Porsche 963 ルマン用カラー [車、カーデザイン、ミニカー]
ポルシェの耐久レーサー、Porsche 963 LMDH のルマン用カラーリングが発表されました。
963に関しては少し前、今年の1月9日にも記事を書いています。
Porsche 963 LMDH Hypercar 2023年1月9日
https://ash-institute.blog.ss-blog.jp/2023-01-09
この以前の記事でも書きましたが、最近の耐久レーサーの中では最もカッコ良く思えて
かなり気に入っています。
これはCGだと思いますが、かつてフェラーリやフォードがやった3台並んでのルマンの
1、2、3フィニッシュをイメージしたのかなと思われるような画像です。
ここからの3枚は通常の963、発表された時のカラーリングで、上記の1月9日の記事でも
アップした画像です。このカラーリングでWECやアメリカのレースに参戦しています。
正直、今回発表されたルマン用のものよりも元のカラーリング(↑)のほうがカッコ良く
思えるのですが…、今回のルマン用カラーで目をひいたのがこのプランビュー(上面視)。
なんかちょっと見おぼえあるな…と思ったのですが、以前自分で作った下の画像と似た感じが
したからでした。
これはイケヤフォーミュラさんのIF-02RDSの開発を始める時にスタイリングの狙いを説明する
ために作ったエアフローの概念図のようなもので、ベースはオリジナルのAsh013という車です。
フロントフェンダーとフロントエンドを池谷さんの好みに合わせるための修正案の線や、ステア
した時のタイヤの逃げのための切り欠きの線などが描かれています。キャビンからリヤカウルに
関してはAsh013のままで、まだIF-02RDSとしての特徴は描かれていません。
このAsh013にしても、さかのぼれば2007~2008年頃のスケッチが大元で、ある中央アジア
の国(国土大きく天然資源豊富)の国営プロジェクトとしてカテゴリーの異なる車を一気に
5車種(!)開発しようという非常に野心的なプロジェクトを持ちかけられ、そのうちの
スーパースポーツ(既存のいわゆるスーパーカーを上回る圧倒的なパフォーマンスを目指す)
として、同時開発の高級セダンと共にイメージリーダーとすべく開発したいというもので、
それならば以前からあたためていたアイディア、このスケッチと作りかけていた3Dデータが
ちょうどあてはまるかもしれない…。
そう思ったのですが2008年といえば…、そうです、リーマンショックが起こるわけです。
それによって同国の経済は大混乱。結果として、この話を持ち掛けてきた政府関係者達は
大統領を除いて、同国政府の実質ナンバー2と言われた方を含めてごっそり退任してしまい、
プロジェクト全てが無かったことになってしまったのでした。
ウクライナがロシアを追い出して勝利して、全ての領土をとり戻し、
ロシアにきっちり賠償させて、平和を取り戻せるまで応援したいです。
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トヨタがこれくらいカッコよくなってくれたらいいのにな…。
Ash019 ヘッドライト周りの微修正 [プロトタイプ開発経過]
前回に続いて開発中の車:Ash019(コードネーム、仮称)の作業。
今回はヘッドライト周りの微修正。微修正なのだが…、影響範囲は案外広く、作業は結構
大きな面に及ぶもので、その作業量に比して変化が極めて小さい…、そういう作業になった。
まぁそういうことはよくあるといえばよくあるのだが、これを静止画だけ並べて比較しても
もはや難易度の高い間違い探しみたいなことになっていてw 非常にわかりにくい。
それで、変化をわかりやすくするためにアニメーションGIFにしてみた。
これなら微妙な変化もよくわかる、と思う。
ヘッドライトは最初の状態から少し天地を狭く、横幅を広げた。
ヘッドライトだけいじるとボディ面との整合がとれなくなるので、そうならないように
ボディ側(フロントフェンダー)も修正。前方、上方ににやや膨らんだような形状に。
これでヘッドライトとボディとの関係は整合させられたものの、フェンダーの上面を走る
ピークラインがぼんやりしてしまったのがちょっと気になる。
それで、フェンダー上面の造形を再びいじり、ヘッドライトから後方への分だけでもピーク
ラインがより明確に出るようにした。
このピークラインの扱いはかなりデリケートで…、全体的な印象としてシャープで清潔感が
感じられるような造形を目指しているのだが、程よい強さのピークラインはその印象付けに
大きく貢献する。
ここでピークラインと言っているのは実際のところは面と面が交差して出来る両者の相関線
のことであり、線をいじるというよりは面を調整することによって望ましい線、得たい線を
獲得する、という表現が適切なもの。
この車のヘッドライトは2か所でその相関線にかかっているので扱いがやや面倒。アウター
レンズが2か所で折れているということなのだが、そんな折れ線のあるようなアウターレンズ
のヘッドライトを色々なアングルで見ても違和感無いように、そして魅力的に見えるように
するのは中々骨が折れる…、そういうことである。
