本当のCAD:Computer Aided Design [車、カーデザイン、ミニカー]
何だか大層なタイトルですが、書いてる中身はそれほど大したことないので心配しないでくださいw
私がCADというものを触りだしたのは多分1990年代のなかば頃で、ソフトはAutocad LTという
2次元のもので、それまでドラフターで手描きしていたものをPC上に移行した感じのものでした。
そして1997頃にから3DCADを並行して操作するようになり、徐々に3DCADだけになっていきました。
CAD:Computer Aided Design、直訳するとコンピューター支援設計ということになりますが、
コンピューターが自動的に設計してくれるということではないわけですね。あくまで支援であって、
主体的にやるのは人間、コンピューターはそのお手伝いをしてくれるということです。
だから操作する人間が間違っていると普通に間違いが起こりますし、いかに優れたCADでも、それを使う
人に明確なビジョンがないと(必ずしも明確でなくてもいいですが)、とにかく“こうするんだ”という
ビジョン(と適切な操作)がないと線1本引けないということです。
さぁ、これから車のデザインをしようと思うのですが、外形寸法を決めて、ホイールベース、前後トレッド、
乗車定員、エンジン形式とサイズ、駆動方式、その他想定される全ての条件を入力して、Enter押したら
あとはコンピューターが、ターゲット別、コスト別に何パターンかステキなデザインを出力してくれる…、
そんな夢のようなことにはまだまだなっていないのが現状です。
現状はそうなのですが、最近のAI活用の成果を見ていると、上に書いたような“夢のシステム”が現実と
なる日が近づいてきたかも…と思わされるものもあります。3Dプリンターが脚光を浴びるようになって
しばらくして、それで出力することを前提としたサスペンションアーム(もちろん金属製)などが参考
試作品として作られて、そういったものなどを見ると、応力を効率的に分散させるためなのか、これまで
見たことも無いような、他のどんな製法でも不可能な複雑で繊細な造形に非常に惹かれました。何か、
生き物の骨格と神経系を組み合わせたものを見るような感じで。
ただ、3Dプリンターは成形に時間がかかり、価格も非常に高価になりますので、とても量産には向かない
ので、まだまだ用途は限定的です。
そんな感じで、ものによっては非常に魅力的に見えた新しい製法なのですが、これがスタイリングデザイン
となると…、考慮しなければいけないことが山ほどありますし、しかもいちいち定量的ではないときて
いますから始末が悪いw そのアルゴリズムをどうやって取りまとめるのか、ちょっと想像するだけでも
気が遠くなる…そういう作業ではないかと思うわけです。
美しいとか、カッコいいとか、その定義をどうするか?色々なテイスト、方向に向けてそれぞれの
ベストをさぐるにも、そのテイストといったって…、シンプル、ゴージャス、スポーティー、レーシー、
エレガント、クラシック、モダン、アバンギャルド、ファッショナブル、イタリアン、ブリティッシュ、
ジャーマン、アメリカン、和風(?)などなど…、きりがないほど考えられるし、2つ以上のミックス
とかも普通に色々考えられます。
そしてそれぞれのテイストを未来的に表現しようと思っても、未来感というものも2~5年程度の近未来
から、10年以上先のことまでと色々考えられます。そう思うと、やっぱりまだまだ先のことかな…
と思ったりもします。
そして、仮にこの夢のようなスタイリングデザイン開発システムが出来た場合、今私がやっているような
仕事は無くなってしまうかもしれない…、その可能性はあるにはあります。
あるのですが、それこそまだまだ先の話で、最終的な評価は人間がしなければいけないと思いますので、
全くやることが無くなるなんてことは無いんだろうな、とも思います。
デザインの仕事では、形を考えること自体が非常に楽しくて興奮する、と自分では思っているのですが、
もしもそれが無くなってしまったら相当つまらないな…と思いつつ、でも、実際のところその作業は
かなりめんどうくさくて…w、そう言ってしまってはいけないと思うんですが、その面倒な作業をある種の
小人さんのようにコンピューターが引き受けてくれるなら、そうはそれでいいかもなぁ…、いやきっといい。
そう思います。
必要な技術情報を入力して...、ターゲットは40~50代の年齢層、デザインテイストはイタリアン・モダン・
スポーティー、市場は北米、5~7年先くらいの未来感で、コスト別に5種類くらい出力させてみる。
明日の朝までだぞ、ってw
で、その中から良さそうなものを選んで、フロントはA案70%+B案30%、リヤはB案60%+C案40%で
もう一度出力させる。それを何回か繰り返して熟成…なんて出来たらいいんだろうなと思うんです。
これって、デザインチームの取りまとめ役が、何人ものデザイナーやモデラーを使ってやっていることを
集約していることに他ならないんですけど。
まだ実現には時間がかかりそうなこの夢のシステムですが、こういうことが出来るようになってこそ、
本当のCADというか、最初にCADというものに対していだいたイメージではないかなと自分では思って
います。そうなった時にはCADという言いかたではなくて、何か別の呼び方になりそうですが。
夢のシステム、使ってみたいけど自分が現役の間は無理かな…。
デザインとは [車、カーデザイン、ミニカー]
デザインとは、何でしょう?
