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20年前のバルセロナ出張の話 No.6 [Web、CG、スケッチ、デジタルモデリング、仕事]

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 今回は、以前にも触れている、街並みなどについて。バルセロナの街はヨーロッパの古い街並と
街路樹がとてもいい雰囲気を出しています。港から続くメインストリート、ランブラス通りは特にその
象徴的なところです。

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 野外での撮影が、天候だか、機材だかの都合で、半日ほど、何もしなくても良い(出来ない)ことが
あって、"ラッキー!" とばかりに、半分あきらめていたバルセロナの市内見物に行くことができました。
いろいろ面倒見てくれてるトニー(ほんとはアントニオ)が、「サグラダ・ファミリア行く?」って
言うので、「いいね、行こう!バモス、バモス!」ということになり、私とクライアント2人、イギリス
から来てる(車の搬送とサービス係の)アンディの5人で行きました。クライアントの2人は以前行った
ことがあるそうですが、私は初めてだったのでワクワクです。

 着きました。いきなり街中にあり、ちょっと驚きというか、違和感を感じるほどです。ガウディが生前、
自身で手がけていたいわゆるオールドサイドと、後に別の人が手がけている(モダンでちょっとさっぱり
風味の)ニューサイドがあるのですが、ここはやはりオールドサイドがさすがに大迫力です。

サグラダ・ファミリア  オールドサイド
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サグラダ・ファミリア  ニュードサイド
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サグラダ・ファミリア  オールドサイド 夜のライトアップ
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サグラダ・ファミリア  オールドサイド クローズアップ
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もう、なんか理由もなく「あ~…、すいません…。(_ _; 」という気になります。何ででしょう…?
今まで見た事も無い、一種異様な、形容しがたい巨大な造形物を目の前にして、もう、完全にまいりました…、
っていう感じなのでしょうか…?
この"すいません"という気持ちは私だけでなく、同行したクライアントのひとりも同じことを感じていて、
「なるなる、そういう気になる。」って言っていましたので、他にもそう感じる方、多いんじゃないかと
思います。なぜそういうふうに感じたのか?何をお詫びしていたのか自分は?と考えるに、自分達が日頃
デザインだ造形だと考えているようでいて、それは実はすごくちっぽけなことだった、ということに
気づいてしまったから…ということなのかな、とその時は思いましたが、それではまだ何か足りないような
気がします…。まぁ、ここは教会ということですから、このようにして、有無を言わさず、ある種強引に
人を懺悔(?)させるということは、目的にかなっているということですね。 ガウディオ恐るべし…。

そしておみやげ用にと思って何枚か絵ハガキを買ったのですが、その中の1枚、サグラダ・ファミリア
の絵が何かちょっと様子が違ってて、よく見ると…、なんか建屋が増えてるし!

サグラダ・ファミリア  オールドサイドと完成予想図の比較。
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大分できてきてると思ったら…、まだ半分くらいしかできてないってことかよ…。
今出来てる塔よりも随分ぶっとくて高さも高いのが、まだあと何本も建つ予定だったとは…。
当時は、完成までにあと100年くらいはかかるだろうと言われていたのですが、それでは済まないんじゃ
ないだろうか…とも思いました。

サグラダ・ファミリア  オールドサイド 建築中の様子
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 他にも街中を車で走ってガウディの手がけた建築をいくつか回ったのですが、ガウディの建築に限らず
(ガウディは飛びぬけているけれど)バルセロナの街は、建築や公共物が、いちいちデザインされてて、
それは例えば路上のベンチだったり、ゴミ箱だったり、ゴミ収集車だったりするんですが…、これは以前
にも書いたことですが、そういうものを見てると、日本の東京や横浜は経済的には繁栄しているように
見えても文化的な面では全然追いついていない…、いや、とてもかなわない…。当時はそんな気がして
さみしいというか、がっかりしたような気になりました。


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東京や横浜にも、いくつかの銀行などの建物で、石造りの古いヨーロッパ調なものがありますが、
ああいう“洋風”のオリジナル、まさに“本物”がここでは普通であたりまえなわけです。
で、そういう中に、(古いけれど)アバンギャルドなガウディデザインが点在するという…、
これはもう中々他では見られない、世界的にも稀有な街並みといえます。
これも前に書いたことですが、いくつか見た建築中の建物も、周囲の(古い)建物にマッチするように、
外観はディティールまで凝ったデザインが施してあり、更に造形だけでなく、その多くは色合いまで、
微妙なあせたような色にわざわざ調色してあったりします。こんなことしてたら手間がかかって、
コストはかかるし納期も遅れ遅れになるでしょう。それでもそうするわけです。
そのかいあって、街中の景観は、独特なイメージでまとまっていて、そのレベルは非常に高く保たれて
います。これら全てをコントロールする見識とかセンス、そしてそれを良しとする市民の感覚、全てが
一貫していて大したものだなと思いました。人によって好き嫌いはあるでしょうが、少なくとも私は
すばらしいと思いましたし、こんなことが出来てうらやましい…とも思いました。


今回のNo.6 でバルセロナのお話は終わりです。
長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。


このあと、本来予定していなかったジュネーブ行きが急遽決まって、バルセロナからジュネーブを
往復することになります。アクシデントのような形で行くことになったジュネーブなので、気持ちの
いいものではなかったのですが、バルセロナ同様、初めて訪れたジュネーブは美しい街で、やはり
気にいることになります。その話はまた少し間をおいてアップしようと思っています。
下の写真はジュネーブショーのブースの様子。モデルもバルセロナから引き続き同じ子達で、ブースを
盛り上げていました。


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今度はプライベートで行きたいと思いながら、もう20年もたってしまった…。



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