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ドアハンドル、キャッチロックまわり(2016年12月中旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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ヒンジまわりが何とか仮組みで来て、次はドアハンドルとキャッチロックまわりの造作。
この写真に写っているものは何かというと…
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ドアを開けたところのキャビン側の造作がこんな感じになっていて、これらはエクステリアのクレイ
モデルでは表現しなかった(出来なかった)ところで、上の写真はそのマスターモデルというか成形型に
相当するもの。この部分だけ別個にFRPを成形して接着。
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ドアを少し開けたところ(下写真左)と、ドアの内側に取り付けられたキャッチロック。
普通のドアと違って斜め上方に開くドアなのでその後端付近にあるキャッチロックの奇跡も、回転軸が
傾いた大きな円弧となる。ドア側のキャッチロック、そしてそれに嵌合するキャビン側のストライカーは、
その円弧上で接線方向に勘合する向きを合せてセットされる。
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余談だが、回転軸が斜めのドアは普通の水平に開くドアよりもイニシャルセッティングが面倒で、
調整作業も結構面倒。
でも、こんな車のドアが普通に水平に開いたらちょっとガッカリするだろうし、大体こんな形してたら
普通のヒンジでは開閉することすら難しい。

キャッチロックのすぐそばにはアウタードアハンドル(普段は外からは見えない)が取り付けられるのだが、
その周囲を覆うカバーも別個に製作。機構部品を取り付けてからカバーするので取り外し可能にしておく。
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これらのカバー類はインナーパネル同様、私の作ったデータには無いもので、NY Connect の内藤さんが
現場で考えて作ってくれたもの。ここに限らず、いつも色々工夫して製作作業を進めていただいている。
こういう作業は単にキャリアが長くても、例えばクレイモデルだけやっていたような方だとなかなか
こなせるものではないと思うし、これらを全て最初からデータで表現して、それでマスターモデルを
切削などで作って、そこから成形型を作って…とやっていたら、ここだけでも相当な金額になるであろう
ことは容易に想像がつく。十分なスキルと創造性を持ったモデラーの存在に感謝。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



インナーパネルとカバー類がつくと、やっぱり質感上がる…。






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ヘッドライト、ウインドーグラス(2016年12月上旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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少し前に取り上げたヘッドライトハウジングにライトユニットを仮組みして、ボディに仮留め。
ライトユニットは内側からロービーム、ハイビームx2個、ターンシグナル。光源は全てLED。
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裏側というかタイヤハウス側からのぞいたところ。ブラケット類はまだフェンダー裏面に貼り込んで
いないのでハウジングを台の上に載せて仮置き状態。左に見えるサービスホールとの位置関係は
ちょうど良さそうだ。
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左右置いて前から撮影。
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このライトユニットは高輝度LEDの特性を活かした超小型で、しかもちゃんとEマークがついている
立派なもの。ロービームにはプロジェクターレンズの奥にちゃんと遮光板も入っていて、対向車が
まぶしくない配光特性を持っている。さすがにLEDでこのサイズなので、HIDや明るいハロゲンには
明るさでは及ばないが、それでも光量は保安基準を満たしている。
ターンシグナルだけは仮留めのテープが効かなくて、車両中心側がずれ落ちて斜めになってしまって
いる。
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今はボディが黒、ハウジングが白で妙な感じ(あたかも色調を反転したかのような)だが、
ヘッドライトハウジングは最終的には黒塗装され、アクリル製のアウターレンズがつく。
その状態ではライトユニットのレンズやリフレクター以外は目立たなくなり、暗い中に光る部分が
少し見える、控えめなヘッドライトになってくれることと思う。
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フロントとサイドのガラスをつけたところ。
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フロントはもちろん、後から納品された(そして先日書いたように、私のバカな勘違いでガラス
メーカーとこちらのスタジオの間を行ったり来たりした…)サイドガラスもうまくフィットして
いるように見える。
この写真を見ると、Aピラーのリフレクションも比較的すなおに通っているようなので、黒塗装は
普通のツヤ有りで問題無いかもしれない。そうあって欲しい。
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後ろから見ると、サイドガラスの極率がわずかにボディよりもきつい。とはいえ、この程度は許容範囲。
下側を引っ込め気味にセットするなどすれば、ほとんど気にならないように出来るだろう。
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外径寸法もほぼピッタリ。厳密には若干大きめではあったが、上記の極率同様、十分許容範囲。
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修正されたフロントホイールアーチ。
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ヘッドライトユニットの選定ではスペースの制約が大きくて当初より難航した。量産車のユニットが
流用できればいいのだが、最近のヘッドライトはみんなかなり大型になってしまっていて、そのまま
ではまず入らない。
大体、丸ごと気に入ったデザインのものも無い。当然、内部のユニットだけを取り出して使うことも
検討したが、中身だけでも思いのほか大きくて、特に奥行き方向の寸法がきつい。量産車はやはり
熱対策や耐久性などの点から、安全を見て、極端な小型化はされていないということなのだろう。
そういった状況に加えて、流用した車が特定できるようなものはなるべくなら使いたくない、という
池谷さんの意向もあって(リヤコンビライトもそうなのだが、そちらは私が説得した、やや強引に)、
決して多くない汎用品の中から選定作業を行ったのだが、なかなか使えそうなものが見つからない。
使える可能性のあるヘッドライトユニットを取り寄せては、それに合せてボディ形状を形状を修正、
それを何度も何度も繰り返したのだがしたのだが…、なかなか決まらなかった。
しかしいつまでもそうしているわけには行かないので、ある程度の妥協はやむなしということで、
一時はIPF製のカスタム用のユニットに決まりかけたのだが、それをおさめるためにフロントフェンダー
の形状を変更した(前方と上方にボリュームアップして、サイドビューでのフロントエンドの角度が
にぶくなる)ものは、私としては何とか感許容範囲かな…と思えたのだが、池谷さんは納得いかな
かったようだ。
このあたりの事は以前書いている。↓