そんなふうに聞かれることがたまにあります。
あぁ、めんどくさいこと聞かれたら嫌だな…などと思いつつ、
「デザインとは、明確な意図をもって形を決めること。私はそう思っています。」
というようにこたえています。
少し補足させていただくと、“形”のところには色、レイアウト、仕組みなどが入ってもいいです。他にも
いろいろ考えられます。とにかく意図をもって何かを決めること、そういうことではないかなと思います。
こういう機能を持たせたいからこういう形にする。剛性や耐久性も考えて、その上でなるべく美しく、
カッコ良く見えるように…、そんなふうに色々な要件を満たすように考えること、ではないかなと。
もちろん人によって色々な考え方があると思いますので、いろんな「デザインとは」があっていいと
思いますし、同様に、いろんな美しさ、カッコ良さがあると思います。
いろんな考えがあっていいと思うのですが、そこに意図があるかどうか、それほど明確なものでなくても
いいのですが、何らかの意図はあってほしいです。
それが全く無くて、ただ何となく、他もみんなこんなふうにやってるから…なんていう感じで作られた
ものは、それはちょっとどうかなと思います。案外そういうもの、多いんじゃないかなと思っていますが。
もうひとつ重要なのは、(主に工業デザインにおいてですが)設計する時に、美しくしよう、
カッコ良くしようと思いながらやらないと、なかなかそうはならないということです。
機能を追求していたらこんなカッコいいものが出来ました、これこそ機能美です!
なんてことはまずないと思うんです。
先ほど書いた「いろんな美しさ、カッコ良さがある」とちょっと矛盾したことを言っているように
思われるかもしれませんが、自分の感覚としてはそうです。
カッコ良くしようという強い意思が無ければカッコ良くなどなりません。
カッコ良くしようと思ってやっていても、中々そうならないくらいなんだから…。
HONDA S2000 メーターパネル [車、カーデザイン、ミニカー]
イケヤフォーミュラさんのツイートでこのメーターの動画がアップされていたのを見て、
やっぱりこのメーター好きだなと思いました。
https://twitter.com/ikeyaformula/status/1453252951036813314
再生できない場合、ダウンロードは🎥こちら
このメーターグラフィックは当時のマクラーレン・ホンダ MP4/4、MP4/5 あたりのメーターパネルを
モチーフにしたものなのですが、その頃のメーターを実際に作っていた日本精機㈱という主に自動車の
メーターなどを作っている新潟の会社に同級生がいて(同窓生の方も何人かいる地元では有名企業です)、
彼が製作に関わっていたかどうかは知りませんが、セナとプロストでステアリングの違いか何かの理由で
メーターも微妙に違ってて、いちいち大変でさ…みたいなことを(ちょっと自慢気に)言ってましたw
それはともかく、このS2000の初期型メーターは狙ったイメージ通り、メカニカルでグラフィカル、
スポーティーで視認性が良くて、素晴らしいデザインだと思います。個人的にもとても好きなメーター
のひとつです。後期型はなぜかこのステキなグラフィックをやめてしまい、ちょっと変わってしまって
残念でした。あくまで個人的見解ですけど…。
ただ、車のメーターはデジタルよりもアナログが好きという方は結構多く、実際に量産車のメーターも
その要望にこたえるように、液晶パネル等のいわゆる針の無いメーターになっても、あえてアナログ風
のグラフィックにしているものも多いです。メーターらしくて認識しやすいということでしょうか。
ですが、視認性という観点ではよく出来たデジタルとバーグラフ等のグラフィックの組み合わせが
個人的には一番いいと思います。スピードなどの数値も、少なくとも3桁までならアナログよりも
デジタルのほうが一瞬で明確に認識出来ていいです。
車以外の、例えば航空機などは旅客機も軍用機も、情緒的なものが入る余地はほぼ無いので、その辺は
ドライに機能優先でデジタル系が圧倒的です。モノによっては電気系がダウンした時のためにバック
アップとして機械式のものがあったほうがいいということはあるかもしれませんが、そういうものは
ごくわずかでしょう。
そういうものだとわかっているし、未来的なメーターパネルのデザインには強く惹かれるのですが、
それでも、アナログメーターがずらりと並んだ計器盤はあこがれの対象としてずっと心に残っています。
今後EVが主流になったとしても、そういう心に残るメーターデザインが出来たらいいなと思います。
今のEVのメーターって、ちょっとさみしい気がして…。
やっぱりこのメーター好きだなと思いました。
https://twitter.com/ikeyaformula/status/1453252951036813314
再生できない場合、ダウンロードは🎥こちら
このメーターグラフィックは当時のマクラーレン・ホンダ MP4/4、MP4/5 あたりのメーターパネルを
モチーフにしたものなのですが、その頃のメーターを実際に作っていた日本精機㈱という主に自動車の
