Agipステッカーを自分の車（シルビア）に貼ってて怒られた話

イタリアのエネルギー大手ENI（旧Agip）が地中海のエジプト領海で大規模ガス田を発見！
というニュースを見て、思い出したことがありましたので書いてみます。

「地中海最大」のガス田、エジプト沖で発見（ＡＦＰ＝時事） - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150831-00000000-jij_afp-bus_all

このニュース自体は、おぉそれは良かった、これでまたガソリンが安くなるかな…なんて思っただけ
なのですが、ENIといえば旧Agip、それで思い出したのは、以前乗っていたシルビア（PS13：S13の
後期型）Ksの赤いのにAgipのステッカーを貼っていたら、なぜか上司に怒られたという話。



このシルビアを購入したのは1993年。この車の生産が終了する直前に発注しました。
その頃、次期シルビア（S14）が随分残念なデザインになることが色々なところからの情報でわかり、
それまで気にはなるものの購入するまでには至らなかったS13シルビアなのですが、この残念な情報に
よって、これはいよいよ買っておいたほうがいいかも…　そう思えて、メーカーオプションとかボディ
カラーとか色々選択できるギリギリのタイミングで発注、モデル末期も末期ということで結構な値引き
もしていただいて購入したものです。
PS13シルビアが納車されてまもなくS14が出て、現物見て…、買っといて良かったとつくづく思いました。



購入してすぐに色々と自分好みにパーツを交換しました。
ホイールとタイヤにいたっては車よりも先に入手し、アパートの部屋を若干ゴム臭くしながら納車を
待ちました。



納車されてすぐ、タイヤとフロントホイールアーチの隙間が大きくて気に入らなかったので、サスペン
ションを変えて少しだけフロントの車高を下げ、フロントブレーキキャリパーもR33スカイライン用に
マスターシリンダーとともに交換、そのキャリパーがわずかにNISSANロゴ部分（出っ張っている）と
ホイール内面が干渉するので削り落とし、オリジナルロゴ（今も屋号として使っているもの）を自分で
ステンシル塗装しました。



ターボのインタークーラーのレイアウトと大きさが面白くなかったのでR32GTR用の大型の前置きタイプ
に変え、ノーマルのアクリル製のフロントグリルはどうにも好きじゃなかったので（この車のデザインで
一番気に入らないところだったかもしれません）、格子グリルを自作して交換しました。





こういうことは他の車ではあんまりやらないのですが、この車はそういう楽しみ方もいいかなと思え
ました。ただ、エアロパーツの類は（正直ちょっと迷った機能的なリヤウイングもありましたが…）
一切つけませんでした。だから自分としてはわりとおとなし目のモディファイだと思っていたのですが…。




交換したパーツのメーカーロゴとか、ステッカーをサイドシルにいくつか貼り、くだんのAgipのステッカー
はこんなふうにフロントフェンダーのホイールアーチ後ろ側に貼りました。↓



（このシルビアはかなり気に入っていて、歳をとってもずっと乗り続けられたらいいなぁと思っていたの
ですが…、13万キロ以上乗って結局2006年に売却しました。それで、この写真は売却の少し前に撮った
もので、Agipのステッカーは遠の昔にはがしていましたのでw これらは合成）



さて、怒られた話です。
ある時、仕事中にどういう話の流れだったか忘れましたが、ステッカーの話になりまして、
上司「大津君もステッカーとか貼ってるの？」
私「はい、Agipの黄色いのを。」
上司「何？！あの赤いシルビアに？」
私「え…、はい。」
上司「どこに？」
私「フロントフェンダーのホイールアーチの後ろ側んとこに…」
上司「かー…、そんな、いなかもんが車買って嬉しくてステッカー貼って喜んでるみたいなことしてんのか！」

随分昔のことなので細かいところはアレですけど、まぁこんなやり取りだったと思います。
私がいなかもんなことは間違いないし、貼って楽しんでたんで大筋で間違ってはいないわけですがww