そんな構成にしなければいいのに…と思われるかもしれないが、こうしたくてやっているので
それはもうしょうがないw
全体の造形としての雰囲気優先でピークラインを気持ちよく通してしまうとヘッドライトの
外形線がガタガタして “変な表情” “痛々しい造形” に見えてしまいかねない。
それは絶対に避けたい。
妥協できるレベル、いい意味でこの造形ならではの魅力を感じられるような…、そんな都合の
いい落としどころを探って調整を繰り返した。
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アニメーションにすると微妙な違いもよくわかる…。
Ash019 シングルワイパー新設計 [プロトタイプ開発経過]
前回とその前にも書いた “修正依頼か、これでOKです!(祝!w)” のどちらかの連絡が
先週クライアントから来たのだが、想定外の「今になってアレなんですが…」という、
まさに、なんで今になってそういうこと言いだすんですかぁ…? (;´ω`) な内容で…、
少々困ったちゃんなことになりそうなのだが、では具体的にどういうものを作ればいいのか
ということついては、少し考えさせてほしいとのことで、またその連絡を待つことに。
まぁふんわりした感覚でなんとなく目標っぽいことを言われるよりは、しっかり考えて
具体的で明確な到達点を示してもらうほうが良いので、ここで変に急がせてもしょうがない。
それにしてもいつ終わるんだろう、この仕事…。
そういうことなので、開発中の車:Ash019(コードネーム、仮称)やほかのモデルの作業を
すすめながら連絡を待つことにした。
本日取り上げるのは前回の終わりの方で触れたワイパー。
この種の車のフロントウインドーは一般的なものと違って前後方向に長く縦横比が1:1に近い。
こういう形だと一般的な2本ワイパーでは上側に拭き残しが大きく出来てしまうので、それを
解決するためにリンク機構を使ったシングルワイパーがしばしば使われる。有名どころでは
ちょっと古いがランボルギーニ・カウンタック(以降の同社フラッグシップの一連も)や、
フェラーリ・ベルリネッタボクサー(他にスペチアーレモデルなど)などがそういうワイパー
を採用している。日本車ではトヨタ・ヴィッツ、三菱・アイなどに採用例があり、それらを
参考に今回新設計した。
余談だが…、メルセデスベンツ・Eクラス(W202)にもかつてシングルワイパーが採用されて
いたが、あれは根元の機構がかなり凝っていて特殊な動きをする別物。わざわざ開発しただけ
あって払拭面積は非常に大きく超優秀な機構。ただ、ちょっとやり過ぎ感あり。
まず平面上で作図して基本的な動作を決める。最初は上面図で検討し、フロントウインドー
に近い角度に傾けてみて様子を見る。視界要件なども考えながらこれを何回か繰り返し。
良さそうなものが出来たら3Dモデリングして、ウインドシールド(フロントウインドー)の
曲面に沿わせて動かしてみて、破綻するところが無いように調整。
リンク(ワイパーアーム)の根元にはヒンジがあって、アーム内部にはコイルスプリングが
仕込まれていて、ワイパーアームをガラス側に常に押し付けている。これとブレード側の
板バネによってガラスと接触している部分の曲率が変化してもワイパーゴムはガラス面に
追従することが出来る。
出来たものはこんな感じ。やや前方寄りの上方から。
同じアングルのアニメーションGIF
少し右斜め前の上方から。
同アニメーションGIF
これだけ拭ければ十分だろう。
停止時のおさまり具合もいい感じに出来て、これならほぼ視界を妨げることも無さそう。
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ダブルリンクを使ったシングルワイパー、この種の車にはとてもいい…。
Ash019 細部修正、レンダリングなど [プロトタイプ開発経過]
前回書いた、修正依頼か、これでOKです!(祝!)のどちらかの連絡がクライアントから
まだ来ないので前からやりたいと思っていた、開発中の車:Ash019(コードネーム、仮称)
の細部の修正とレンダリングを色々やった。
色々なアングルで、ライティングも色々試して数パターンの良さそうなものが設定できたので、
こんなアングルのものもやっておくか、とリヤコンビライトまわりをクローズアップした画像
を作ろうとしたところ…、格納式リヤウイングを展開した時(上がった状態)の下面中央部が
何とも嫌な感じになっていることが発覚。
ここはなめらかに連続していてほしいところなのだが、センターに折れ目があってその両側が
盛り上がって、極端に言うとお尻のような形になってしまっている。面のつながり方としては
もっとも良くないつながり方。(個人的見解)まだ現物になっていなかったから良いような
ものの、うっかりこのデータのまま現物化していたら一生後悔するところだった。そんな
大げさな…と思われるかもしれないが、それくらい自分としては嫌な形状だということ。
通常の明るさではわかりにくいかもしれないが、明度を落として相対的にコントラストを
強めた画像で見るとこの部分の良くなさがより明確にわかると思う。
で、ここをサクっと修正。
ついでにレンダリングメッシュの設定が適切でないところが目についたので、部分的に