度重なる修正(2016年1月頃) IF-02RDS Road version 開発経過
http://ash-institute.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

最近のルマンとかに出るLMPカーのような “でこっぱち” 風のデザインでいいのなら話は簡単なのだが、
そういうのを作りたいわけではないのは池谷さんも私も同じ。
せっかく作るのに、こういう車のフロントエンドがシャープで薄っぺらでなくてどうする!そんな気持ち。

そうは言っても、もうクレイモデルの製作は始まるし、いいかげん決断しないと、というような
タイミングだったと思う。
出張して行ったイケヤフォーミュラさんの社長室で池谷さんと二人で、色々入手したユニットの
点灯テストをしていて、これすごく小さくていいんですけど、ちょっと暗いんですよね…と言われて
いたのが今回使うことにしたこのユニット。
一応確認を、というつもりでIPFの車検対応品と点灯状態を比べてみたところ、私にはそれ程大きな
違いは無いように見え、とても質感のいいしっかりした作り出し、遮光板が入っていて配光特性抜群
じゃないか…、むしろそうだから(遮光板が入っていてちゃんと機能していると上半分と右側は更に
少し下までスパッと断ち切られたように暗い。遮光板入りをうたっていても中国製などは全然ぼけた
配光特性のものもあって、困ったもの…)全体的に暗く感じられたのではないか、だとすればこれ
可能性あるんじゃないか…。そう思えたので、池谷さんにこのユニットの試験を是非やってみて
ください、とお願いして帰ってきた。
その翌日だったか、連絡があって“合格です!”と聞いた時は嬉しかった。これならほぼ妥協無く
レイアウト出来る。
池谷さんの声嬉しそうだったし、やっと決まってホッとした。
ちなみにこのユニットはドイツ製の輸入品。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



ほんとのほんとのことを言えば、ライト類だってオリジナルを作りたい…。






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ドアヒンジまわり_3(2016年12月上旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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何とか仮組みが出来て開閉できるようになったドア。1号車と比較すると夢のように大きく開く。
外ヒンジだから開けた先での干渉などほとんど気にする必要が無い。これまでの記事で書いてきたように、
イニシャルセッティングが面倒なことになってしまったが、ここまで気持ちよく開けばその甲斐があった
と思える。

