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作業中のカラーリングを白へ 閃輝暗点 後編 [視野障害、閃輝暗点]

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厄介な症状、閃輝暗点についての後編です。

一番ひどかったのは、高速を運転中にこの症状があらわれてしまった時。
当時私はリーマンショックで通常の仕事が無くなり、トラックの架装メーカーに設計者として
お世話になっていたのだが、県外出張(神奈川県~静岡県)で、営業担当と設計部顧問の2人
(どちらも多分70歳代)と同行しての帰りだった。
当時私は50歳前後で勤め人として一般的には年配のほうだったと思うのだが、この会社はさらに年配の
方が多く(現場には20代、30代の方もいるが)、こういう時に新入りの若手w が運転するのはあたり前
のこと、普通のことだった。

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打ち合わせを終えての帰り道の東名高速、症状が出てきてしまった。
まずいなぁ、何とかおさまってくれないかな…と思いながらルームミラーで後席を見ると、
口を開けて爆睡する2人のご老人w この方々に運転を代わってもらうのははばかられる。
そうこうするうちに例のギザギザにトリミングされた景色が右に45度くらい傾いたかと思うと逆に
左に傾いたりしだして、ギクシャクとそれが結構なペースで入れ替わる!
カシャ、カシャ、カシャ!まるでカメラを左右に交互に傾けて繰り返し撮影しているような状態。
何だこれ…?!こんなの初めてだぞ!
十分な車間距離をとって(そのつもりで)道なりに走るので精一杯だ。
マジでヤバイ。止まらないとまずい、何としてでも事故を起こす前に!
そう思って「あのぉ、ちょっと疲れてきたんで次のサービスエリアで休憩していいですか?」と後席に
声をかけると、設計顧問、ハッと目を覚まして「ああ、いいよ、そうしてくれ。」と穏やかで優しい口調。
死ぬ気でその後数分間運転し続け、何とかサービスエリアにたどり着いた。 ふぅ~…。
あぁ、事故らなくて良かった。ほんとに良かった…。
まずポカリみたいなスポーツ飲料をごくごく飲んだ。この症状にはきっと水分摂取が有効じゃないかと
漠然と思ってのことだが、少なくとも水分とって悪いことはないだろう。
アイスブラックコーヒーも飲んだ。おいしくないw
トイレにも行って、休憩して15分か20分くらいたっただろうか、視界が徐々に明るくなってきて
正常に戻ってきて心底ホッとした。ひどい症状だったわりには速く回復してくれた助かった。
その後はややペースを落として運転し、同行のおふたかたと共に無事に神奈川の会社に帰ってくることが
出来た。 この視界が左右にカシャカシャ傾く形容しがたい症状が出たのはこの時の1回限り。

ちなみにこの時の仕事内容は、静岡県の県営牧場だったかで牛の運搬に使う専用車両を新調したいとの
ことで、その設計/製作を、という仕事だった。10年位前にも依頼していただいたことがあったそうで、
それを気に入ってくれていて再発注につながったとのこと。運ぶ対象が生きた牛という事で、初めて
知ることばかりの設計だったが、知見豊富な先輩の方々から色々教わりながら仕事させてもらった。
設計にCADは使われていたが、3Dではなくて2Dだったので、2Dならではの表現方法にちょっと困ったり
しながら、通常の私の業務ではまず関わることのないいくつかの車両の製作に関われ、色々あったにしても、
総じて設計部の方々はじめ、この会社には良くしてもらった。この時のことは今も深く感謝している。