レンダリングメッシュの設定を変更して実際の形状に近い見え方になるようにした。
そして再度レンダリング。
これならいいだろう。
他にはワイパーに関して少しまじめに取り組んで、ダブルリンク機構を使ったシングル
ワイパーを新規に設計した。
適当な市販車のものを流用して済ますことも出来るのだが、それではどうしても拭ききれ
ないエリアが多く残ってしまうし、見た目の点でもやや残念なものになりかねない。
十分な払拭面積を確保して、停止時に視界を妨げず、その上で見た目にカッコよく思える
ものにしたい。そのためには技術的な裏付けが必要だから、いつかちゃんと検討して設計
しなければ…と思っていたもの。
更にヘッドライトの形状をより細く(天地に狭く)、長く(横方向に拡大)、フロント
ビューでの角度を緩やかに(外側が上がっている角度を弱めて少しだけ水平気味に)修正。
よりおとなし目で涼しげな眼もとにするためなのだが、そのためにはフロントフェンダー
(フロントカウル)自体の形状も少なからず手を入れることとなり、ヘッドライトの印象
をほんのわずかに変えるためだけなのに随分と大掛かりな修正となった。どこにも迷惑が
かからない今の段階だから出来ることではある。
もしも実際に作り始めてからこんなことをやったら関係者全員キレてもおかしくないw
このワイパーとヘッドライトに関してはまた別の機会に取り上げようと思う。
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リヤウイングの下面なんて、と思われるかもしれないが…。
過去に作成したデータを使ったモノ作り [Web、CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事]
ほぼ毎年のことなのだが3月は忙しかった。クライアントの皆さん、4月5月のイベント
向けに何かしら作りたいものがあったり、年度末の予算消化という意味合いもあって
外注先への仕事が集中…、でこういうことになる。
当初3月いっぱいで納品ということだった案件が、いざやり始めたら、やっぱりアレも、
あ、コレも…と増えて工期がどんどん伸びていく。仕事をいただくのはありがたいし
工費が相応に増えるのなら悪くはないのだが、あんまり積み重なるとその後に取り掛かる
はずだったものにも影響するし、いつ終わるのかわからないようなのはさすがに困る。
そうなりつつあったのだが、当初の見込みを2週間近く過ぎた4月なかばになり、ようやく
ひと段落(多分)。あとは修正依頼か、これでOKです!(祝!)のどちらかの連絡待ち
状態となっている。
それで、予定がずれ込んだために納品を待ってもらっていた別のクライアントのちょっと
した案件を週末を使って終わらせた。
数年前に作ったデータでまた同等のモノ(現物)を作りたいということなのだが、以前
お渡してあるデータでは何故だかうまくいかないとのことで、こちらでも保存してある
データを見直し、総合ファイルとパーツごとに分けたファイルを新たに作り、それぞれ
中間ファイル形式に変換して再度お渡しすることに。これでダメだったら何か根本的に
勘違いしているかもしれない。 それはうちかもしれないし、先方かもしれない。
何だか変な書き方をしているのは、そういうようなことが別のクライアントだが過去に
何回かあって…、詳しく書くのはやめておくが、3Dデータがあれば3Dプリンターで
モノが作れると単純に(というか安易に)考えられていることがあって、困ったことに
そう思っている方に現実的なことをわかっていただくための説明が結構難儀なことだったり
する。短気な方だと説明しているうちに怒りだしたり、話を聞かずに強引に進めようとして
当然うまくいかずに行き詰まって、「何でできないんだ?!」と幹部や社長から怒られた…
なんていうのはかわいいほうで、八つ当たりというか腹立ち紛れというか憤慨するだけして、
その後しばらくするとそんなことは無かったこと…、とまでは言わないにしても、大した
ことではなかったかのように自身の言動を矮小化してごまかすとか、更にひどいとほんのり
こちらのせいみたいな言い方をされることさえあって、もう、一体何がしたいんだか…、
と思うようなことも。(なんかぼんやりした書き方しか出来なくて歯がゆいが)
そのクライアントはその後も色々あって、うちの外注先にまで迷惑が及びそうなことに
なったので取り引きはやめさせてもらった。企業規模としては日本有数で国内シェアは
ダントツ1位、世界シェアでもベスト10前後というとても立派なところだったのだが…。
有形無形の被害もうちだけでかぶっているうちはまだいいが、大切な外注先にまで迷惑が
かかるようなことは避けねばならない。
今回作ろうとしているものは過去に作ったことのあるものなので、それが出来ないという
のは理由がつかないことなので、そうそう変なことにはならないと思うのだが、ほんの
少しだけ心配なことは心配。
経緯はどうあれ、いいものが出来てみんな満足して喜んでもらえたらいい。
ただそれだけだ。
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いいものが出来て喜んでもらえたらそれが一番。それだけ…。