メーターなどを作っている新潟の会社に同級生がいて(同窓生の方も何人かいる地元では有名企業です)、
彼が製作に関わっていたかどうかは知りませんが、セナとプロストでステアリングの違いか何かの理由で
メーターも微妙に違ってて、いちいち大変でさ…みたいなことを(ちょっと自慢気に)言ってましたw
それはともかく、このS2000の初期型メーターは狙ったイメージ通り、メカニカルでグラフィカル、
スポーティーで視認性が良くて、素晴らしいデザインだと思います。個人的にもとても好きなメーター
のひとつです。後期型はなぜかこのステキなグラフィックをやめてしまい、ちょっと変わってしまって
残念でした。あくまで個人的見解ですけど…。
ただ、車のメーターはデジタルよりもアナログが好きという方は結構多く、実際に量産車のメーターも
その要望にこたえるように、液晶パネル等のいわゆる針の無いメーターになっても、あえてアナログ風
のグラフィックにしているものも多いです。メーターらしくて認識しやすいということでしょうか。
ですが、視認性という観点ではよく出来たデジタルとバーグラフ等のグラフィックの組み合わせが
個人的には一番いいと思います。スピードなどの数値も、少なくとも3桁までならアナログよりも
デジタルのほうが一瞬で明確に認識出来ていいです。
車以外の、例えば航空機などは旅客機も軍用機も、情緒的なものが入る余地はほぼ無いので、その辺は
ドライに機能優先でデジタル系が圧倒的です。モノによっては電気系がダウンした時のためにバック
アップとして機械式のものがあったほうがいいということはあるかもしれませんが、そういうものは
ごくわずかでしょう。
そういうものだとわかっているし、未来的なメーターパネルのデザインには強く惹かれるのですが、
それでも、アナログメーターがずらりと並んだ計器盤はあこがれの対象としてずっと心に残っています。
今後EVが主流になったとしても、そういう心に残るメーターデザインが出来たらいいなと思います。
今のEVのメーターって、ちょっとさみしい気がして…。
Lamborghini Countach LP500 & LP400 [車、カーデザイン、ミニカー]
昨日のランボルギーニが・カウンタックの新型に続いてですが、以前からこの車について思うことが
あって、それを書いてみます。
まずはLP400。市販されたカウンタックの中では最も好きです。
その透視図。こういう絵、魅力的で惹かれます。欲を言えばもう少しパースを効かせたのが好みですけど。
そして、パッケージレイアウト、サイドビュー。
エンジンのでかさとか、シート座面のこれ以上ない低さとか、色々凄いです。
そしてそして、これが今回言いたいことを最もよく表している画像。カウンタック独特のパワーユニット、
パワートレインの行ったり来たりがよくわかります。背景にハッチング風の処理がしてあって親切です。
普通、まともな縦置きミッドシップの場合、トランスミッションはエンジンの後ろで、エンジンの
クランクセンターはデフセンターよりも低くなるようにレイアウトします。少しでもエンジンを低く
積みたいからです。その高さは何で決まるかというと、突き詰めると最低地上高とクラッチ半径です。
レーシングカー、例えばF1のクラッチなどは驚くほど小さな径(一般的な市販車の半分以下)なの
ですが、それは全てこのためです。車の運動特性は重心が低いことが何より重要で、もうミリ単位で
下げたいものです。コンセプトや考え方によってプライオリティは変わりますが、重心が低くて不利に
なることはまず無いです。いいことばっかりです。
それがこの車、カウンタックの場合、クランクセンターから前に伸びたメインシャフトの先にトランス
ミッションがあって、そこからリヤタイヤに駆動力を伝えるために、下側に後ろ向きに短いプロペラ
シャフトとでもいうものがあって、それがクランクシャフトやその周りのカウンターウェイト、
クラッチ、フライホイール(リングギヤ)等を避けるために斜め下を通っています。(サイドビュー
ではよくわかりませんが、真下ではさすがにあんまりでしょうから、ちょっと横にずらしてギリギリ
のところを通していると思われます)
このレイアウトのため、せっかくの専用縦置きエンジンでありながら、クランクセンターは理想的な
高さよりも数センチから10センチ近く上にあります。この大きくて重い重い12気筒エンジンがトランス
ミッションと共に決して低くない位置にあるということです。残念なことに。
更に言うと、ホイールベースを短くしたいがために、デフセンターがタイヤ/ホイールセンターよりも
少し後ろにあって、ドライブシャフト(ハーフシャフト)が前後方向にイニシャルで不必要な角度が
ついた状態になっています。サスペンションの上下動を許容するためにドライブシャフトには使用可能
な許容角度が設定されていますが、最初からここにすこしばかり無理がかかることになります。
エンジン縦置きでホイールベースを極力詰めたいという強い思いがあって、こういう“攻めた”設計に
なったのでしょうが、あらためて見てみると、ここまでして得るものはそんなに重要なことだった
