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ドアヒンジまわり_2(2016年12月上旬)IF-02RDS ロードバージョン開発経過 [Ikeya Formula IF-02RDS]

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用意した治具が使い物にならなかったので、オーソドックスに上下のヒンジにヒンジピンと同じ径の長い
鋼棒を差して(粉末造形で作った白いヒンジベースには一旦穴をあけて貫通)位置出しを行う。単純な
方法だが上下に分かれた2個のヒンジのヒンジラインはこれで完璧に通る。

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おおむね位置が出たところで試作ヒンジを取り付けてみる。
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クリアランスが一定でなく、あちこちで干渉もある。それらを一ヶ所ずつ修正していく。
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ドア側に見える穴がたくさん開いたプレートは、車両内側向きにボルトが溶接されたヒンジベース。
たくさんの穴はFRPで貼りこむときにしっかりと固着させるためのもの。ドアのインナーパネルには、
このボルト/ナットへアクセスするためのサービスホールがあけられている。ここには別体のカバーがつく。
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ボディでもヒンジでも、面データから完全に形状が再現できればこういう現物合せの作業は劇的に減らせる
と思うが、そうするには初期開発費がかなりかかるし、今回は別の理由でも現実的ではない。今回のような
製法ではこの種の現物合わせはある程度しょうがない。
しかも今回のドアヒンジは1号車のものから変わって、ずっと難易度が高い形状になっている。
これはドアの開口角度を大きくしたいということと、本物の安全ガラス(合せガラス)を使うフロント、
サイドのウインドーグラスに影響しないようにと考えた結果、Aピラー上ではボディの外にある(機構的には
いわゆる外ヒンジの一種。カバーがつくが)ものが、Aピラーの端末で折れ曲がって室内側に入り込んで、
ウェザーストリップやインナーパネル(ドアサッシュインナー)を避けつつ伸びて、その先でドア側の
ヒンジベースにようやくたどりつく…という何とも面倒くさい形状で、微妙な曲げやオフセットが多用
されている。これを手作業で一発で作るのは普通に考えて至難の技。なので、試作一発目はたたき台と
して、こうして合せ作業でバリバリに削ったり曲げたり、場合によっては切って延長したり位置を
ずらしたりして再溶接…そういう風にしてキズだらけになりながらお役目をまっとうしてもらうことになる。
本番用はこのキズだらけの試作一発目を見てもらって、どう作ればいいかを十分把握してもらって、
ボディ形状に沿ったきれいなものに作り直してもらえたらいいなと思う。
それと同時に、こんな手間のかかる設計をしてしまって申し訳ないと思う…。



写真は全て、この作業をお願いしている NY Connect の内藤さん撮影。



一発でビシッと決まったらいいけど、なかなかそうはいかない…。






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