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本当のCAD:Computer Aided Design [車、カーデザイン、ミニカー]

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何だか大層なタイトルですが、書いてる中身はそれほど大したことないので心配しないでくださいw

私がCADというものを触りだしたのは多分1990年代のなかば頃で、ソフトはAutocad LTという
2次元のもので、それまでドラフターで手描きしていたものをPC上に移行した感じのものでした。
そして1997頃にから3DCADを並行して操作するようになり、徐々に3DCADだけになっていきました。

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CAD:Computer Aided Design、直訳するとコンピューター支援設計ということになりますが、
コンピューターが自動的に設計してくれるということではないわけですね。あくまで支援であって、
主体的にやるのは人間、コンピューターはそのお手伝いをしてくれるということです。
だから操作する人間が間違っていると普通に間違いが起こりますし、いかに優れたCADでも、それを使う
人に明確なビジョンがないと(必ずしも明確でなくてもいいですが)、とにかく“こうするんだ”という
ビジョン(と適切な操作)がないと線1本引けないということです。

さぁ、これから車のデザインをしようと思うのですが、外形寸法を決めて、ホイールベース、前後トレッド、
乗車定員、エンジン形式とサイズ、駆動方式、その他想定される全ての条件を入力して、Enter押したら
あとはコンピューターが、ターゲット別、コスト別に何パターンかステキなデザインを出力してくれる…、
そんな夢のようなことにはまだまだなっていないのが現状です。

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現状はそうなのですが、最近のAI活用の成果を見ていると、上に書いたような“夢のシステム”が現実と
なる日が近づいてきたかも…と思わされるものもあります。3Dプリンターが脚光を浴びるようになって
しばらくして、それで出力することを前提としたサスペンションアーム(もちろん金属製)などが参考
試作品として作られて、そういったものなどを見ると、応力を効率的に分散させるためなのか、これまで
見たことも無いような、他のどんな製法でも不可能な複雑で繊細な造形に非常に惹かれました。何か、
生き物の骨格と神経系を組み合わせたものを見るような感じで。
ただ、3Dプリンターは成形に時間がかかり、価格も非常に高価になりますので、とても量産には向かない
ので、まだまだ用途は限定的です。

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そんな感じで、ものによっては非常に魅力的に見えた新しい製法なのですが、これがスタイリングデザイン
となると…、考慮しなければいけないことが山ほどありますし、しかもいちいち定量的ではないときて
いますから始末が悪いw そのアルゴリズムをどうやって取りまとめるのか、ちょっと想像するだけでも
気が遠くなる…そういう作業ではないかと思うわけです。
美しいとか、カッコいいとか、その定義をどうするか?色々なテイスト、方向に向けてそれぞれの
ベストをさぐるにも、そのテイストといったって…、シンプル、ゴージャス、スポーティー、レーシー、
エレガント、クラシック、モダン、アバンギャルド、ファッショナブル、イタリアン、ブリティッシュ、
ジャーマン、アメリカン、和風(?)などなど…、きりがないほど考えられるし、2つ以上のミックス
とかも普通に色々考えられます。
そしてそれぞれのテイストを未来的に表現しようと思っても、未来感というものも2~5年程度の近未来
から、10年以上先のことまでと色々考えられます。そう思うと、やっぱりまだまだ先のことかな…
と思ったりもします。

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そして、仮にこの夢のようなスタイリングデザイン開発システムが出来た場合、今私がやっているような
仕事は無くなってしまうかもしれない…、その可能性はあるにはあります。
あるのですが、それこそまだまだ先の話で、最終的な評価は人間がしなければいけないと思いますので、
全くやることが無くなるなんてことは無いんだろうな、とも思います。
デザインの仕事では、形を考えること自体が非常に楽しくて興奮する、と自分では思っているのですが、
もしもそれが無くなってしまったら相当つまらないな…と思いつつ、でも、実際のところその作業は
かなりめんどうくさくて…w、そう言ってしまってはいけないと思うんですが、その面倒な作業をある種の
小人さんのようにコンピューターが引き受けてくれるなら、そうはそれでいいかもなぁ…、いやきっといい。
そう思います。

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必要な技術情報を入力して...、ターゲットは40~50代の年齢層、デザインテイストはイタリアン・モダン・
スポーティー、市場は北米、5~7年先くらいの未来感で、コスト別に5種類くらい出力させてみる。
明日の朝までだぞ、ってw
で、その中から良さそうなものを選んで、フロントはA案70%+B案30%、リヤはB案60%+C案40%で
もう一度出力させる。それを何回か繰り返して熟成…なんて出来たらいいんだろうなと思うんです。
これって、デザインチームの取りまとめ役が、何人ものデザイナーやモデラーを使ってやっていることを
集約していることに他ならないんですけど。

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まだ実現には時間がかかりそうなこの夢のシステムですが、こういうことが出来るようになってこそ、
本当のCADというか、最初にCADというものに対していだいたイメージではないかなと自分では思って
います。そうなった時にはCADという言いかたではなくて、何か別の呼び方になりそうですが。






夢のシステム、使ってみたいけど自分が現役の間は無理かな…。




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