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話を閃輝暗点に戻すと、こんな症状は当時は何という呼称なのかもわからず、眼科で検査しても異常無し
と言われ、視力もとても良いですと言われていた。(当時私はレーシック手術をしていて0.2~0.3程度の
近眼だったのが、左右共に1.5~2.0になっていた)
それで、そうなるともうこれは脳の異常、もしかしたら脳腫瘍とかあるのかもしれない。そう思って
色々調べた。だが、当時は症例で検索しても病名のようなものにたどり着けず、症状を説明しても私の
まわりには経験者やわかる人は医者を含めていなかった。
それで、MRI検査を受けることにした。費用は確か数万円だった。
結果、担当医の見解は、ごくわずかに毛細血管が少なめになっている(血管の切れた後かもしれない)
ようなところがあるにはあるが、年齢的にも全然異常というレベルではない。少なくともMRIで分かる
ような脳の異常は見当たらない、とのことだった。
予想された最悪の事態ではなくてちょっと安心したが、この症状の原因がつかめないことの不安はぬぐえ
なかった。 そしてその原因は今もつかめていない。

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一旦この症状が出るとおさまるのを待つしかない。残念ながらそれが現状。
私の場合、30分から1時間弱で大体おさまる。さいわいここしばらく症状は出ていない。
最近仕事の負荷が大したことないからかw
そして何回か経験したことによって症状が出る直前の兆候もつかめてきていて、あ、これはやばそうだな…
と思ったらスパッと休憩して眼を閉じたり、窓の外の遠くの景色を集中しないように気をつけながら見たり
する。タイミングよく休憩できればこの症状が出ないで済むことも多い。
うちの自宅兼会社は窓から水平線が見えるようなところなので、遠くを見るのには悪くない環境かなと思う。
水分を意識してとるようにもしている。ただの水だと私は飲みにくいのでレモン風味の炭酸水を常備している。
こういうのだといつもおいしく飲めていい。

閃輝暗点の明確な原因や対処法はハッキリしていないので、今のところこういう付き合い方しか出来ない。

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それで、前編の冒頭の話に戻るが、クライアントの好みに合わせて自分で設定した赤いボディカラーなのだが、
この深くて彩度の高い赤が、表示を他の状態からレンダリング状態に切り替えた時に目の奥に感じる圧迫感の
ようなものが私の目にはやや負荷が強すぎて、それが閃輝暗点の症状を引き起こす条件に近いような気がする
ので、白に変えたということ。白系は刺激が少ないし、もともと好みの白なので快適に作業が出来ていい。
ほかの車両も基本的に白(まれにシルバー)で作っているので比較してみるのにも都合がいい。







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本日の投稿も最後のウクライナカラーの画像はウクライナ応援用です。
どうかウクライナがロシアに勝利してに平和が訪れますように。
あまり長引かずに戦争が終結しますように。

ウクライナを全力で応援!
私達はみんなあなた方の味方です。
We support Ukraine with all our might!
We are all on your side.
Ми підтримуємо Україну всіма силами!
Ми всі на вашому боці.







白い車、一度は実車を作ってみたいな…。




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作業中のカラーリングを白へ 閃輝暗点 前編 [視野障害、閃輝暗点]

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クライアントのお好みという事もあり、完成状態がイメージできるようにボディカラーを赤に設定して
作業してきたが、この深くて彩度の高い赤は私の目にはやや負荷が強すぎる気がしていた。
表示設定をワイヤーフレームや透視状態からレンダリング状態(ボディカラーや質感設定が反映される)
に切り替えた時、目の奥に圧迫感のようなものを感じる。しばらくすると慣れてはくるのだが、これは
あまり良くないかもしれないなと思っていた。