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閉めたところ。ヒンジベースの上にはこのあとカバーが付いて、Aピラー一般面と同じ塗装が施される。
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ちなみに、Aピラーはボディカラーではなくてウインドーグラスと連続して見えるように黒塗装に
する予定。ツヤ有りにするか、半ツヤ程度に抑えるかは様子を見て決めたい。ガラスとの連続性を
重視するならツヤ有りだが、形状や面質によってはツヤ有りはリフレクションがすなおに通らなくて
うるさいとか、かえって質感が悪く見えてしまうことがあるので気をつけたいところ。
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ここまで開けると締めるときに手が届かなくなるかもしれないので、適切なところで機械的な規制をする。
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ドアの下のマスキングテープで囲まれてカットされている穴は、そこから手を入れて内部にセットされた
(写真ではまだ何もついていない)アウタードアハンドルを操作するためのもの。これは1号車と同じ構成。
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今はまだつけていないが、下側のドアヒンジは回転中心よりも内側にアームが伸びていて、小さなリンク
を介してプッシュロッド(両端ロッドエンド)、ベルクランクと連結され、更にその先で2本の小型ガス
スプリングと連結される。その2本の小型ガススプリングの反力でドアの重量をささえ、開閉時のアシスト
と、全開時の状態保持が可能となる。
リンクやベルクランクを介しているのは、そうすることによってドアがガススプリングの反力を必要以上
に受けて変形することを防ぐため。普通はドアが閉じた時に最もガススプリングが縮んで反力最大に
なるのだが、それだとこの軽量FRP製ドアにはちょっとつらい。
このリンクを使えば、ドアが閉まっている時はガススプリングの反力がほぼゼロ(若干マイナス)に
設定できて、開けていく途中で反力最大となり、全開時には自重をささえるのに必要十分な反力、
という実に好ましいものに出来る。
このリンクについてはまた後ほど、実際に組みつけられた状態の写真とともに解説しようと思うが、
元々は1号車のときに私がレイアウトした案(ドアチェッカーなど、量産車のパーツを流用した案)が
静かに却下されw、イケヤフォーミュラさんでこの車を担当してくださっているTさん(能力高く、
控えめで朗らかなナイスガイ、男前)が考案、設計、製作されたもので、現場で実際にモノを作る
人らしい、非常に巧妙で優れたもの。これに比べると私のレイアウトした案など、実につまらない
カスのようなものに思える。 で、2号車では最初からそのアイディアを活かしてレイアウトさせて
もらった。

ちなみにガススプリングというのは、ワンボックスやワゴンのバックドアとかリヤゲートといわれる、
スイングアップするタイプの扉の左右によくついているダンパーみたいなアレのことなのだが、
機能としてはスプリングなので(中にはじわっと動くようにダンピング機能を含ませたものもあるが)
ダンパーというのは間違い。見た目が似ている(というかほぼ同じ)というだけ。
なのだが残念なことに一般的な認知度は低く、ディーラーなどでは普通にダンパーと言ってる人が多いし
(メカニックなどはお客様に通じるようにあえてそう言うのかもしれないが、セールスの人は素で
そう認識している人が多いように思う)、自動車メーカーや自動車部品メーカーの、しかも技術者でさえ、
無頓着にそう言っていたりして、会話中にそう言われると…変に指摘するようなことを言って気まずい
雰囲気になるのもアレなので、返事に気をつかうことがある。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



とりあえず、ちゃんとドアが開閉できるようになって良かった…。






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ドアヒンジまわり_2(2016年12月上旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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用意した治具が使い物にならなかったので、オーソドックスに上下のヒンジにヒンジピンと同じ径の長い
鋼棒を差して(粉末造形で作った白いヒンジベースには一旦穴をあけて貫通)位置出しを行う。単純な
方法だが上下に分かれた2個のヒンジのヒンジラインはこれで完璧に通る。

