなってくれるのならそれはそれで望ましいとさえ考えていた
のではないかと、結構深いところでそう思っていたのではないかなという気さえします。
元々自動車レースはヨーロッパ発祥で、ヨーロッパのメーカー、コンストラクターが
ヨーロッパの白人ドライバーを乗せて争って楽しんでいたもので、そこに日本メーカー、
日本人ドライバーが参加することがもう本当は面白くない。心の底でそう思っていたの
ではないか…、そう思われてしょうがないかと思います。
ルマンからアウディやポルシェが去って、ワークスはトヨタだけになって、存続さえ
危ぶまれていた最高峰クラス:LMP1はトヨタが参戦を続けたことによって体裁を保って
いた面もあると思うのですが、それがハイパーカークラスということになって、自国
フランスのプジョー、ドイツのポルシェ、イタリアのフェラーリ、さらにはアメリカから
キャデラックまで参戦することになって(来年以降にはフランスのルノー:アルピーヌも
参戦予定)、近年にない盛り上がりが見込まれ…、そうなると欲が出てしまい、ヨーロッパ
のメーカー、出来れば自国のプジョーに勝たせたい、それがかなわなければポルシェか
フェラーリでもいい。そういうことでなりふり構わず強引にルールを捻じ曲げるようなこと
をして急遽BOPを強行した、というように思われても仕方ないでしょう。
この強引な要求をトヨタに飲ませられればそれで良し、トヨタが怒って撤退することに
なったとしても、それならそれでまた良し。そういう不愉快な想像が出来てしまいます。
規定とは裏腹に…ル・マンBoP「あまりにもトヨタが強かったから」
競技よりエンタメを優先したと小林可夢偉 | Formula1-Data / F1情報・ニュース速報解説
https://formula1-data.com/article/kobayashi-le-mans-favored-entertainment-over-competition-with-bop
最高に面白かったル・マン24時間 でも「本物」のレースと言えるの?
複雑な思いが残る試合 | AUTOCAR
https://www.autocar.jp/post/940609
優勝したフェラーリ 499P 51号車
フェラーリが勝つこと自体はいいです。おめでたいし盛り上がります。
ファンならずともその気持ちは理解できます。
ですが、こんなことがあって勝っても、それを心の底から嬉しく思えるのか、
誇らしく思えるのか? そういう疑問は残ります。
そんな逆風吹き荒れるような状況でもトヨタはプジョーはもちろん、ポルシェよりも
当たり前に速く、フェラーリと優勝争いをしたのは大したものだと思います。立派です。
出来ることなら、トヨタ以外のワークス勢が久しぶりに複数参戦した今回のルマンで、
この理不尽なBOPを跳ね返して6連覇してほしかったですが、そこまではできませんでした。
残念でした。
トヨタ GR010 8号車
遅い車に追突されてリタイヤした7号車のことも残念でなりません。
トヨタ GR010 7号車
そういうスッキリしない今年のルマンでしたが、ワークス勢が複数出てくれたのは確かに
おもしろかったです。車の形自体も素直にカッコいいと思えるものが出てきて、それも
とても良かったです。
ハイパークラス各車(ルマン用のカラーリングとは異なる車もあります)
中でもデザイン(スタイリング)として最も良いと思ったのはポルシェ。
以前このブログでも掻きましたがカラーリングもいいです。
ポルシェ 963 5号車
別チームのポルシェ 963 38号車
夜間のポルシェ 963 5号車 写真が美しい。
カラーリングだけで言えばプジョーも良かったです。とても好みでした。
プジョー 9X8 94号車
プジョー 9X8 93号車
フェラーリもかなりいいともいました。デザインで言うとポルシェの次にいいです。
フェラーリ 499P 51号車
キャデラックもいい線いってるというか、ちゃんとヨーロッパ勢との違いが出せている
デザインも良いし、予想外にまともで速くて耐久性もあって軽く驚きでした。
キャデラック V-LMDH 3号車
キャデラック V-LMDH 2号車
トヨタは車の出来としては多分一番だと思うんですが…、正直デザインはあんまり…、
カッコ良く思えない、個人的に好みのものではありませんでした。従来からの流れを
汲んでそれをより洗練されたもので、だからこそ速くて信頼性も高いんでしょうが、
カラーリングも含めて他の皆さんに比べると…ちょっとだけ残念な印象でした。
ウクライナがロシアを追い出して勝利して、全ての領土をとり戻し、
ロシアにきっちり賠償させて、平和を取り戻せるまで応援したいです。
We support Ukraine with all our might!
We are all on your side.
Ми підтримуємо Україну всіма силами!
Ми всі на вашому боці.
トヨタは来シーズンのデザインとカラーリング、そして次世代の水素エンジンレーシングカーにも期待…。
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