のだろうか…と思うわけです。短いホイールベースは機敏な動きをするためには有利ですが、それは
速度でいうとせいぜい100km/h前後までの領域のことで、これらの車がその本領を発揮する150km/h
とか200km/h以上の領域ではむしろ神経質になって、スタビリティ確保も難しくなるのではないか…、
そこに前述のエンジン搭載位置の高さを合わせて考えると、運動性能、物理特性としては決して理想的
なものではなさそうだということがわかってきます。
これが “この車の最高にいいところはこの見事なパッケージレイアウトです!” という言葉に全面的には
賛成できないところです。
ランボルギーニは創業社長の意向もあって会社としてはレースには参戦していないですし、設計者も
わかった上でのことだったのだろうと思いますが、このレイアウトは、他と違ったことをやってみたい、
それによってこの車独特な魅力としたい、ということが優先されたのだろうと思います。
確かにこの車の実車を見ると驚くほどコンパクト(特に全長と高さ)で、まとまりよく、しかも壮観。
それはもう見事なものだと思います。自分達で決めたプライオリティに沿って、ユニークで未来的で
素晴らしく魅力的なオリジナル商品を作り上げたということに違いなく、それは賞賛されるべきことと
思います。
以下は、初期のプロトタイプLP500。古い写真なのでみんな画質はそれなりでちょっと残念ですが、
この形は今見ても魅力的です。この手の車の代名詞として今もファンが多いのも納得できます。
この車、カウンタックのすごいところは何といっても、この形で本当に販売したということ、
それが最も大きなことだと思います。
何度も言うけど、カウンタックは初期プロトのLP500が一番いい…。
Lamborghini Countach LPI800-4 [車、カーデザイン、ミニカー]
ランボルギーニが新しいカウンタックを発表しました。
以前、ミウラの現代版も発表されたことがありましたが、あれは単なるデザインスタディだったようで、
あれと違い今度はちゃんと販売されます。限定台数112台という、ちょっと中途半端に思える台数ですが。
Response
ランボルギーニ『カウンタック』が復活、814馬力ハイブリッド搭載…世界限定112台を生産へ
https://response.jp/article/2021/08/14/348580.html
Car Watch
ランボルギーニ、新型「カウンタック LPI 800-4」世界初公開 限定112台の誕生50周年記念モデル
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1343680.html
↑写真がすごくいっぱいあっていいです。
率直な感想は、悪くない。でも、もっといいものに出来たのではないかな…、そんな気がします。
現行の同社のラインナップと比較すると、オリジナルに敬意を表してというか、イメージを壊さない
ように、あまりうるさい要素を入れないよう、気をつかいながら今風にまとめた、というところかな
と思います。
カウンタック5000QVと。
この画像はCGではないかなと思われますのですが、以降、オリジナルと並べてあるのは全部そうでは
ないかなと思われます。(単体の画像もそうかもしれませんが)
こちらはオリジナルのの初期プロトタイプLP500と。
LP500はシンプルな要素をデリケートに組み合わせ、整理された構成となっていて、今見ても
相変わらず好感が持て、魅力的です。
上の2枚の画像を見ると、奥に小さく見えるオリジナルLP500のサイドビューがやっぱり魅力的に
見えて…、並べないほうが良かったんじゃないか、などと思ったりもします。
新しいほうのサイドのエアインテークは、ここにオーソドックスなNACAダクトを置いても
そこだけ古臭く見えてしまうと思ったのか、こういうことになっているのですが…、これが魅力的か
どうかは何とも言えません。現行のランボルギーニ各車を見ても時々思うことですが、ディティールが
うるさくてやや子供っぽく思えて、この車のここはやはり同じように感じられて、個人的にはあまり
いいとは思えないです。
ヘッドライトはオリジナルと違って固定式。ここはリトラクタブルにしてほしかった…、
という方が多いかもしれません。個人的には固定でも魅力的ならいいと思うのですが、
これはちょっとあっさりし過ぎかな…とは思います。
テールライトも悪くは無いですが、もう少しやりようがあったのではないかな…という気がします。
インテリア。現代のランボルギーニらしくまとめてあり、十分魅力的です。
ただ、こういうものを見ると、オリジナルの、それも初期の頃のずらりとアナログメーターが並んだ
あの雰囲気が(視認性はともかく)懐かしく、ちょっと愛しいようにさえ思えてきます。
オリジナルの初期プロトタイプ、LP500がやっぱり素晴らしく魅力的…。
Ferrari 296GTB 発表 [車、カーデザイン、ミニカー]
フェラーリが新型ハイブリッドスーパースポーツを発表しました。
Ferrari 296GTB
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/296-gtb