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おおむね位置が出たところで試作ヒンジを取り付けてみる。
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クリアランスが一定でなく、あちこちで干渉もある。それらを一ヶ所ずつ修正していく。
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ドア側に見える穴がたくさん開いたプレートは、車両内側向きにボルトが溶接されたヒンジベース。
たくさんの穴はFRPで貼りこむときにしっかりと固着させるためのもの。ドアのインナーパネルには、
このボルト/ナットへアクセスするためのサービスホールがあけられている。ここには別体のカバーがつく。
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ボディでもヒンジでも、面データから完全に形状が再現できればこういう現物合せの作業は劇的に減らせる
と思うが、そうするには初期開発費がかなりかかるし、今回は別の理由でも現実的ではない。今回のような
製法ではこの種の現物合わせはある程度しょうがない。
しかも今回のドアヒンジは1号車のものから変わって、ずっと難易度が高い形状になっている。
これはドアの開口角度を大きくしたいということと、本物の安全ガラス(合せガラス)を使うフロント、
サイドのウインドーグラスに影響しないようにと考えた結果、Aピラー上ではボディの外にある(機構的には
いわゆる外ヒンジの一種。カバーがつくが)ものが、Aピラーの端末で折れ曲がって室内側に入り込んで、
ウェザーストリップやインナーパネル(ドアサッシュインナー)を避けつつ伸びて、その先でドア側の
ヒンジベースにようやくたどりつく…という何とも面倒くさい形状で、微妙な曲げやオフセットが多用
されている。これを手作業で一発で作るのは普通に考えて至難の技。なので、試作一発目はたたき台と
して、こうして合せ作業でバリバリに削ったり曲げたり、場合によっては切って延長したり位置を
ずらしたりして再溶接…そういう風にしてキズだらけになりながらお役目をまっとうしてもらうことになる。
本番用はこのキズだらけの試作一発目を見てもらって、どう作ればいいかを十分把握してもらって、
ボディ形状に沿ったきれいなものに作り直してもらえたらいいなと思う。
それと同時に、こんな手間のかかる設計をしてしまって申し訳ないと思う…。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



一発でビシッと決まったらいいけど、なかなかそうはいかない…。






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ドアヒンジまわり_1(2016年11月末~12月初め)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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写真の白い品物たちは粉末造形で作った、ドアヒンジのマウント部とカバー類。
ヘッドライトハウジング同様、細かい造作があってFRPで再現するのはかなり困難な(現実的ではない)形状。
これらの部品は直接の負荷は受けず、直下にくるスチール製のブラケットとヒンジの間に挟まることになる。
負荷はそのブラケットが受けてメインフレームに伝える。
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並べてあるとおりの位置関係で、左右、上下のセット。

下の写真は上段が裏(室内側)から見たところ、下段が表から見たところ。左の列が下側、右の列が上側。
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いわゆるたたき台として作った金属性のヒンジと合せてみると、案の定いくつかの箇所で干渉などが見つかる。
右下は先日の記事で使い物にならなかった…と書いた組付け用の治具、それにヒンジを組付けてみた状態。
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キャビンの一部、Aピラーの上端付近と下端付近をカットして穴をあけてこの分体造形で作ったヒンジベース
をセットする。ピッタリ合わないところが細かいところで色々あるが、そういうところは現物合せ。
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メインフレームとキャビン、キャビンとドアヒンジベース、それぞれの位置関係が最もいいところ(修正作業
が少なくて済むところ)を探って位置を出して仮固定。といっても、ここまで来ると実際のところはキャビン
とドア優先で進めることになる。
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ヒンジ、フレーム、ブラケット類などの金属系の修正はとりあえず機構が成立するようにすることを優先し
必要十分なレベルにとどめ、この仮組み、建付け調整の工程ではそれ以上手を加えない。本格的な作業は、
ボディ全般の作業を終えて一旦イケヤフォーミュラさんに引き渡しされた後にイケヤフォーミュラさんの
工場内で金属加工のスキルの高い人によって行われる。これは1号車のときと同様。

今回の2号車では成り行き上こういう順番になっているのだが、3号車以降はこのドアヒンジベースは(また
粉末造形で作る可能性が高い)メインの成形型にセットしてキャビンを貼りこむようにするのがいいと思う。
成形型にセットするための何らかの治具は必要になるだろうが。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



粉末造形が無かったら、結構面倒なことになっていたかもしれない…。






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ホイールアーチ修正(2016年11月末~12月上旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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前後のホイールアーチ、タイヤのクリアランスが不均一で特に上側が大きく空いてしまっているのを
修正。上の写真は、これくらいの修整でいいかな、という状態を黒いテープなどで簡易的に表現して
みたもの。

フロントは上下方向15mm、リヤは30mmほどの修正。さすがにこれはサスペンションの車高調整で
ごまかせるレベルではない。
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せっかく成形されたものをカットして、移動して、エンビ板をあててセット。
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その状態で開いた隙間に貼りこんで成形。中間のやや淡いグレーの部分が修正成形した部分。
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修正した部分を仕上げれば2号車のボディとしてはこれで修正は終わりだが、3号車以降のために成形型を
同じように修正しておかなければならない。成形型の完全な修正は現実問題として難しいので、大体の
形状を反映できたらそれで良しとして、成形後に手仕上げで整えることとする。