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20年以上前、30代のなかば頃のことだが、ある快晴の日に通勤のために車を運転中、視線の先にある
横断歩道の白線がやたらまぶしく見えてきて、そうこうするうちにウインドー越しに見る外の景色全体が
まぶしくなってきて、目を開けていられない程になった。さいわいその地点から当時在籍していた会社
まで近かったのでだましだまし(信号とか薄目で確認しながら)会社にたどり着き、事務の方に事情を
説明して近くの眼科に行かせてもらった。
眼科医の見立ては眼精疲労ではないかと思われる、とのことで薬剤を点眼してもらい、しばらく安静に
して(30分位だったと思う)回復できたので、その後帰社してそのまま仕事した、という事があった。
私の目の黒目はわりと色が薄い茶系なのだが(それほど極端な薄い色ではなくわりとよくいるレベル)、
そういう人はこうなりやすい傾向があるらしい。青い目の白人が夏場の外出にサングラス必須なのと
基本的に同じ理由ということである。
その先天的な基本傾向に加え、当時某N社や某M社などからの無茶な要求に振り回されて、頻繁に徹夜も
あり、自分と共に疲労困憊のスタッフとクライアントの板挟みでストレスも半端なかったので、そういう
ストレスも理由として十分考えられる、とは眼科医のお話。ストレスで何でも片付けられてもな…などと
失礼ながら思ったが、なるほどぉ…みたいな顔で聞いたと思う。

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私には疲れが限度を超えるとと出てくる症状が、こういった視界に関するものともうひとつ別のものが
あるのだが(そちらについてはまたいつか機会があったら)、この時のような目自体が直接の原因と
思われるものはこの時だけで、その後は出ていない。

出ていないのだが…、後から思うに、この時ダメージを受けていたのは目だけでなく、視覚情報を映像化
する脳のほうにも少なからぬ影響があったのではないかと思われることをこの何年か後に経験する。

その時から数年がたち、40代になって突然出てきたのが閃輝暗点(せんきあんてん)という厄介なもので、
最初は何が起きたのかわからず結構動揺した。閃輝暗点などという呼称自体知らず、それを知るのはまた
数年後のことになる。
これは脳のほうの問題で、映像処理がうまくいかなくなるようなものらしい。閃輝暗点に関しては興味の
ある方は検索してみていただきたいが、簡単に言うと、視野の外側付近が暗くなってギザギザに切り取り
されたようになり、そのギザギザの外側がうまく認識できなくなる症状。
私の場合はさらにそれに加えて視野の中心部が盲点のようになり、見たい部分の映像がピンポイントで
欠落してしまう。画像を見ている時は感じ取りにくいが、文章を読もうとすると視界の中心にとらえる
はずの文字が見えず、それにもかかわらず脳がそれを補正して何事もなく周囲の映像となじませて認識
させようとしてしまうので、あれ?なんか意味が通じない文章だな、何だこれ?みたいなことになって
しまって始末が悪いw 少し視線をずらすと視界の中心からちょっとずれたところにその見えなかった
文字が見えるので、そこを見ないように注意しながらw 見るとそれと気づく。脳が良かれと思ってやって
くれる高性能画像処理なんだろうが、こんな時には余計なことというか、いいか悪いかわからない処理を
勝手にしてくれるものだなと思う。
この症状が出ている時は文章は読みづらいことこの上ない。読めない、正直かったるくて。
だがそれはまだマシなほうで…、そうなる(勝手な補正画像処理が脳内で行われる)という事は、
画像を見ている場合、視野の中心の肝心なものが見えていないことになる(!)可能性が極めて高い。
これは私のような仕事をしているものにとって実に厄介な症状だ。

厄介な症状だが、これは一定時間経過すると元に戻る。それが救いといえば救い。
そのメカニズムは何となく想像するに、気づかないうちに過負荷が続くと処理が追いつかなくなって
エラー表示というか、整わない変な画像を作ってしまう。
そして一定時間経過して潤滑とか冷却が十分なされたら復活。
これが結果として過大入力に対するブレーカーとかヒューズみたいな効果をもたらしていて、これに
より脳の映像処理担当部位が致命的な損傷を受けずに済んでいるのかもしれない…、そんなふうに思います。


書いてたら長くなってしまったので、厄介な症状を抱えつつ、後編に続きます。






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本日の投稿も最後のウクライナカラーの画像はウクライナ応援用です。
どうかウクライナがロシアに勝利してに平和が訪れますように。
あまり長引かずに戦争が終結しますように。

ウクライナを全力で応援!
私達はみんなあなた方の味方です。
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閃輝暗点、そんな病気知らなかったな…。




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