その名は296 GTB。あらたなV6フェラーリがベールを脱ぐ Octane Japan 編集部 2021.06.24
https://octane.jp/articles/detail/7460
【V6の時代に】フェラーリ新型モデル「296 GTB」 新たなプラグイン・ハイブリッド・クーペ | AUTOCAR https://www.autocar.jp/post/695690
フェラーリの新型ハイブリッドスーパースポーツ「296GTB」がデビュー WebCG 2021.06.24
https://www.webcg.net/articles/-/44720
パット見、素直にかっこよく思えていいです。フェラーリにはこうあってほしいです。
スペックは下記のとおりです。
全長:4565mm
全幅:1958mm
全高:1187mm
ホイールベース:2600mm
乾燥重量:1470kg
エンジン種別:2992ccV6(120°)
最高出力(エンジン):663ps
最高出力(モーター):167ps
最高出力(システム統合):830ps/8000rpm
最大トルク 75.5kg-m/6250rpm
最高許容回転数:8500rpm
バッテリー容量:7.45kWh
パワーウェイトレシオ:1.77kg/ps
重量配分:前40.5%、後59.5%
燃料タンク容量:65L
トランスミッション:8速DCT
最高速度:330km/h以上
0-100km/h加速:2.9秒
0-200km/h加速:7.3秒
200-0km/h減速:107m
イタリア市場向けの価格:
296 GTB:26万9000ユーロ
296 GTBアセットフィオラーノ・パッケージ:30万2000ユーロ
上記の価格を単純に今のユーロ/円換算すると約3,550万円。F8トリブートよりも高価です。
パフォーマンスからもSF90ストラダーレとF8トリブートの間になります。
V6エンジンだからディーノの現代版、価格もフェラーリにしてはお安く…というのではないのですね。
このサイドビュー、特徴的なのはリヤフェンダーまわりの造形。大きなエアインテークとこんもりと
盛り上がったリヤフェンダー。正直こんなに盛り上げなくても…と思いますが、これによって何となく
下の画像、250LMを思い浮かべます。ディーノの雰囲気も感じますが、そのディーノ自体がデザイン
ソースを250LMに持っているところがあると思いますので、そういうことなのでしょうね。
あっさり目で個人的には好感の持てるフロントビュー。SF90ストラダーレと似たイメージです、
フロント同様、リヤもSF90ストラダーレと似たイメージですが、より整理されてモダンな感じに
思えます。どちらも個人的にはとてもいいと思います。特にリヤは良いです。
ただ、クォータビューで見るとやっぱりリヤフェンダーの盛り上がりが気になります。こういうのが
好きな方もいらっしゃるでしょうし、デザイナーとして特徴を持たせたいところなのかもしれませんが、
なんと言うかこう…、不必要な力こぶみたいで、洗練された造形には思えません。ボリューム感は
あってもいいのでが(それによって豊かさや迫力が出ますので)、もっとすっきりしたのがいいです。
個人的には。
エンジンフードももう一つ決めきれなかったような…、これはSF90ストラダーレでも感じたのですが、
全体的には良いのに、このあたりがうるさい感じがしてあまりカッコよく見えない…。もう少し整理
するとか、別のまとめ方があったんじゃないかと思えて、ちょっと残念です。
こういうカラーリングも用意されるようですが、これはあんまり魅力的には思えないです、これもまた
個人的には、ですが。
インテリアは最近のフェラーリのテイストで統一されています。個人的な好みと違うところもありますが
良いです。
120度V6で等間隔爆発。Vバンク内に排気、ターボシステムをレイアウト。ハイブリッドということ
でもあり、現代のF1のパワーユニットに通じるイメージも戦略的にありそうです。
それにしても、リッター200馬力を超えるとはすごいことになったものだと思います。
このところフェラーリが発表する新型がどれも好ましいスタイリングで、とても嬉しく感じます。
ひところのモデル(360、430など)はどうにも好きになれなくて…さみしかったですから。
買える買えないは別にして、フェラーリにはカッコ良くあってほしい…。
Ecurie Ecosse LM69(Inspired by Jaguar XJ13) [車、カーデザイン、ミニカー]
昨年の7月頃に見かけた写真で、何だろう、この古めかしいけど魅力的なのは…、
そう思ったのがこれです。情報が少ないのであまり詳しいことはわかりません。
Ecurie Ecosse LM69 Is A New Old Supercar Inspired By Jaguar XJ13 2019.7.23
https://www.motor1.com/news/361237/ecurie-ecosse-lm69-revealed/