この車のサイドパネル(前後フェンダーの垂直に近い面)はイケヤフォーミュラの池谷さんのご希望で、
このように比較的フラットな面形状になっていて、これによって良くも悪くもレーシングカーに近い
雰囲気を出しているのだが、この形状が今回の修正には好都合だった。こういう面なら延長とかしても
比較的つなぎやすい。
これがもっと丸みをおびた滑らかな3次曲面(個人的にはそっちが好み)だったら、ホイールアーチの
修正はもっとずっと大仕事になっていたはずだ。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



好都合とか、比較的つなぎやすい…といったって、手間はかかるわけですけど…。






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エアインテークダクト、フロントカウルヒンジベース、他(2016年11月下旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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エアインテークダクトは一発ではどうやっても成形できないので、面データから切削でマスターモデル
というかそれを追加工してそのまま成形型になるものを単品で作っておいて、それを成形できたカウルや
キャビンに合せて端部を仕上げて、それにFRPを貼りこんで成形する。部位によっては成形されたものから
更に型取りする。こういった工程が何回か出てくる。

下の写真上段の大きなほうはフロントエンド左右のエアインテーク(フロントブレーキ冷却用)。
このくびれた先にジャバラのフレキシブルホースが付く。径はその規格に合せてある。
小さなほうはキャビンへのエアインテークダクトの室内側のもので、中間のパイプからダッシュボード
上面の小型の吹き出し口につながるところ。
下段のものはサイドポンツーン後方のリヤホイールアーチ前のエアアウトレットとフィラーリッド
(給油口)の内部。
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成形されたダクト類。フロントカウルのクロスメンバー状の補強とヒンジベースの貼りこみ。
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フロントフェンダーの車両中心側の下部、フロントカウルとの結合部の成形。
下段左はフロントフェンダー下面の造作。右はフロントフェンダーの後ろ側の下側、シャシーと結合され
固定される部分。
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インナーパネルの付いたドア内側。インナードアハンドル(黄色いマスキングテープが巻かれているところが
レバー)も仮付けされている。その後ろの穴はドアを閉めるときにつかむグリップに相当する部分。
これらの周囲、手を触れることに
なる一体には、最終的に表皮の貼られたパネルが別パーツとして付く。
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イケヤフォーミュラさんに作っていただいた金属パーツ類。ドアヒンジ関連一式。
曲がったレバー状のものがヒンジのアーム(これが後に組みつけに苦労する…)。
ちょっと大き目のパネル状のものはドアヒンジ類を組み付けるときに使う、いわゆる治具に相当するもの。
(ただ、この治具相当品は結局使い物にならなかった…。私の設計が悪い)
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上記ドアヒンジは形状が複雑なため、切削で作ろう思っていたのだが、見積もったところ想像以上に高価
だったため、とりあえず手作業で曲げと削りと溶接で作ってみることとなったもの。これで運良く決まれば
それでいいし、そうでなかったら、これに色々手を加えて、この時点では見た目や剛性にはある程度目を
つむり、とりあえず現物合せで何とか機構を成立させる。しかる後に本番用にもう一度ちゃんとしたものを
製作する、という流れ。
イケヤフォーミュラさんは金属でモノを作るのは得意だから、この考え方はいいのだが、この最初の
フィッティングが想像以上に手こずるものだった。設計がスマートならこういうことは少なく出来るのだが…。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



関係する皆さん、色々すみません…。






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フロントフェンダー、前後カウル、他(2016年11月下旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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フロントカウルとフロントフェンダーをつなぐフェンダーブリッジ。
この下にフロントカウル締結用の小型の3方向締めファスナーがあるのだが、やや使いにくそう。
色々要件があってやむなくこういうレイアウトにしたのだが、3号車以降ではフェンダーブリッジを
前方に移設することを検討予定。