その上司は私が転職するときに面接してくれ、私を採用することを社長に大きく進言し、入社後も非常に
良くしてくれました。特に初期の頃は（私が高専で学び、その後ほとんど使わずに忘れかけていた）機械
設計のイロハから、現実的な考え方、詰め方など、この業界で生きていくすべを教えてくれたともいえる
大恩のある方なのですが…、ちょっとイギリスかぶれというか、イギリス風のひねりの効いた皮肉みたい
なのもお好きで、車好きであることは間違いないのですが（実績的にもレーシングカーの設計や量産
バイクの設計など豊富な経験をお持ちです）、それを若干こじらせたようなところがあって、好みを
ストレートにオープンに表現することを潔しとしない、そんなことはかっこ悪いことだと思っている、
そんな方でした。
私はその上司に大変かわいがられ、公私にわたって色々期待されていたようなのですが、その公私の
“私”のほうの期待を裏切ってしまったようでした。このステッカーでww


まぁ、上司にしてみたら私がシルビアに乗ってるということからして面白くなかったんでしょう。
目をかけてやってるのにシルビアなんかに乗りやがって！
しかも赤だし、ガキみたいにパーツ交換とかやって喜びやがって！
こんな感じでしょうかw
ちなみに上司が乗っていたのはマツダ・レビューのキャンバストップ。色はピンクっぽいようなベージュ。
それにした理由は、屋根が開く4ドアはこれしかなかった、とのことでした。うーむ…。
他に好きなのは同じマツダのフェスティバとか、ダイハツ・アプローズなど。
アプローズに関してはそのセダン風のシルエットにハッチゲートというところを絶賛していました。
アプローズ…。


イギリス好きということなら素直にジャガーとか…　いうふうにはならず、そういう高級車にありがた
がって乗るよりも、合理性があって必要十分な大きさで、やや質素なくらいの雰囲気の車に、さも車
なんか興味ありませんみたいな顔して乗るのがカッコイイんじゃないか、そんなふうに言っていました。
カッコイイ…か。
また、車なんかに金かけるやつはバカだ、と常々口に出していて、でも車のデザインとか開発に関わる
仕事をしている、そういう会社の開発部部長（当事）という肩書きで…、なんかちょっと説得力に欠ける
というか、素直に賛同できないものがありました。やや屈折した…というのはちょっと言いすぎかも
しれませんが、ちょっとご面倒だなと思いました。
私にとって大恩人であることは間違いないですけど…。

別のときの雑談では、ジウジアーロにはシンパシーを感じる。カングーロなんかはいいなぁと思う、
と言ってましたので、抑制が効いてて洗練されてる感じが良かったのかもしれません。
こういう人もひきつけるジウジアーロ、さすが。
ちなみにガンディーニは嫌いみたいでしたw





まぁこのシルビアに関しては、一部の後輩達からも、もうちょっと別のタイプの車に乗ってた方が
いいですよ、（年齢的にも立場的にも、もうちょっといい車、高級なのに乗っとけよ、という意味）
とか言われていましたw
それもわからないではないですが、なんというか身分相応な感じがして、そういう面でも良かったんです
よね、このシルビア。何より素直に心地よいデザインで好きでした。




置いとく場所があるなら、ずっと持っていたい気もする1台…。

コメント 2

ASHさんこんにちは！お久しぶりです。

赤のシルビア懐かしいです！！！
ASHさんが、黒いグローブをキュッキュッと
はめてステアリングを握る姿が思いだされます(^^♪

車に携わった仕事から離れて早いもので一昔前
以上過ぎてしまいました。
あの頃もう少し勉強しておけばよかったと、
今になって悔いてます。

物を作り出すってやはり楽しいですよね。
私は作ってなかったですけど(笑)


by マミ (2015-09-16 22:29) 

マミさん　そんなふうに言っていただけると嬉しいです。＾ー＾
このシルビアの写真見ると一緒に仕事してたあの頃が思い出されて懐かしいです。
独立してもう10年以上、このシルビアを買ったときからだと20年以上たってしまったとは…、
何だかちょっと実感がわかないというか、ちょっと恐くなってしまうほどです。＾ー＾;

あの頃、忙しいときは何日もまともに寝れないような日が続いて大変なことは大変でしたけど、
いろんな仕事をさせてもらえて、本当にかけがえの無い日々だったと思います。
こんなこと書いてますけど、あそこで上司や先輩達に親切に根気強く色々教えていただいた事、
経験させてもらったことは間違いなく今の自分を支える基礎になっていますし、まさに宝物のような
日々だったと思います。
もう一回同じ事をやれっていわれたら、うぅむ…そ、それはちょっと…　と思ってしまいますが、
それでもあそこに入れてもらえて幸せでした。
by ash_institute (2015-09-17 13:54)