伝説のジャガーXJ13復活 エキュリーのV12ミドシップ「LM69」、公道走行可能な新車 2019.07.23
https://www.autocar.jp/news/2019/07/23/391942/
この伸びやかできれいなプロポーション。
ロングテールっていいものだな…とあらためて思わせてくれます。
リヤウインドーから見えるエンジンがまたいいです。ずらりと並んだエアファンネル。
やっぱりエンジンはV型多気筒に限る。その中でも12気筒は王様というか女王様というか、とにかく最上級。
この眺めを作るためにこの車はある…そんなふうにさえ思えてきます。
フロントは…、悪くは無いですが、エンジンの見えるリヤビューに比べるとちょっと…
普通というか、ややありがたみに欠けて見えてしまいます。
個人的な好みからすると、少しだけ古過ぎていわゆるど真ん中ではないのですが、それでも
この美しいサイドビューからリヤクォータービューは魅力的で惹かれます。これを作りたいと
思った方々の気持ちは十分理解できます。
この車の写真をPCで見ていたら、後ろを通りかかった妻が「きれいね。」とひと言。
特に車に詳しいわけではない妻がこういうことを言ったのは過去に2回ほど。
1回目は路上で白いC5コルベットを見たとき、次は私のPCでライムグリーンのランボルギーニ・
ミウラの写真を見て。C5コルベットを見たときに、美しい女性の体を見たときと同じような感覚…
と言っていて、今回もそんなふうに感じたのかもしれません。確かにこれらの車にはそういう
共通点というか、世の中の美しい形のもの全般に通じる要素があるように思えます。
その要素、魅力は時の流れにあまり左右されることなく、いつの時代も見るものをひきつける。
自分でもそんなものが作れたらなと思います。
魅力的なプロポーション、これは何よりも大切…。
Alfa Romeo 8C 2022 CG [車、カーデザイン、ミニカー]
もう結構前のことになってしまうのですが、2018年の6月か7月頃に目にした記事で、
これはいいなと思ったものです。
アルファロメオ 8C の次期型で2022年に発表されることを予測、期待したもののようです。
2022 Alfa Romeo 8C | Top Speed July 6, 2018
https://www.topspeed.com/cars/alfa-romeo/2022-alfa-romeo-8c-ar181383.html
2022 Alfa Romeo 8C Pictures, Photos, Wallpapers. - image 785933
https://www.topspeed.com/cars/alfa-romeo/2022-alfa-romeo-8c-ar181383/pictures.html#785933
2010年のジュネーブショーで発表されたピニンファリーナデザインのコンセプトカー、
2uettottanta(正確な読み方はわからないのですが、デュエットッタンタでしょうか)の顔つきを
何かの写真に合成して作った2DCGだと思いますが、現行や近年のどのアルファロメオよりも好みです。
作ったCGはこれだけみたいで、同じものを左右反転したり、部分的にクローズアップしたりした
画像しか見当たりませんでした。
ここからはコンセプトカー、2uettottanta です。
顔つきがすごく好みで、アルファロメの特徴的な三角形のグリルをこれだけの大きさで大胆に
レイアウトして破綻なくまとめられていて、これは本当に力のあるデザイナーの仕事だなと
思いました。
非常にシンプルな面構成。コンパクトでありながら優雅ささえ感じられ、見事にピニンファリーナ
らしさが出ています。
上品でバランス良く洗練された美しいプロポーション。やはりピニンファリーナらしい。
オープンカーはあまり好みではない私も、素直にこれはいい、かっこいいなと思いました。
新しさに欠けるとか、むしろやや古いという意見も聞かれましたが、個人的には新しいことよりも
美しいことのほうがよっぽど重要と思っていますので、これで何も問題ありません。
適度にモダンで、ディティールがうるさくないところがとてもいいです。
たとえエンブレムが無くても全体的な雰囲気で、なんかこれピニンファリーナっぽいな、
きっとピニンファリーナデザインなんだろうな…そう感じさせるところがすばらしいです。
ブランドアイデンティティというのはそうありたいです。
グリルの形とか、ライトの形とか、Cピラーの形とか…そういうもので共通イメージを演出する
のはあまりレベルの高いことではない、ちょっと乱暴なやり方…、あらためてそう思わされます。
こんなことを言うと、アルファロメオが重要視する三角形グリルと矛盾するように感じられるかも
しれませんが、このプロジェクトはピニンファリーナがアルファロメオの望みに応えつつ、同社と
してのクォリティを保ったレベルの高い仕事をしてみせた、ということかと思います。
マツダの現行ロードスターがデビューする前、アルファロメオの新型スパイダーと兄弟車になる、
そしてその新型スパイダーのデザインはこの2uettottantaを量産型にしたものになるらしい(!)