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フロントフェンダーの車両中心側の側面にはこんな穴が開いていて、これはヘッドライトのロービーム
の光軸調整のためのサービスホール。
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サービスホールは通常はこのように閉じている。これを取り外すためには工具が必要だが、光軸調整の
作業そのものは手で直接ダイヤルを回して行えるようになっていて、そのための工具は不要。穴に手を
突っ込んでその先で工具を使うのはやりにくいだろうと考えて。
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フロントエンドのサブフレームを下から見上げたところ。ここに取り付けられているのはフロント
カウル開閉用のダブルリンクヒンジ。フロントエンドは1号車に比べて少しだけ上がっているのだが、
多分並べてもわからない。イメージはかなりキープできていると思う。
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キャビンやカウルを何度か着け外しして調整。
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リヤカウル。これは少し開きかけた状態。
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これが閉じた状態。
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開きかけた状態。キャビンというかサイドポンツーン側とピッタリ合うように調整。
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ホイールアーチの淡いグレーの部分はパネル断面…ではなくて(こんなに厚かったらものすごく重くなる)、
いわゆる“折り返し”。せっかくこうして成形されているのだが、タイヤ/ホイール位置が変更されていた
ためにこれらはこのあとまた作り直しになる。(この写真の部分は活かせたかもしれないが、上側と前側は
全面的に修正)こういう無駄な作業が発生してはいけない、本当は。
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これはフロントカウルにつく恵那インテークのダクト類。これらの間にジャバラのホース類が付く。
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写真中央の楕円に見えるのがそのエアインテーク。これはキャビンにフレッシュエアを入れるためのもの。
フロントカウルが閉じた状態ではこの上にフロントカウルがかぶさり、さらにフェンダーブリッジも付く
ので、通常はこのエアインテークはここまで目立たない。
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メインの成形型に置かれたキャビン。何ヶ所かにフレームと結合するためのブラケット類が取り付けられて
いるのがご覧いただけると思う。
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ここまで作業が進んできて、まだ色々と修正作業が発生する。それは単純に製作誤差だったり、情報の
伝達漏れだったり、色々な要因があるが、基本設計が優れていれば、製作誤差が少ない作り方が出来るたり、
誤差があっても吸収しやすいとか、かなり減らせるはずのもの。ダメ設計に付き合わされるほうはたまった
もんじゃない…。
以前、自動車メーカーのコンセプトカーの設計でさんざん経験した “設計や製法を何も考えずに形だけ
決められてるものの現物化” のようなことにならないようにと思いながらやっているのだが、なかなか
うまくいかないことが多い。能力が足りていないのだな。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



それでも、作業は日々進む。能力の高い人たちのおかげで…。






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前後カウル建付け(2016年11月中旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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前後カウルは1号車同様こんな感じに大きく前後に開く。
純粋に機能的なことを考えればこれとは違うもっと合理的な方法もあるのだが、やっぱりこの開き方が
印象的でカッコ良く思えるので、ちょっとレイアウト的に苦しいにも関わらずこうした。

フロントフェンダーもセット。
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フロントフェンダーの分割線は、フロントフェンダー全体が形状変更されていて大型化していることも
あって1号車から少し修正されている。 とはいえ、多分並べて比較しないと違いはわからないのでは
ないかと思う。
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フロントカウルとフロントフェンダーを結合した状態で開閉。
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フロントフェンダーのロワー側の内部。サブフレームとマウントブラケット。まだ位置出しのための
仮組みで、溶接も点付け、仕上げもしていない状態。本溶接は再度イケヤフォーミュラさんできっちり
やっていただくことになる。
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ホイールハウス内に空気がたまらないように後方にエアアウトレットが設けられている。
このあたりの構成は1号車と基本的に同じ考え方。


リヤカウルのヒンジステー。この下端部は、ギヤボックスの上に設けたサブフレームに設置されるヒンジに
つながる。この構成は1号車と変わらず、整備性などを考慮したわずかな修正が入るのみ。
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3Dデータで設計するようになって、随分色々なことがわかりやすくなって、想像もしなかったとんでもない
ことは起こりにくくなったのだが、それでも現物になってあらためて認識するまずいところとかはポロポロ
出てくる。そういうことがなるべく無いように色々考えて、予想される危険は先回りして対策するように
しないとなのだが、なかなか、そう簡単にはいかない。
だんだん形になってきて、そのこと自体は嬉しいのだが、“ああ、ここはもう少しこうすれば良かったかな…”
とか、思うことも多い。そういうときに自分の能力の低さを痛感する。そしてそんなことがしばしばある。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



だんだん形になってきて、嬉しい気持ちと複雑な気持ちと…。






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フロントカウル、キャビン、サイドガラス(2016年11月中旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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シャシーにボディをセットしようとすると色々細かいところで修正しなければならないところが
見つかる。そううところがなるべく出ないように心がけていても、この製法ではある程度は
どうしようもない。

