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フロントウインカー追加レンズ(2017年7月7日) IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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上の写真の品物は何かというと、
話は少しさかのぼるのだが(最近までまともに寝る時間も無いほど忙しくてブログの更新など
全く出来なかった)、フロントウインカーに問題があることが発覚し、6月1日に行った出張作業のときに
現物を見ながら対策を考え、帰ってきてから設計、3Dモデリング、保安基準適合シミュレーション。
その結果をイケやフォーミュラさんにシェーディング画像を添えて報告し、承認をいただいて
3Dプリンター(光造形)によって成形した、その対策品、フロントウインカー追加インナーレンズ。


下の画像2点がそのシェーディング画像で、要は保安基準の最も厳しい条件で見た場合のウインカーの
発光部の面積が足りなそうだということ。リヤウインカーの時と同じである。
全くダメな設計者で申し訳ない…。
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以下の3点の写真は6月1日の出張作業時に撮ったもの。(以前の記事でもアップしている)
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アウターレンズの内側にもう一枚レンズを追加して、ウインカーが点灯した時にそのレンズが光って
見えればそれでクリアするだろうという考えで、大きさとしてはこんなものかな…と養生シート
(淡い黄色系の紙)を切ってヘッドランプアウターレンズの内側の該当箇所にあてがったみた状態。
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以下の4点の画像がモデリングしたインナーレンズをレイアウトしたヘッドランプのシェーディング画像。
IF-02RDS_R_ver_68_07.jpg

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ハウジングの下側に、インナーレンズ固定用のボルトを通す穴をあける必要があるのだが、
その位置決めをするための治具も設計。インナーレンズと一緒に成形することにする。
こんなことは無くてすめば一番いいのだが、いたしかたなくこういうものを作ることになっても、
ハウジングを3Dデータで作ってある(粉末造形)ので、クリアランスの設定も高精度で出来るので
安心して成形できる。組み付けもすんなりいくはずだ。
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こういった経緯で光造形によって成形されたフロントウインカー追加インナーレンズ。
2セットあって、手前のものと奥のもので色が違うのは、奥のものは耐熱性をあげるための熱処理
(アニール処理)を施したため。元々のこの素材の耐熱温度が80数度とのことで、光源がLEDだし、
多分大丈夫だろうと思うのだが、この処理を施せば耐熱温度を120度以上に上げることが出来る
ということなので、念のためこの処理を施したものをまず作った。
作ったのだが、出来上がったものを見ると、どうもこの色合いが…、こういう色合いになるとは
事前に聞いてはいたのだが、古くなってくすんだような、汚れているように見えて何とも…。
これはやはりアニール処理をしないものも作ってみて比較してみたいと思い、急遽追加で作った。
IF-02RDS_R_ver_68_11.jpg

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真ん中に置かれているのはレンズと同じ素材で作った穴あけ用の治具。こんな透明素材でなくても
いいのだが一緒に作れば(同時に光造形で成形するということ)製作費を最小限に抑えられるので。
IF-02RDS_R_ver_68_14.jpg

このインナーレンズは(リヤの追加ウインカー同様:実に申し訳ない…)元々私の保安基準の解釈が
まずくて必要になったものなので、設計、データ作成はもちろん、光造形等の費用は我が社もち。
アクリルの切削品などと比べればずいぶん安価とはいえ(大体こんな形状ではアクリルの一体成形は
不可能だろう。接着構造にすれば出来るだろうが、それとわからないように接着するのは至難のわざ)、
量産品のこの種のレンズの価格とは比較にならない価格だが、イケヤフォーミュラさんに余計な出費を
強いること無く行うので、こんな風に試しに作ってみることになっても、むしろ気は楽。
IF-02RDS_R_ver_68_15.jpg

IF-02RDS_R_ver_68_16.jpg

こういう作り方(3Dデータによる光造形)だから当たり前なのだが、ほぼ想定どおりのものが出来た。
これらの写真をイケやフォーミュラさんに送って、お勧めとしては熱処理をしていない白っぽいほうです
と伝え、担当のFさんもそれで行きましょうということになった。



その後、イケヤフォーミュラさんの作業(各種試験の対応)の進行状況と、こちらの都合のすりあわせで
なかなか取り付け作業に行けず、2ヵ月半ほど間が空いてしまう。ようやく日程が決まり、この追加レンズ
の取り付けと残りの作業のために、また以前と同様 NY Connect の内藤さんと一緒に出張作業に行くことに
なったのが9月23日。
日程が決まったのであらためてこの追加インナーレンズを見てみると、どれがアニール処理をしたものか
わからなくなっていた。この程度の期間でここまで退色(?)してしまうものなのか?
まぁ使うのはアニール処理をしてない白っぽいほうということは決まっていたので何でもいいといえば
いいのだが、どうなっているのか知っておきたい。それで成形業者に問い合わせてみると、案の定、
担当営業などは全くわからず、技術担当の方に直接聞いてみると、あまりはっきりとは言えないが
経時変化でこうなるらしい、とのこと。
色だけ見ればきれいにクリアになって望ましいといえば望ましいのだが、肝心な耐熱性はどうなのか?
これについても確認すると、これはその技術者の方も確かなデータを持っているわけではなくて、
申し訳ないが正確なところはわからない、とのこと。それ以上聞いてもらちが明かないので、何か新しい
情報が手に入ったら教えてください、ということでこの件はいったん終了。何ともスッキリしないが
しょうがない。
まぁこの製法は新しい技術といえばそうだし、本来試作品向きの製法で量産には向かないものなので、
しょうがないというか、誰もそこまで追及していないのかもしれない。
出来ることならこういったレンズ関係の部品はインジェクション成形とかで作りたいのだが、
そんなことをしたらそれだけでこの車の開発費の半分とまではいかないかもしれないが、少なくとも
数分の一は確実に飛んでいく。





とりあえず、フロントウインカー追加インナーレンズ成形…。





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