といわれ、ものすごく期待していたのですが、その新型スパイダーはアルファブランドではなく
フィアットブランドになり、デザインもああなってしまって…それはもうがっかりしました。
一体何が良くてこんなことに…、イタリアンブランドがスタイリングで日本車に負けててどうする、
そんな気持ちになりました。(お好きな方には大変申し訳ございません…)
ここで取り上げたこの予想CGもまた期待させるだけで終わるんじゃないかとも思いますが、
ほんの少しだけ期待して待ちたいと思います。
ピニンファリーナの冴えたデザインって、やっぱりいいな…。
SSC Tuatara first production [車、カーデザイン、ミニカー]
以前にもこのブログで取り上げたことのある SSC Tuatara ですが、そのファーストプロダクションが
発表されたということです。
First production SSC Tuatara revealed
https://www.motorauthority.com/news/1126819_first-production-ssc-tuatara-revealed-company-to-build-99-more
以前書いた記事↓
SSC(Shelby Super Cars) Tuatara 2018年8月7日
https://ash-institute.blog.ss-blog.jp/2018-08-07
社名にシェルビーとつくと、今上映中の映画、フォード対フェラーリでほぼ主役として登場する
キャロル・シェルビー氏の会社、シェルビーアメリカン社のことかと思われるかもしれませんが
Wikipediaによると、
“シェルビー・スーパーカーズ(Shelby Super Cars North America Inc. )はアメリカ合衆国・
ワシントン州に本社を置くスーパーカー製造メーカーである。キャロル・シェルビーが起こした
シェルビーアメリカン社とは無関係であり、混同を避けるために2012年1月からは
"SSC north america"が正式社名になっている。 ”
とのことです。
最初に発表された白いボディのコンセプトモデルがとても印象的だったのですが、今回は黒ベースの
カラーリングとなっています。黒いボディは形がわかりにくく思えて個人的にはあまり好きではない
のですが、この車に関しては悪くない、黒もありだな…と思いました。
白いボディではキャノピー状の黒っぽく見えるキャビンとのコントラストが強く出て、それが印象的で
とても良かったのですが、今回の発表の前に公開された開発中のプロダクションモデルと思しき車両が
ライトグレーっぽい色(塗装前のサフェーサーのような色)で、全体的に白よりずっと地味でしたし、
造形としてやや気になる部分が目立ってしまっていました。白の時よりもキャビンとのコントラストも
弱くなって見えるのも残念な理由だったと思います。
それが今回の黒系ではライトグレーの時に気になったところが目立たなくなって、ほとんど気にならない
レベルに見えていいなと思えました。
カーボンモノコック。
アメリカ車らしいエンジン。6942cc V8 ツインターボ。
この車、最初に発表されたのが2011年。ここまでこぎつけるのに9年の歳月を要したわけです。
随分かかったものだな…とは思いますが、資金難での開発停滞など色々あっても、それらを乗り越えて
ここまで来たのですから純粋に大したものだと思います。顔つきが好みでとても気に入っていたモデル
ですので、この段階まで来たことが嬉しいです。
そして、これと比較するとASPARK OWLのプロトタイプ発表(2017年9月)からプロダクション
モデルの発表(2019年11月)までの期間の短さは驚異的で、アスパーク社の資金力と、市販板の開発を
請け負ったイタリアのMAT(Manifattura Automobili Torino)社の開発スピードの速さは本当に恐るべき
ものだとあらためて思いました。総合的力がよほど高くないとこんなことは出来ないです。
ASPARK OWL 市販バージョン発表 Vlo.1
https://ash-institute.blog.ss-blog.jp/2019-11-18
ASPARK OWL 市販バージョン発表 Vol.2
https://ash-institute.blog.ss-blog.jp/2019-11-19
どちらも、このままうまくいってほしいプロジェクトです。
どちらのプロジェクトもうまくいきますように…。
Ferrari F8 Tributo [車、カーデザイン、ミニカー]
今年2019年3月ジュネーブモーターショーで発表されたFerrari F8 Tributo。見た目からわかるとおり、