フロントカウルの大体の位置を出して
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フロントフェンダーもセット。これでほぼボディ全体が一時的ではあるがまとまった。
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この白いパーツが以前取り上げたフロントフェンダーブリッジ。面データから粉末造形で作られた
もので、R/Lごとに5ピースで構成される。特殊な形状のナットやボルトを仕込むための細かい
造作があって、FRPでの製作は事実上困難なため、この製法とした。
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先日のヘッドライトハウジングについての記事で私はこの粉末造形という製法をとても気に入って
いると書いたが、実はこのときはヘッドライトハウジングと発注したところが違っていて、片側に
熱変形と思われるところがあり、ヘッドライトハウジングほどは印象は良くなかった。データと
機械で作ると言っても、こういうのもやはり業者、担当者による、ということなのだろうな。

ドアはまだ付いていない。前後ホイールアーチの隙間が気になる。
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フロントの合せガラスを載せてみる。ほぼ完全にフィットする。これ自体をメインの成形型に置いて
キャビンを成形したのだから当たり前だが、安心する。
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キャビン前端のマウントブラケット。
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ルーフ部分のマウントブラケット。
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リヤ側バルクヘッド。ものすごく頑丈そう。
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Aピラー下側、ドア前側のマウントブラケット。
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フロントカウル固定用の3方向締ファスナー。フロントフェンダーブリッジの後端にかかる位置で、
やや使いにくそうという指摘があって、自分でもそうかもしれないと思っていたところ。ここは
3号車以降ではフェンダーブリッジの位置を前方に移動するなど何かしら修正するかもしれない。
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キャビンと1号車からキャリーオーバーしたリヤカウル。両者の合いは問題無し。2号車でもクレイ
モデルを作った理由のひとつがこれを合わせるため。両者の3次曲面はきれいに連続性を保つことが
出来そうだ。
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丸いマーキングは給油口で、これはキャリーオーバーするリヤカウルの数少ない修正ヵ所のひとつ。
1号車ではキャビン側にあったのだが、保安基準で室内側に燃料配管があってはならないという事で
ここに移動することに。
当初はバルクヘッドにつけるトリムの一部を盛り上げてこの配管をカバーすればいいのではないかと
思っていたのだが、念のため、文句を言われそうなところは冒険しないで安全を見よう、ということで。
ただ、リヤカウルに普通に給油口を設置したら、これまでどおりのリヤカウルの開閉は出来なくなって
しまうので、給油口のフタ(フィラーリッド)のみをリヤカウル側につけて、内部の配管やスクリュー
キャップはシャシー側に固定で、両者は結合されていない、しかもリヤカウルの開閉時に干渉しない
ような構造にしなければならない。ちょっとばかり面倒といえば面倒なことではある。


このごっつい運搬用フレームに入っているのは、ガラスメーカーから送られてきたサイド(ドア)用
ガラス。見えにくいがちゃんとJISマーク入り。
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実はこのサイド用のガラスで私のバカなエピソードが…。
少し前に送られてきていたこのサイド用のガラス、最初見たときにJISマークが入っていないように
見えた。実際にはもちろん入っていたのだが、何とも目立ちにくいつつましいアピアランスで…、
保護シートをはがさない状態では目視での確認が難しいくらいのものだった。それで、てっきり
何かの手違いで(急いで作ってもらったし)刻印し忘れたのではないかと思ってしまい、あわてて
ガラスメーカーの担当者の方に電話したところ、その方も現物の確認をご自身ではしていなかったのか、
“それは大変!申し訳ないがすぐ送り返してください。届いたらすぐに刻印して送り返しますから。”
とのことだったので、この種の品物の運送に頼れる西濃運輸で返送した。
そうしたら翌日電話がかかってきて、“ちゃんと入ってるじゃないですかぁ。送り返しますね。”
とのことで、今度はこっちが“えぇ!?そ、それは大変失礼しました、すみません、すみません。”
ということで、このガラスはとんぼ返りして来た。
このJISマーク、ブラスト処理で描かれていて着色はされていない。まわりに対して淡く曇っている
だけで実に控えめ。
今度はちゃんと保護シートをはがして確認。確かにありました、指定したとおりの場所に。
ガラスメーカーさん、失礼なことを言って、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



あこがれのJISマーク、重要なのにつつましい…。






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