クレイ仕上げ、R取り(2016年8月初め) IF-02RDS Road version 開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]
大きな面が出来て、細かい部分の仕上げ、角のR取り。
仕上げといってもこの段階では細かい凹みなどは反映しない。例えばサイド面のファスナーをおさめる
ためのくぼみなどは位置とふちの形状がわかるようにラインテープなどでマーキングしておくがへこみは
つけない。型をどういう分割にして、どういう方向に抜けるようにするかによるのだが、少なくとも、
型が抜ける方向と直行するような方向にあいた穴とかへこみは、それがあると型からFRPを抜けなくなって
しまうので、この段階では反映せず、メインボディ成形後にそれに穴をあけてまたクレイなり何なりで
造形し、その部分のみ別に成形して、接合面を合せて、接着なり貼り込みすることになる。
こういうところにスライド型など使えればいいのだが、さすがにちょっと現実的ではない。
フロントウインドーとサイドウインドーは滑らかにつなごうとすると結構無理があって、そのため両者の
間のAピラーは1号車よりもずっと太い(幅が広い)ものにせざるを得なかった。全然性質の違う2つの面を、
その広くなった幅の中である種強引になじませているわけだ。
以前もこのことには触れているが、データ上では何とかまとまったように思えていたのでそれほど不安は
無かったが、このクレイモデルで見ても大丈夫そうだ。
実はAピラーもそうなのだが、そのすぐ上、Aピラー上端と接するルーフ面は複数方向からの造形上の
しわ寄せが結構来ていてまとめるのに苦労したところ。厳密には完璧な面にはなっていない。専門用語で
言うと極率連続が保てていない。普通のシェーディングなどではパッと見わからないがゼブラチェックを
するとわかる。
データ上はそうなのだが、このクレイモデルでは作業をお願いしている NY Connect の内藤さんがきれいに
仕上げてくれた。こういうのはスキルの高い人の手が入ることのいいところ。そういうところが他にも
色々ある。データ上で気になっていたところが1/1の立体できれいになって、それを自分の目で確認できる。
何ともありがたい。
Aピラーに関しては他にも思うところがあって…
フロントウインドーの形状変更のためにAピラーはその位置も1号車よりも前に出ていて、そのため前方視界は
1号車より悪化している。単純に水平方向の見渡せる範囲が狭まっているということ。フロントウインドーが
もっと極率が強くてもOKなら、よりサイドに回り込ませて、Aピラーを1号車に近い所に出来れば斜め前方の
視界はずっと良くなる…のだが、そうは出来ない。
保安基準の中の、主にガラスを通して見える2重像の要件でこうなるのだが、多少その問題があったとしても、
あるいは景色が多少ゆがんで見えたとしても、向こうが見えるほうが、ここにAピラーが来て視界をさえぎる
よりずっとマシじゃないか、と個人的には思う。
そういうことが保安基準について詰めていくと良くある。
あともう少しでクレイモデル完成。
写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。
もう少しで完成、というのはどの工程でもいいものだな…。