Ferrari 488 GTBの後継であり、この発表時点でV8フェラーリの最新作にして最もパワフルなモデルと
なります。488 GTBの後継といいますが、フェラーリがこれまでもやってきた、308から328、348から
355、360から430のようなビッグマイナーチェンジともいえるようなものかと思います。
ただ、今回は458から488、それに続く2回目ということになりますので、それ以前のV8シリーズでは
これまでに無かったことかもしれません。(12気等シリーズではテスタロッサ、512TR、F512Mという
モデルチェンジががありました)
Ferrari F8 Tributo - エクセレンスを称える(フェラーリジャパン公式サイト)
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/f8-tributo
「488 GTB」の後継モデル「Ferrari F8 Tributo」がデビュー【ジュネーブモーターショー2018】2019/03/01 13:03
https://clicccar.com/2019/03/01/711223/
【新車Ferrari F8 Tributo】フェラーリ史上最強のV8モデルと呼び声の高い「F8トリブート」が日本初披露!価格は約3300万円から 2019/06/25 18:16
https://clicccar.com/2019/06/25/867484/
Ferrari F8 Tributo
https://www.netcarshow.com/ferrari/2020-f8_tributo/
個人的に360も430あまり好きではなかったので、458がデビューした時ちょっと嬉しかったのを
覚えていますが、それでも458はまだ好きになれないところがあって…、縦基調のヘッドライト、
その左右端部が切れ上がったところ(切れ上がりすぎ)、内側の変な段差(エアインテーク風)、
丸型2灯式のテールライトの処理などがそうなのですが、これだけのプロポーションを持っている
のだから、こんな小細工しなければいいのに…、そう思いました。
それが488で少し変わって、でもまだ基本的には気になるところは改善されず、このF8 Tributoで
ようやく大幅に改善されたように思います。この一連で一番いいと思います。
ただこのネーミングは…日本語で書くとトリブート、とりぶーと…、ちょっと語感としてあんまり
いい気がしなくて残念です…。(全く個人的な感想…)
ヘッドライトまわりは縦基調の外形の中に横基調のライト本体をおさめた、なんというかやや
中途半端な感じもするものですが、それまでの458、488よりも好ましいです。ヘッドライト内側の
変な段差(あまり有効とは思えないエアインテーク風の処理)も無くなっていいです。段差が完全に
無くなったわけではなくてまだあるにはありますが、前のものよりもずっと好ましい処理です。
テールライトも素直な丸型4灯式になって、こちらも好ましいです。テールライトの下から外側に
向かうエアアウトレットはもう少し素直な形にしてほしいですが…。
ボディカラーは下のきれいなブルー系もとてもいいです。メタリック系なのか、シルバーと同じ
ように各部の造形の陰影がよくわかって、それが魅力的に見えます。
このアングルだとちょっとロータスの何かと似ているような感じもします。もしかしたらそういうこと
(他の何かと似て見えるということ)を嫌って丸型2灯式を採用していたのかな…、とも思います。
458、488に続くF8 Tributo、この一連で一番いいスタイリングだと思います。
308の発表以降、フェラーリ社の売上げの多くを占めてきたV8モデル、その2シーターモデルが
好ましい形になってくれて嬉しいです。
308から348になった時にガッカリして、少ししてちょっと慣れてきたと思ったら355になって、
また少し違和感を感じて、それににもまた慣れてきたと思ったら360になって…、正直愕然として
(あの時はほんとに悲しかった…)、それが430になってもほんのちょっとましになったかどうだか
よくわからなかった(あまり良くならなかったということ)のですが、458のデビューでそれまでとは
明らかに違う路線のデザインになって、おぉ、基本プロポーションが大きく変わってとてもいい、
これは次のビッグマイナーチェンジが楽しみだな、と期待しました。でも488になった時、思ったほど
変わらなかったな…、と正直思いました。 それが今回このF8 Tributoでようやく好ましい形になった
ように思います。
それでもまだ完全にすごく好み!というほどではなく、次期モデルでは更に洗練されてフェラーリ
らしくモダンで美しい、素直にカッコイイと思えるデザインになってほしいと思います。
フェラーリには王道を行く、そんなデザインでいてほしい…。