ああすれば良かった、こうすれば良かった [ASPARK OWL prototype etc]
どんなものでも完成したすぐ後、数日から数ヶ月、長いものだと1~2年くらいの間は、
もっとああすれば良かった、こうすれば良かった、本当にこれで良かったかな…、
そんなことをしばしば考えてしまいます。
いや、でも、納期を考えるとあれ以上やりようがなかった、要件は満たしているしまとめることは
できたんだから、あの条件でよくやったほうだろう…、などと自分で自分を擁護するような言葉が
頭の中で飛び交ったりします。
これは会心の仕事が出来た、という気持ちになれないからからだと思うのですが、
会心の仕事なんてなかなか出来るものではないですから、結果、しょっちゅうこんなことを
思うことになります。
ただ、そういうものでも数年後とかに見ると、ああ、これはこれで良かったかな…。
そう思えるものも結構あります。自分でやっておいて、おめでたいと言えばおめでたいのですがw
頑張って頑張って、その時なりのベストを尽くしたものはそう思えることが多いように思います。
作り終えたすぐ後は、まだ作り手目線なままで中々客観的な評価が出来ないのかもしれません。
それに、ああすれば良かった、こうすれば良かったと思う気持ちは、次のものを作る時の、
もっと良いものを作ろう!というモチベーションにもなるので、悪いばかりではないだろう
という気もします。
写真は全てASPARK OWL prototype のインテリアで、これは「本当にこれで良かったかな…」
と思うことが少なかった例のひとつです。ものすごいスピードで作った割にはかなりきれいに
まとまって、3Dデータと最新の製法の威力、ありがたさを痛感しました。
中でも自分で特に気に入っているのはドアトリム。シンプルな構成で清潔感とスピード感が表現
出来たように思えて良かったです。センターコンソールのスイッチパネルも結構気に入っています。
ちょっと気に入っていないのはそのドアトリムにある2本のグレーのライン。ここは個人的には
一般部と同色のオフホワイトのほうが良かっただろうなと思っています。そういう提案もしていた
のですがお客様が選ばれたのはこのグレーのラインとの組み合わせでした。
そして、このインテリアで最も気に入っていないのはシート。これは10種類以上を提案した中で
お客様のご希望を反映して作ったものなのですが、自分としてはもっとオーソドックスな構成で
コンペティブな形状の、グレーの配色等も無いものが良かったです。そういうものを2種類ほど
提案していたのですが、残念ながら選ばれませんでした。
全て自分の好みにするには、もっと圧倒的に信頼してもらうか、開発費を全て自分でまかなうしか
ないということかと思います。当たり前ですけど。
もっとこうすれば良かった…こういうのはいつまでたってもそうなのかもしれない…。